エピソード1402『微笑みの威力』


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エピソード1402『微笑みの威力』

登場人物

布施美都(ふせ・みと)
 
過去の記憶の無い娘。微笑みレベル初級。
豊秋竜胆(とよあき・りんどう)
 
マリカの店長代理。微笑みレベル中級。
煖(ナン)
 
無道邸の家事手伝い。微笑みレベル上級。
平田阿戸(ひらた・あど)
 
微笑みの被害者(?)

ベーカリーの微笑み

「平田さん、なんか可愛くて……(くすくす)」
平田
「か、可愛い!? ……し、失敬な……(動揺)」
「あら、ごめんなさい。つい……(にこにこ)」
平田
「う……」

煖と平田のいつものやり取り。
 平田は、煖を前に二の句が告げられなくなる。

美都
「ふうーん……」
紫苑
「美都、何を感心しているんですか?」
美都
「平田さん……煖さんのにこにこで、いつも固まってるみたい……」
平田
「女性のにこにこは、兵器だよ……」
「そうなんですか?」
美都
「そうなんですかぁ……」

異口同音の感想を漏らす二人。
 ベーカリーの微笑み。

マリカの微笑み

竜胆
「当店では、そのようなお誘いはお断りさせていただいています(にこ)」
男の客
「いいじゃない。終わるまで待ってるからさ、何時ごろ終わるの?」
竜胆
「……(にこにこ)」
男の客
「……」

目を離さずに微笑む竜胆、たじろぐ男。
 それを美都は、固唾を飲んで見守っていた。

竜胆
「……(にこにこ)」
男の客
「……じゃあ……また」
竜胆
「ありがとうございましたー(にこ)」

男の客は、そのまま釣りをもらって帰っていった。

美都
「はー」
竜胆
「美都ちゃん、どうしたの?」
美都
「いえ……にこにこだけで帰ってもらえるなんて……」
竜胆
「あはは……まあ、武器みたいなものだよ〜」
美都
「武器ですかぁ……」

美都の微笑み

美都
「紫苑ちゃんっ」
紫苑
「どうしたんですか?」
美都
「……(にこにこ)」
紫苑
「?」
美都
「……(にこにこ)」
紫苑
「どうしたんです? 美都。何か嬉しい事でもありましたか?」
美都
「……(にこにこっ)」
紫苑
「おなかが空いたんですか? 何か作る時間ですね」

そう言って、席を立って台所に向かってしまう紫苑。

美都
「はう〜」
紫苑
「疲れてますね」
美都
「私には、まだまだ無理みたい……」

美都の微笑みは、武器ではないらしい……。

時系列

2000年のある日

解説

女性の微笑みは、時として武器となる……か……。



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