エピソード1159『路地占(ろじうら)』


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エピソード1159『路地占(ろじうら)』

登場人物

狭淵美樹(さぶち・みき)
3度の飯より本が好きな医学生
蒼月かける(あおつき・かける)
3度の飯よりねこみみがすきな占い師

BlueMoon

近鉄吹利線を、列車は音を立てて通り過ぎていった。
 線路脇の道は、車通りも少なく。
 ましてや、列車が騒音を立てて通り過ぎていった後は………やけに寂しげに、静かだ。
 いつ降り出してもおかしくないような曇り空。天は空を切って、ひっそりと動かず。ひょろひょろと。曇天を区切る架線を見上げながら、歩く人影。

美樹
「(へっくしょぃ!) …………風邪、ぶり返したかもしれませんね……」

独り言。ポケットティッシュを使いながら。
 梅雨時。梅雨に入ったのか入らないのかいまいち不明確な不安定な気候。
 つと。立ち止まる。
 こんな場所には不釣り合いな、黒い天幕が視界の先に入る。
 歩くに連れ、近づいてゆき、読みとれるようになる飾り文字。
 
 BlueMoon
 
 そう、書いてある。

美樹
「(…………占い?)」

わざわざ、天幕を張って………。

鏡の中の占い師

かける
「いらっしゃいませ」

かけるの左右にあるランプが、天幕に括り付けられた大小さまざまな鏡に反射して中を照らしている。何度か光が目を直接うがつ。

かける
「あれ。美樹さんではないですか。こんなところで会うとは。運命ですかね」
美樹
「いや、なんとなく通りかかっただけなんですが」

実も蓋もないいいかたである。

美樹
「この鏡は何ですか?」
かける
「飾りです(きっぱり) まぁ、異能を使う時の媒介ではあるんですがね」
美樹
「ふむ」
かける
「せっかくだから、なにか占って差し上げましょうか?」
美樹
「そーですねぇ………あれこれ考えるのもなんですので、適当に全体運という事でお願いしましょうか(にこにこ)」

運命が指し示すもの

かけるは、懐からからタロットカードを取り出す。
 美樹がちょっとだけ、眉をしかめる。

美樹
「タロットですか?」
かける
「タロットは信仰かなんかでだめですか?」

それだったら占い自体普通駄目だろう(笑)

美樹
「いや。別にだいじょうぶです」

ちょっと過去に悪い思い出があるだけで。別にかまわない。

美樹
「いや。別にいいです」
かける
「ふむ。それでは」

タロットをテーブルの上で、こねるようにして混ぜる。
 再び揃えて、定められた手順で展開する。

かける
「ふむ」
美樹
「……」
かける
「ふむむむ……(^^;」
美樹
「?」
かける
「うーむ(^^;」

タロットを見て悩むかける。

美樹
「何か?」
かける
「うーむ。解釈しづらい(^^;」

一息ついて

かける
「運気そのものは悪くないのですが、結果として現れていないようです。 現在の自分の考え方や行動規範がが間違ってないかもう一度考えてみてはどうでしょうか。そうすれば何か得るものがあるでしょう。 あと、しばらくは悪いことが続くかもしれません。注意してください」
美樹
「はぁ」
かける
「まあ、たかが占いですから、あまり気にしないでください」
美樹
「そうですか。まあ、まー、長い目で見れば、運勢なんて、±0になるもんですからねぇ(にこにこ) ありがとうございます。気をつけましょう」

そう言って、見料を出そうとズボンのポケットから財布を取り出そうとする美樹。しかし。

美樹
「………………財布をどこかに置き忘れてきたような気がします」
かける
「うーむ(^^;」
美樹
「今度お会いするときまで、見料は待っていただけませんでしょうか?」

こーして、やはし、どーも占いは当たっているようである。

かける
「……今回はただでいいですよ(^^;」

解説

ベーカリーではねこみみ〜と騒いでばかりいるように思える、蒼月かける君でありますが。ほんとは真面目に占いもやって、人助けをしてるんですよね。
 ……というお話。屋号がBuleMoonだったのか。



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