エピソード1445『ドリアン』


目次


エピソード1445『ドリアン』

登場人物

伊佐見光(いさみ・ひかる)
最近、とってもファジーになった古代の生体コンピュータ。
伊佐見由摩(いさみ・ゆま)
いつも元気いっぱいな、光ファイバー娘。
伊佐見優麻(いさみ・ゆうま)
最近、ラブラブな超古代文明の皇女の幽霊。
伊佐見香奈(いさみ・かな)
食欲旺盛な、壁破壊娘。
奈々(なな)
すっかりメイドが板についた、緊急回避ロボット。

ある日曜日

「ふむ……こんなものを買ってきたんだが……」

そこには、どこからか買ってきたドリアンがあった

由摩
「なにこれ?」
「『ドリアン』という果物さ。果物の王様と呼ばれているらしい」
優麻
「……少し変な匂いがします」
「うむ、匂いに癖はあるらしいが、美味いんだそうだ。 だから、試しに買ってみた」
由摩
「んじゃあ、早速食べてみようよっ☆」
香奈
「うんうん、折角だから、食べようっ」
「奈々、切ってきてくれ」
奈々
「はい、かしこまりましたぁ」

ドリアンを持って、とてとてと台所に小走りに駆けて行く奈々
 暫くして……

奈々
「はーい、みなさんお待ちどう様です(にこっ)」
「おおっ」
由摩
「わーい」
香奈
「やったー♪」
優麻
「食べてみましょうか……」

食べてみようと手始めに、全員、匂いを嗅いでみるが……

「うっ……」
由摩
「……くさぁい(TT)」
優麻
「……なんか、腐ってませんか?」
香奈
「これ……食べられるの?(汗)」
「い、いや……ドリアンは、こういう匂いらしいんだが……」
由摩
「うー……これじゃ食べられないよぉ……」
優麻
「でも……折角買ってきたから……一口くらいは食べないと……」

勇気を出して、優麻が一口食べてみる……

優麻
「(ぱくっ) ……美味しいかもしれません……」
「おお、そうか、なら私も食べてみよう(ぱくっ)」
由摩
「うー……じゃあ、一口だけ……(ぱくっ)」
香奈
「ま、まぁ、食べちゃえば、みんな一緒だよね……(ぱくっ)」

光、由摩、香奈は絶句する……
 そして、三人はそのまま台所へ駆け込んでいった

SE
ジャーーーッ(蛇口から水を出している音)
「(けほけほっ)」
由摩
「(オエッ)」
香奈
「(ぐうっ……オエッ)」
「んーむ……確かに、味は悪くないんだが……」
由摩
「うー……なんか、腐った臭いがぁ……(オエッ)」
香奈
「『流し台の三角コーナー』みたいな臭いがするよ……(オエーッ)」

ひと息ついて、居間へ戻ってみると
 皿に盛られたドリアンを、食べている優麻の姿

「優麻……よく食べられるな……」
優麻
「折角買ってきたものを、残しちゃいけないし……(はむはむ)」
由摩
「お姉ちゃん、我慢しないで捨てちゃっていいんだよ。そんなもの……(オエッ)」
優麻
「でも……食べて食べられないこともないから……(はむはむ)」
香奈
「もしかしてさー……優麻さんって……ゲテモノ好き?」
「………」
由摩
「………」

ちょっと引いてしまった、三人……
 今日ほど、「香りも味の一つ」なんだなと、再認識した三人であった。

時系列

11月中旬のとある日曜日。

解説

光が興味本位で買ってきた「ドリアン」を家族で食べる風景。



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