- 水瀬璃慧(みなせ・あきえ)
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- 吹利学校高等部に通う少し人見知りな少女。
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- 内部生でもなければ、悠とは血のつながりも全くない。
- 白月悠(しらつき・はるか)
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- 同じく吹利学校高等部に通う。
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- 璃慧とはクラスメイト。幼なじみでもない。
- 雪丘望(ゆきおか・のぞむ)
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- 悠と璃慧の親友
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- 双子(三つ子?)扱いされないのはきっと身長差のおかげ(爆)
- 氷崎友穂(ひさき・ゆうほ)
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- 吹利学校中等部の三年生。
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- 悠の後輩、歌を歌うのが好きな、活発な少女。
いつものように、学校が終わり。
璃慧と悠は校門をくぐり、道を歩いていた。
- 璃慧
- 「でね、昨日のIRCでさぁ……」
- 悠
- 「うんうん」
と、いつものように話していると。
- ??
- 「先輩っ」
突然、誰かの声が投げかけられた。
二人とも、声の主を探して振り向く。
- ??
- 「あ、やっぱり先輩だ」
- 悠
- 「……? あ、友穂ちゃんっ」
主の顔を見て、悠の顔がほころんだ。
中等部で合唱サークルに所属していた悠。その一年下にあたる、同じサークルの会員だった氷崎友穂が、そこにいた。
- 友穂
- 「お久しぶりですっ……変わってないですね」
- 悠
- 「友穂ちゃんこそ、変わってないね(くすっ)」
再会を喜ぶ二人。中等部と高等部は隣なのに、なぜか顔を見かけることも少なかったのだ。
ましてや、こうして話す機会など……
- 璃慧
- (ちーさな声)「ほえ?」
- 悠
- 「中学の後輩、だよ」
璃慧を認めたらしい友穂が、いぶかしげに眉をひそめ……
次の瞬間。
- 友穂
- 「あ、この人が先輩の双子の姉妹なんですねっ」
沈黙。
- 璃慧&悠
- 「……へ?」
- 悠
- 「え、えっと友穂ちゃん、それ、どういうこと?(汗)」
- 友穂
- 「どういうもなにも……違うんですか?」(びっくり)
- 璃慧
- 「……違うにきまってるじゃん(汗)」
悠はただただ驚き。璃慧はがっくりと肩を落とし。
当の友穂はといえば、自分の発言が及ぼした影響に慌てていた。
- 友穂
- 「え、だって、クラスの子みんな言ってますよ?」
- 璃慧
- 「なんて?(汗)」
- 友穂
- 「んー、『いつも一緒に帰ってるあの人たちって、絶対に双子だよねー』って……」
一緒に帰ってれば双子なのだろうか。
- 友穂
- 「髪型とかもなんとなく似てるし、……それに、服装とか、雰囲気とか……」
- 璃慧
- 「……そうかあ?(汗)」
髪の色は漆黒と栗色。長さも、腰までと肩先まで。
服装は……色調は似ているかもしれないが、スカートの裾の長さは全く違う。
雰囲気はといえば……知りようがないが。
- 悠
- 「……そういえば、この前も別の子に似たようなこと言われたかも……(とーいめ)」
- 璃慧
- 「趣味とか、性格とか、違うのにねぇ……」
- 友穂
- 「そうだったんですか……すっかりそう思いこんでました」
すっかり恥じ入った様子の友穂に、璃慧はにこりと笑いかけた。
- 璃慧
- 「ちなみに、あたしは水瀬璃慧。こいつのクラスメート」
- 友穂
- 「あ、吹利学校中等部の氷崎友穂です」
そんな璃慧に、友穂も微笑み返した。
次の日、教室にて。
- 璃慧
- 「ねーねー望く〜ん」
- 望
- 「きゅ?」
- 璃慧
- 「あたしとこいつって、似てる?(汗)」
- 望
- 「ほえ?」
唐突にそう言われ、望は璃慧と悠を見比べる。
- 望
- 「いや、僕はもうずっと一緒にいるし、わかるけどさぁ」
- 璃慧
- 「やっぱそだよねえ」
- 望
- 「でも……」
- 璃慧
- 「?」
- 望
- 「教室の隅っこから後姿とか見ると、確かに似てる……」
- 悠
- 「……本当?(汗)」
望の科白に、今度こそ絶句する璃慧。
- 望
- 「ほえ? どしたの?」
- 悠
- 「んーとねえ……」
昨日あったことを手短に話す悠。
望も、微妙な苦笑を浮かべた。
- 璃慧
- 「あーでも、そういえば、クラスメートにも『お前、絶対小学校からこの学校だろ』って言われたしなー」
- 悠
- 「え?」
- 璃慧
- 「すっかりとけこんでるから、外から入ったって思われなかったみたいだねえ(とーいめ)」
- 望
- 「(苦笑)」
チャイムが鳴って。近づいてくる教師の足音が廊下に響く。
- 悠
- (そういえば、先生にまで『幼なじみか?』って言われたんだっけ)
一時間目の英語の教師の顔を思い出し。
悠はくすりと笑った。
2000年3月、進級・卒業の時期。
朱に交われば赤くなる、というように。
一緒に居ると、姿形や性格まで、同じように見えてくるのでしょうか?
璃慧と悠のちょっとした日常です。
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