エピソード1045『すぱげてぃ・かるぼなーら』


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エピソード1045『すぱげてぃ・かるぼなーら』

登場人物

御剣司(みつるぎ・つかさ)
  : 電気と電子を操る電操士。吹利に越してきてから一人暮らしをし :ている。

夕食の時刻

最近、家に帰ってから寝てしまうため、夜中のインターネットの時間に食事をする事が多い。

「ご飯……はおととい食べ尽くしたか……。じゃあ、またパスタだな」

ガスコンロに火をつけ、なべに水を張る。一方で、パソコンが立ち上がり、初期動作をしている。
 まともに立ち上がる確率は50%。いつも同じ所で止まるのだが、面倒なのでメンテナンスもしていない。

「……だめか……じゃあ、再起動……と」

キーボードなら、Ctrl+Alt+Del。両手は卵をかいていてふさがっているため、ひと睨みで信号を送る。
 画面が暗くなり、パソコンが再起動し出す。
 あと数回やれば立ち上がるだろう。

「湯が沸いた。パスタパスタ」

実家から、そばやらパスタやらが送りつけられて来る。夜にそばを食べるのもどうかと思い、スパゲッティを食べる事が多くなるのだ。
 適当につかんでなべの中へ。同時にタイマーを作動させる。TRPGのセッションで使えると思って買ったタイマーがだが、最近は本来の用途として使う事が多い。
 しばらくしてから、書き回してパスタの全身をなべの湯に浸からせる。これを怠るとなべからはみ出ている部分が火に炙られ、別の料理となってしまうのだ。

「おし、後7分……と」

そのままほっておいて、パソコンの前へ。メールと同時にIRCクライアントをたちあげる。
 いつものようにチャンネルに入り、挨拶を交わす。
 一方、別ウィンドウではメールの処理。毎日十数通であるから、それほどでもない。

SE
ピピピッピピピッ
「あ、できた」

タイマーが時間が来た事をつげる。
 湯を切り、卵をかいたボールに塩こしょう、バター、粉チーズ、刻んだベーコン。生クリームをあけ、一瞬動きが止まるが、そのまますべて流し込む。

「……やっぱ、ちょっと量が多かったかな……」

しばらく混ぜてから、湯を切ったパスタをボールに叩き込み、そのまま箸を持ってパソコンの前へ。

「うん(ずるずる) まあ、食えなくはない」

IRCでの応対をしつつ、そばか何かのようにスパゲティを食べる。文字を意識だけで表示させるのも、だいぶなれてきた。
 手よりも早く打つ事が可能だ。

「あ……やっぱりソースが残ったな……まあ、スープスパゲティと思えば、こんなもんだろ」

そのまま絡めて食べた後、残りのスープ(?)を飲み込む。

「夕食終わり」

ボールと箸を流しに付けにいく。必要な食器は、なべ、ボール、箸のみ。
 明日の朝も、パスタかもしれない……。

時系列

1999年のある日。

解説

一人暮らしの司の食生活。
 あまり健康的とはいえない。



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