エピソード1175『ふこうのてがみ』


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エピソード1175『ふこうのてがみ』

登場人物

狭淵美樹(さぶち・みき)
呑気な医学生。留年中。
前野浩(まえの・ひろし)
黒ずくめのグラサン青年。

本文

昼下がり。うららかなペーカリーにて。

SE
(からんころん)

一般の客が一人、パンを買い出ていく。店長の声に見送られ。
 そして、常連だけがぼへ〜〜〜っと存在する空間が取り残される。

美樹
「そー言えば、前野さん」
前野
「はい?」
美樹
「いえ。こういうメールが届きまして………ちょっと見ていただけますか?」

これは、「拭こう!の手紙」です。
 この手紙を読んだ方は、とりあえず足を拭いてください。
 1985年8月7日、テキサス州在住のロバート・ストライヤーさんは、ちょうどこの手紙が着いたときに、足が汚れていました。
 なお、これはchain mailではありませんので、決してお知り合い10人などに同じ文面で出したりはしないでください。

美樹
「と、いうわけなんです」
前野
「…………で、どうしたんですか?」
美樹
「それが………確かに足が汚れていましたもので」
前野
「えぇ」
美樹
「拭きました」

沈黙。
 昼下がり、ベーカリーでは、何事もなく…………

時系列

1999年5月。ベーカリーの昼下がり。

解説

メールが美樹の元に届く。そのメールの文面は………



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