エピソード1178『里見鏡介の日常:カラオケ編』


目次


エピソード1178『里見鏡介の日常:カラオケ編』

登場人物

里見鏡介(さとみ・きょうすけ)
死者救済の使命を持った死人使い
佐古田真一(さこた・しんいち)
ギターで語るスナフキンおたく

呼び出されるはカラオケ

その日、 午後八時、 里見鏡介は風見アパートの自室でのんびりと愛機のPowerMacでインターネットを楽しんでいた。それを横から遠野勇那がのぞき込んでいる。

遠野勇那
「まあた、悪趣味なもの見てるわね〜」
里見鏡介
「そうかい、綺麗だと思うけど」
SE
ブルブルブルブルブルブル

その時、鏡介のPHSがバイブレーション機能で振動し始める。着信を見ると予備校の友人のようだ。

友人1
「里見っちー? 今からちょっと来てよ、駅前の『歌町』にいるからさあ」
里見鏡介
「今から、かい? まあいいけど」
友人1
「んじゃ、待ってるから近くなったら電話ちょうだいねー」
里見鏡介
「ああ、わかったよ」

背後から他の連中の「急げよー!」などという声が聞こえる。鏡介は、着ていた長袖のボーダーシャツの上にもう一枚半袖のシャツを着て自室を出る。そこにちょうど隣室の佐古田真一が帰ってくる。

遠野勇那
「あ、佐古田さんじゃん、ばんわー」
里見鏡介
「こんばんわ」
佐古田真一
「じゃじゃん(今からおでかけ?)」
遠野勇那
「今からカラオケ行くのよ」
佐古田真一
「じゃんじゃん(そうか。行ってらっしゃい)」

歌を歌おう、朝まで

ようやくカラオケボックス『歌町』につくと、既に場は結構盛り上がっていた。総勢15人、結構な人数だが、既に酔って半分眠っているものもチラホラ居る。

友人1
「おお来た来た、拍手〜!」
SE
パチパチパチパチ

どういうわけだか拍手で迎えられ、さっそくジントニックとカラオケのリモコンを手渡される。

里見鏡介
「ああ、来たよ。それじゃあ始めようか……」

鏡介は番号を打ち込み、送信し、ジントニックを片手に他の者の歌を聴いたり近くの者と無駄話をしたり、時折勇那に声をかけたりする。
 鏡介の独り言など珍しいことでもないので、気にする者も居ない。

友人1
「スモーキンビリー、里見っちのばんすよ」
里見鏡介
「ありがとう……」

マイクを手渡され、鏡介の顔つきが変わる。
 thee michele gun elephant、鏡介の好きなバンドの一つだ。シャウトを交えて歌い終えるとどういうわけだか周りにウケまくっている。

友人2
「ひー、マジおもしれぇわ、里見っち最高」
友人1
「ぶっこわれるんだよねー、カラオケ来ると」
里見鏡介
「……そうかな?」

遠野勇那
『あはははは……(^^;』

この夜、結局鏡介達は朝まで歌って騒いだ。翌朝喉がガラガラに涸れたのは言うまでもない。

里見鏡介
「……タノシカッタ」

時系列

1999年7月。

解説

死人使い、里見鏡介の日常的な遊び方の一幕。



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