年が明けて2000年、冷え込みの厳しい1月下旬の、吹利県合同庁舎のとある一室にて。
- 公務員A
- 「おぉ寒い」
- 公務員B
- 「ああお帰り。巡視、お疲れさん」
- 公務員A
- 「ただいま。……例の白犬、帰ってきたようだな」
- 公務員B
- 「ああ、あの大きな犬か?」
- 公務員A
- 「そうそう」
- 公務員B
- 「じゃあ、俺たちも当分は楽ができるってもんだ」
- 公務員A
- 「あいつがいる間は野良犬どもも鳴りを潜めるしな、恩恵を受けるのはうちの課だけじゃないだろうぜ」
- 公務員B
- 「でもすぐどっかへ行っちまうからなぁ(苦笑)」
- 公務員A
- 「まあな(笑) 前にしばらくいた後に姿を消したときは、それからしばらく、保健所じゅうが大わらわだったもんな」
- 公務員B
- 「野良犬は手に負えなくなるわ、雑霊どもははびこるわ……そこら一帯のパワーバランスをひっくり返してるんじゃないのか?(苦笑)」
- 公務員A
- 「そうかも知れんが(笑) あいつがうちの課の心強い味方であることは確かだろう」
- 公務員B
- 「まあな」
- 公務員A
- 「野良犬狩りに引っかからないように、よく言っておかんとな」
- 公務員B
- 「誰にだ? 保健所(うち)の連中にか? 犬にか?(笑)」
吹利県の霊的衛生環境を守る県民の味方、保健所対策2課課員たちの、日常のちょっとした雑談より。魍魎喰らいの仙犬に関する話題です。
2000年1月下旬。
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