- 水瀬璃慧(みなせ・あきえ)
-
- 創作活動に勤しむ高校1年生。PNやHNは、瀬川輝(せがわ・ひかる)。
-
- 勧誘されて、9月にオーケストラに入部。パートはクラリネット。
- 白月悠(しらつき・はるか)
-
- 璃慧のクラスメイト。
-
- 璃慧をオーケストラ部に引き込んだ張本人。担当はフルート。
- 雪丘望(ゆきおか・のぞむ)
-
- 璃慧と悠のクラスメイト。女の子。
-
- オーケストラ部ではヴァイオリンパート。
- 部長
-
- オーケストラ部の部長。楽器はファゴット。
3階の、東側の一角に音楽室はある。
扉だけ見れば、普通の部屋。
だけど、休み時間と放課後には特別な賑わいを見せる。
放課後。一番活性化する時間。
第三者から見ると、不思議な雰囲気が醸し出されているらしい。
本人たちは、ただ普通に練習しているだけなのだが。
とりあえず、練習が一段落して休憩である。
- 璃慧
- 「(うぅ、疲れた〜)」
- 悠
- 「……璃慧、だいじょうぶ?」
- 望
- (腕を伸ばして)「つかれたぁ……腕がばきばきっていってる……」
- 璃慧
- 「筋肉痛い……(つぶやく)」
休憩になったとたんに騒ぎ出す部員たち。
公演まであと1ヶ月を切っているというのに、気楽なものである。
- 部長
- (突然出没)「輝ちゃんだいじょうぶ?」
- 璃慧
- 「(相変わらず神出鬼没だなあ……) ……眠いっ(はきすてるように)」
- 部長
- 「入ったのが遅かったからね……まぁでもあとは練習次第かな。けっこうよくなったし」
- 望
- 「おーぱちぱち」
- 悠
- 「よかったね」
- 璃慧
- 「まだ音が全部は出ないんだよう」
- 部長
- 「練習あるのみ。あ、これ、これからの練習予定ね」
部長は練習予定表ををみんなに配ってまわっていたらしい。
それを見た璃慧の顔がひきつった。
- 璃慧
- 「う゛……(絶句)」
- 部長
- 「ん?」
- 璃慧
- 「予定というか……毎日あるように見えるのは気のせいかなぁ……」
- 部長
- 「いんや。毎日だよ。毎日放課後授業が終わったらここに直行。で、下校時間まで練習」
- 璃慧
- 「(即座に) ばっくれるぅ〜。時間ないんだよぉ。文芸の方だって〆きり近いのに……(ぶつぶつ)」
会話を聞いて、紙に視線を落とした悠と望も固まる。
- 悠
- (小声で)「朝と昼もこいって言ってたよね(汗)」
- 望
- (同じく小声で)「言ってたねぇ(遠い目)」
- 悠
- (まだ小声)「中間試験があるって、わかってるのかな部長は(汗)」
- 望
- (やっぱり小声)「はうっ……勉強しないとなぁ……」
- 悠
- (小声で)「オケラに入った時点で、勉強はあきらめろと言いたいのかなぁ……」
- 望
- (ぼそっと)「やばい……」
とかやっている間に、強引に説得されてしまった璃慧。
部長の笑顔と言うのも、それなりに恐いものがある。
- 部長
- 「じゃ、そういうことで。今日はとりあえず他のパートといっしょにメインの音階の部分を合わせればいいかな」
- 璃慧
- 「わたしはやることあるのっ」
- 部長
- 「がんばってね。このあとはパート練習だから」
- 璃慧
- 「う〜」
あっさり言われ、二の句がつげない璃慧。
もともと練習不足は自覚しているので、言われると、やらざるを得ない。
部長が去ったあとでパート練習をしながら。
- 璃慧
- 「やんなきゃいけないこといっぱいあるのに……」
- 望
- 「あはは(苦笑)」
- 悠
- 「……いろいろ、仕事を抱えすぎなんじゃない?」
- 璃慧
- 「やりたくてやってるんじゃないよお(涙) あ゛ー、もうっ! 最近勉強もやばくなってるしさあ、レポートもあるでしょ。文芸の〆きりもすぐだし、知り合いに押し付けられた小説は、一向に進んでないし……。 HPも更新とまってるしなあ……。サークルの方も……(延々と続く)」
- 悠
- 「……テストだって言って、少し休めばいいじゃない」
- 望
- 「まぁ僕もいろいろあるしなぁ(汗)」
- 璃慧
- 「はああ。だから公演のらないっていったのにいっ。 2ヶ月でふけるようになるわけないじゃん…… もう蹴れないところまできちゃってるしなあ……。 ……蹴れるとしたら、テストかあ(嘆息)」
- 悠
- 「……蹴るつもり?」
- 璃慧
- 「だってえ、たとえどうなっても直接的には人に迷惑かけないのって、それだけなんだもん(涙) まあ、平均ぐらいは取れるだろうし……」
- 悠
- 「でもさあ……」
- 璃慧
- 「あ、でも、親に怒られるなあ……。そして、ネット禁止になって、みんなに迷惑をかける、かも…………。 はああっ。いつになったら暇ができるんだよお。 創作が進まないじゃないか〜っ!! 中学の時は暇だったのにな〜(とーいめ)」
- 望
- 「(あっさり) 忙しくなくなったら、人生終わり」
- 璃慧
- 「もう終わってもいいよ…………」
- 悠
- 「ひとつ終わっても、またすぐ次がくるもんね……」
- 璃慧
- 「はぁ……」
- 望
- 「とりあえずテスト勉強」
- 璃慧
- 「言うなっ! はああ、もう70点取れれば良いよ……」
璃慧に平穏な日はとうぶん訪れそうにない。
1999年10月、吹利学校高等部の音楽室でのできごと。
オーケストラ部の何気ない日常。
テスト前であろうが、忙しい部員がいようが、練習はすべてに勝る(笑)。
連絡先 / ディレクトリルートに戻る / TRPGと創作のTRPGと創作“語り部”総本部