- 布施美都(ふせ・みと)
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- 過去の記憶の無い娘。微笑みレベル初級。
- 豊秋竜胆(とよあき・りんどう)
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- マリカの店長代理。微笑みレベル中級。
- 煖(ナン)
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- 無道邸の家事手伝い。微笑みレベル上級。
- 平田阿戸(ひらた・あど)
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- 微笑みの被害者(?)
- 煖
- 「平田さん、なんか可愛くて……(くすくす)」
- 平田
- 「か、可愛い!? ……し、失敬な……(動揺)」
- 煖
- 「あら、ごめんなさい。つい……(にこにこ)」
- 平田
- 「う……」
煖と平田のいつものやり取り。
平田は、煖を前に二の句が告げられなくなる。
- 美都
- 「ふうーん……」
- 紫苑
- 「美都、何を感心しているんですか?」
- 美都
- 「平田さん……煖さんのにこにこで、いつも固まってるみたい……」
- 平田
- 「女性のにこにこは、兵器だよ……」
- 煖
- 「そうなんですか?」
- 美都
- 「そうなんですかぁ……」
異口同音の感想を漏らす二人。
ベーカリーの微笑み。
- 竜胆
- 「当店では、そのようなお誘いはお断りさせていただいています(にこ)」
- 男の客
- 「いいじゃない。終わるまで待ってるからさ、何時ごろ終わるの?」
- 竜胆
- 「……(にこにこ)」
- 男の客
- 「……」
目を離さずに微笑む竜胆、たじろぐ男。
それを美都は、固唾を飲んで見守っていた。
- 竜胆
- 「……(にこにこ)」
- 男の客
- 「……じゃあ……また」
- 竜胆
- 「ありがとうございましたー(にこ)」
男の客は、そのまま釣りをもらって帰っていった。
- 美都
- 「はー」
- 竜胆
- 「美都ちゃん、どうしたの?」
- 美都
- 「いえ……にこにこだけで帰ってもらえるなんて……」
- 竜胆
- 「あはは……まあ、武器みたいなものだよ〜」
- 美都
- 「武器ですかぁ……」
- 美都
- 「紫苑ちゃんっ」
- 紫苑
- 「どうしたんですか?」
- 美都
- 「……(にこにこ)」
- 紫苑
- 「?」
- 美都
- 「……(にこにこ)」
- 紫苑
- 「どうしたんです? 美都。何か嬉しい事でもありましたか?」
- 美都
- 「……(にこにこっ)」
- 紫苑
- 「おなかが空いたんですか? 何か作る時間ですね」
そう言って、席を立って台所に向かってしまう紫苑。
- 美都
- 「はう〜」
- 紫苑
- 「疲れてますね」
- 美都
- 「私には、まだまだ無理みたい……」
美都の微笑みは、武器ではないらしい……。
2000年のある日
女性の微笑みは、時として武器となる……か……。
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