- 豊秋竜胆(とよあき・りんどう)
:ベーカリー楠の常連。
- 布施美都(ふせ・みと)
:ベーカリーの向かい、グリーングラスの住み込みバイト。
- SE
- (どこぞより六甲おろし)
- 竜胆
- 「ああ、どっからともなく六甲おろしが聞こえる……」
- 美都
- 「パン屋さんから……六甲おろしが……」
- 竜胆
- 「ここで巨人の星を歌えばボコ殴りにされるかな( ̄▽ ̄;;」
- 美都
- 「巨人にも歌があるんですか?」
- 竜胆
- 「有名な歌じゃないですか。ふんふんふーん、ふんふんふん」
巨人の星のフレーズをハミングをする竜胆。
- 美都
- 「巨人の応援歌なんですか?」
どうやら、知らないらしい。過去の記憶が無いのだから、知らない事の方が多い訳だが……。
- 竜胆
- 「いや、その……( ̄▽ ̄;; 有名な昔のまんがですよう」
- 美都
- 「あ、昔のマンガなんですかぁ……ごめんなさい、私、最近の事しか覚えてないものですから」
- 竜胆
- 「ほえー( ̄▽ ̄;; 巨人の星を覚えてないとは……悲しいですね(><)」
- 美都
- 「そうですね……残念です」
- 竜胆
- 「それはおいといて〜。巨人といったら阪神の不倶戴天の敵なんですよ」
- 美都
- 「最近の野球は知ってます。何か、開幕戦は盛り上がってましたよね」
- 竜胆
- 「それはねぇ、阪神に名監督がきたからだよ」
この情報は、正確である。
- 竜胆
- 「あと、怪物ルーキーがねぇ」
- 美都
- 「そうなんですかぁ……」
- 竜胆
- 「そうなんです」
なお、怪物ルーキーが来たのは、別の球団で、リーグすら違う。
竜胆の方は冗談だっただろうが、美都は素直に納得していた。
竜胆の方も本気であったら、もはや救いようはないが……。
- 美都
- 「えーと、そう言えばベーカリーに良くこられる方ですよね? 始めまして、布施美都って言います」
- 竜胆
- 「あ、よろしく〜。豊秋竜胆です」
一通り雑談してから自己紹介をしている。順序までもズレた二人であった。
六甲おろしは、まだ止まない。
ベーカリーの前で、美都と竜胆が初めて出会う。中からは、六甲おろしが聞こえてきていた。
1999年8月頃
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