- 来栖せら(くるす・−)
- 地上に撃墜された天使。
- 狭淵麻樹(さぶち・まき)
- 鍼灸術師。医師。
- 西夜一輝(にしよる・かずき)
- 紅雀院大学助手。よるるん。
とある残暑の日のベーカリー。来栖と麻樹がテーブルを挟んでいる。
- 来栖
- 「ひよこまんじゅう、食べます?」
- 麻樹
- 「ああ。これ、どうした?」
二人で思い思いの飲み物片手に、ひよこまんじゅうをかじる。
- 来栖
- 「帰省中のよるるんが、とりあえず送ってきたんです」
- 麻樹
- 「ふむ。帰省か」
- 来栖
- 「んー。なんか、『いびき』で休みで、帰省中らしいです」
- 麻樹
- 「いびきで帰省? なんだそりゃ?」
- 来栖
- 「よくわかんないです」
わからなくても、とりあえずひよこまんじゅうは可愛い。かわいいひよこまるかじり。
- 来栖
- 「そういえば、ひよこまんじゅうは博多が正統で、東京が異端らしいですよ」
- 麻樹
- 「…………それを言うなら本家か元祖、だな……」
- 来栖
- 「そういう地域もあるらしいですね」
- 麻樹
- 「そうとしかいわん」
正統だろうが異端だろうが、とりあえずひよこまんじゅう甘い。
- 麻樹
- 「で、ひよこまんじゅうはいいが。本人は?」
- 来栖
- 「さあ? でも学校もあるし、すぐ帰ってくるって言ってましたよ」
- 麻樹
- (そもそも何の帰省だ? いびき?)
- 来栖
- 「でもまあ、早く帰ってきてくれないと、さすがにひよこまんじゅうとまるぼうろとしろくまだけでは、きついものがあるんですよねえ」
- 麻樹
- (それしか食ってないのか?)「それは人間の主食ではない」
主食にならないひよこまんじゅう。しかし、なら自分で何とかしようとは思わないのか来栖。
- 来栖
- 「はやく帰ってきませんかねえ?」
- 麻樹
- 「…………そうだな」(いびき……いびき……ったく。帰ってきたら聞いてみるか)
2000年9月。ある残暑の日の昼休み。
きびき、です。
これでも親密度はアップしたようらしいです。
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