エピソード1446『優麻がIRCにやってきた日』


目次


エピソード1446『優麻がIRCにやってきた日』

登場人物

伊佐見優麻(いさみ・ゆうま)
アストラルプロジェクト
(実体化出来る霊体)である幽霊。
由摩の姉。ハンドルは白鷺冬花。ニックは「Sirasagi」
伊佐見光(いさみ・ひかる)
超古代文明の生体コンピュータ。由摩の兄。
ハンドルは、事務弐型。ニックは「GM_Mk−2」
伊佐見由摩(いさみ・ゆま)
いつも元気いっぱいな、光ファイバー娘
ハンドルは、「繭々」Nickは、「mayumayu」
高村文雄(たかむら・ふみお)
IRCサーバの運営者。
情報を抽出・固定できる資料術師。ハンドル/NICKはft。
マイア
高村宅にホームステイしている少女。
じつはプレアデス星人で、日本語が堅苦しい。
ハンドルは使わず本名を使用し、ニックは Maia。
水瀬璃慧(みなせ・あきえ)
IRCに常駐している女子高生。
最近は大分パソコンに強くなった。
ハンドルは瀬川輝(せがわ・ひかる)。NickはHIKARU。
兼澤圭人(かねさわ・けいと)
SYSTEM所属な魔道書持ちの高校生。
ネット上では、璃慧といいコンビ。
ハンドル/Nickは、whirlwind。

ただいま練習中

優麻
「えっと……これが……」
SE
カタ…カタカタ……

説明書を読みながら、キーボードに向かう。
 優麻は、春から紅雀院の大学生。
 『光     :「大学生になったら、パソコンの一つも使えないと

ダメだぞ」』

兄のそう言われ、今から必死になって覚えているらしい。

優麻
「それで……あ、あれ……?」

突如、画面が青くなる。

優麻
「エラーが……発生しました? ……プログラムを……強制……終了します……え、えっとー……ど、どうしよう?(汗)」

意味が分からず、そのまま呆然とする優麻。
 だが、このまま放って置いても、何も解決しないのだ。
 かと言って、適当キーを押して壊してしまったら……と考えると、躊躇せざるを得ない。
 このパソコンは、今は由摩が使っているものだ。
 兄、光の許可を得ているものの、由摩に申し開きできないことだけはしたくない。

優麻
「えっと、えっと……(パラパラ……)」

慌てて、説明書のめくり出す。
 だが、要領を得ない。この手の説明書は、素人にはなかなか項目を検索しづらく出来ているみたいだ。
 ましてや、機械音痴の優麻にとって、これほど酷なことはないのだ。

優麻
「わ、分からないよ……ど、どうしょう……」

ふと、もう一度画面を良く見てみる。

優麻
「ん? ……何かのキーを押してください? ……だって……」

流石は、素人。意外に慌てていると、身近にあるものさえなかなか気がつかないものだ。
 そう書いてある通り、何かのキーを押してみようとする。
 だが、何かって何だろう、と考える。

優麻
「ど、どのキーを押したらいいのかな……これ…… あれかな? ……でも……もし間違ってたら……」
「……どうした優麻?」
優麻
「……あっ、お兄ちゃん……あ、あのね……なんか変なの……」
「何か変? ……ああ、これか……どれどれ……」

光が適当なキーを押す。だが、画面に変化はない。

優麻
「……ねぇ、大丈夫かなぁ ?パソコン壊してないかな、私……」

不安そうに、画面を見る優麻。

「ん? ……ああ、大丈夫、こんなのはしょっちゅーあることだよ」
優麻
「そ、そうなんだ……」
「んー、画面が凍ってるみたいだな……」
優麻
「こ、凍ってる? ……つ、冷たいのかな……?」
「あははは、違う違う。操作不能になったってことさ…… まぁ、見てろって」

今度は、なにやら色々やっている。すると、突然画面が消えた。

優麻
「な、何? 今の……」
「面倒だから、強制終了で電源をオフにしただけだよ」
優麻
「そうなんだ……」

優麻にとって、全てが初めて見ることだった。
 そして、光は、もう一度パソコンを立ち上げた。

SE
カタカタ……
「まぁ、あんまり始めから色々理解しようと思うな」
優麻
「う、うん……」
「とりあえず、マウスで画面をクリックできる程度になれば、適度に使えるようになるし、後は、文字をゆっくりでも打てれば問題ないさ」
優麻
「うん……分かった……」

画面は、ディスクスキャンにモードに入っている。

SE
カタカタ……
「さっき、青い画面になったのは、一辺に色々なプログラムを起動させたからなんだよ。優麻、必要ないプログラムは、ちゃんと終了させないと、またあの画面が出るから、気をつけてな」
優麻
「はーい……」
「とりあえず、ネットに繋げるようにはなっておけ。そうすれば、俺と連絡取るのも楽になるから」
優麻
「うん、分かったよ、お兄ちゃん」

ディスクスキャンも終わって、パソコンが立ち上がる。
 そして、優麻は又熱心にパソコンの練習をするのであった。

いよいよネットへ……

一週間ほど過ぎたある日。
 由摩の部屋で、最近始めたパソコンに向かっている優麻。

優麻
「……今日はと……」

また、いつものように、パソコンに付属されているタイプ練習ソフトに向かいながら、キーを叩いていた。
 だが、いつまでもタイプ練習ばかりしていても、何もならない。
 そこで、ワープロソフトを使って、自分が書いた小説を、パソコンに移そうかと考えたのだが。
 しかし、まだ優麻には、ワープロソフトの使い方が良く分からなかったのだ。

優麻
「えーと……どうしたらいいのかな……」

付属の説明書を片手に、何とか試みるものの、要領を得ない。
 練習ではあると分かっていながら、やはり手書きの方が、まだ楽だと考えてしまう。
 その時、昨日、由摩に言われたことを思い出した。

由摩
『「あ、そうそう…あのね、IRCって言うソフト使ってインターネットに繋ぐと、お兄ちゃんに会えるんだよっ☆」』

インターネット、未だ優麻には分からない世界だ。

由摩
『「もし、分からないことがあったら、ネットに繋いで、お兄ちゃんに聞くといいよっ♪」』
優麻
「インターネットかぁ……まだ、お兄ちゃんには聞きたいこと、いっぱいあるんだけど……」

とりあえず、暫く前から、光や由摩にインターネットのつなぎ方だけは教えて貰っていた。
 だが、何となく、怖くて繋げなかったらしい。

優麻
「どうしようかな……」

電話で聞くこともできるのだが、仕事中に光の携帯電話にかけるのはなるべくしないようにしてた。
 光がネット上に居ると言うなら、行ってみたい気もする。
 しかし、イザとなると、やっぱ、怖さが先行してしまって、ダイヤルアップをクリックすることができない。

優麻
「……困ったなぁ……でも……」

やりたいことはいっぱいあった。
 詩や小説などをワープロに移して、編集したり、描いた絵を、編集することもできると言ってたので、それもしたい。

優麻
「い、一回だけ……やってみようかな……」

そう決意すると、由摩から聞いていたIRCのソフトをクリックしてみた。
 設定自体は、あらかじめ光にやって貰っていたので、ソフト自体をクリックするだけだと言っていた。
 ハンドルネームは『白鷺冬花』と名乗ることにしていた。
 それは、小説を書く時に使うつもりだった、ペンネームである。

優麻
「ち、ちょっと恥ずかしいな……」

自分で考えた名前とは言え、それを人に言うのは、何となく恥ずかしかった。
 やがて、IRCのソフトが起動すると同時に、ダイヤルアップが行われた。
 そして、優麻はとうとうネットデビューを果たすことになる。

優麻、IRCに登場

Sirasagi(mayumayu@210.127.12.33) がチャットに参加しました。
 [HIKARU] こんばんは〜♪ はじめまして……でいいんですよね?
 [Sirasagi] こんにちわ
 [Maia] こんばんは。あれっ、まゆまゆさんですよね?
 [Sirasagi] はい?
 [HIKARU] あ、そっか(苦笑)
 [whirlwind]おっと、始めまして(汗)
 [HIKARU] あり、もしかして家族とか?>まゆちゃんの
 IRCに来た途端、レスの応酬。
 ネットに繋いだ優麻にとって、初めて見るネットの世界だった。
 [Sirasagi] あの、えっと・・・
 [Maia] IDがmayumayuになってますから。
 [ft] たぶん、お姉さんじゃないかな。いぜん、事務弐型さんが話してたし。
 [HIKARU] へー、そなんだ。はじめまして♪
 [ft] あーと、ハンドルではわからんな。光さんのことです>事務弐型さん
 [whirlwind] なるほど。始めまして、whirlwindと申します。
       以後よしなに♪
 [HIKARU] 瀬川輝@じむにゃの娘(ばく) です〜(ぉぃ
 [Maia] マイアと申します、よろしくお願いしますね。
 [HIKARU] あ、じむにゃって事務弐型さんのことね(^^;;

優麻
「わわっ……文字が速く流れていく……」

これはすべて、人が打っているものだと、光から聞いていたが。
 かなりタイプ練習したとはいえ、パソコン初心者の優麻にとって、みんなの書き込みは異常な速さに感じていた。
 [Sirasagi] どうも、すいません。まだ、パソコンに慣れていないもので……
 [ft] いえいえ。みんな、最初はそんなもんですよ。HIKARUさんだって、
    最初は色々と……。
 [Sirasagi] 返事が遅くなってしまいがちになってます
 [HIKARU] ……ほっといてください(苦笑)
 [whirlwind] なるほど、と言うことはSirasagiさんの姪か(笑)>輝
 [ft] っと、申し遅れました。ftこと高村文雄と申します。このサーバの運営
    者です。
 GM_Mk-2(hikaru@interq.or.jp@210.216.138.102) がチャットに参加しました。
 [whirlwind] おお、事務にゃが来た(笑)
 [Sirasagi] どうも
 [HIKARU] あっと、やはとーさま♪
 [ft] こんばんは。
 [GM_Mk-2] ども〜〜〜
 [GM_Mk-2] やは<ALL
 [ft] 慣れていないというのにこれだけ速く打てるなら、たいしたもんです
    よ。
 [whirlwind] そうそう。ちゃんと会話について来れてるし
 [HIKARU] それにすぐ慣れるよ〜(笑)>経験者
 [Sirasagi] でも、必死で打ってます(^_^;)
 [ft] 良いところに。妹さん(姉のほう)らしいひとが来てますよん
    >事務弐型さん

優麻
「妹って……私のこと言ってるのかな……とゆーことは……」

[GM_Mk-2] ほえ?
 [HIKARU] 姪がいるなんて聞いてなかったぞ〜(ぉぃ
 [GM_Mk-2] ふむふむ……
 [ft] Sirasagiさんですな。whoisしてみそ。
 [GM_Mk-2] ……おおー、とうとう繋げるようになったか
 [whirlwind] めでたいことですな。これで3人揃ってチャットが(おひ)
 [GM_Mk-2] んむんむ、日ごろの訓練の賜物だねぇ
 [HIKARU] うっと、姪じゃないじゃん(汗 叔母だ(苦笑)
 [GM_Mk-2] あははははは<叔母
 [whirlwind] くくく
 [ft] 内輪なネタはそのへんにしないと、混乱してるぞ、たぶん。
 [HIKARU] あう(汗) ごめんなさ〜いm(__)m
 優麻にとって、さっぱり分からない話だ。
 妹だの、姉だの叔母などと。
 [Sirasagi] あの、えっと・・・・・・
 [HIKARU] なによー(じとーーっ>風
 [whirlwind] いや、別に(笑)
 [HIKARU] えっと、ネット上のお遊びみたいなもんで事務弐型さんの娘にな
      ってます(笑)>己

優麻
「娘……よく分からないけど、そーいう遊びなのね……」

[Sirasagi] ああ、そうなのですか
 [GM_Mk-2] んむんむ、そーなのだよ<妹
 [whirlwind] 確か、兄が山のようにいたはず(笑)
 [Sirasagi] で、えっとGM_Mk-2さんが・・・・・・
 [GM_Mk-2] お兄ちゃんさ(笑)
 [Sirasagi] あ……そうなんだ
 よく考えたら、光のネット上で名乗っている名前を良く聞いていなかった。
 それで、良くここに来ようと考えたと、後で自分が怖くなった。

個人対話

[GM_Mk-2] > [Sirasagi] 優麻、良く来たな。
 [Sirasagi] > [GM_Mk-2] お、お兄ちゃん?お兄ちゃんだよね?
 [GM_Mk-2] > [Sirasagi] ああ、大丈夫。俺だよ、光だ。
 優麻は、とっても心細かった。
 初めてのネット、初めてのチャット。
 顔も分からない人たちが、自分に話しかけてくる不思議さ、怖さ。
 [GM_Mk-2] > [Sirasagi] 大丈夫か?まー、初めはみんなにああ言う感じで歓
             迎されるものなのだが……
 [Sirasagi] > [GM_Mk-2] 良く分からないけど、お兄ちゃんに会えて良かった。
 [GM_Mk-2] > [Sirasagi] ま、みんな初めは、初心者と言う道を通ってきたん
             だよ。お前は、お前のペースでやればいい。
 [Sirasagi] > [GM_Mk-2] うん
 [GM_Mk-2] > [Sirasagi] 慌てず、ゆっくり、落ち着いてな。
 [Sirasagi] > [GM_Mk-2] はい
 その言葉に優麻は安心するのだった。

未だ帰らぬ由摩

[whirlwind] そいえば、繭繭さんはどこでしょ(笑)
 [GM_Mk-2] んーむ、何処だろう?(爆)
 [HIKARU] さすがに二人同時には使わなくない?>回線
 [whirlwind] すぐ後ろにいたりして(笑)
 [HIKARU] (^^;;;
 [ft] 設定がそのまんまだから、繭繭さんのマシン借りてるんでないのかなぁ。
 [GM_Mk-2] ……つーか、同じプロバみたいだぞ(笑)<繭々と
 [HIKARU] プロバじゃなくてクライアントまで一緒じゃない?
 [GM_Mk-2] んーむ……みたいだね(笑)
 [Sirasagi] 妹の目を盗んで、やっております(^_^;)
 次第に、チャットと言う物が何となくではあるが分かったきた。
 [whirlwind] にゃるほど(笑)
 [GM_Mk-2] 時間的には、そろそろ家に帰ってくるころだけど<繭々
 [whirlwind] まー、俺も親の目盗んでやってるからにたようなもんか(苦笑)
 [HIKARU] うちもチャットは禁止だしな(苦笑)
 [GM_Mk-2] そーだったのか(笑)<チャット禁止
 [HIKARU] へー、まゆちゃんの帰りって結構遅いんだ〜
 [whirlwind] いやー、襖隔てたすぐ後ろで寝てるからどきどき(笑)
 [HIKARU] そだよ。知らなかった?(くすっ
 [GM_Mk-2] 遊んで帰ってるからねぇ<繭々
 [HIKARU] うちはCATVだから傍目にはネットやってるか分かりづらいし
      ね〜(^^;;
 [whirlwind] 小学生だったはずだが………(汗)>繭繭
 [HIKARU] ……って、まだ小学生でしょ(汗
 [whirlwind] 悪い大人になっちゃうぞ(笑)
 [GM_Mk-2] なーに、うちは放任主義さ(爆)
 そう言えば、由摩の帰りが遅い。
 いくら遅いと言っても、いつもなら7時くらいは帰ってきてるはずだ。
 優麻もちょっと心配になってきた。

個人対話

[Sirasagi] > [GM_Mk-2] お兄ちゃん
 [GM_Mk-2] > [Sirasagi] ん?どうした優麻?
 [Sirasagi] > [GM_Mk-2] 由摩……いくら何でも遅すぎるよ……
 [GM_Mk-2] > [Sirasagi] んー……
 [Sirasagi] > [GM_Mk-2] もしかして……何かあったのかなぁ……
 [GM_Mk-2] > [Sirasagi] 大丈夫だよ。心配し過ぎだ。
 [Sirasagi] > [GM_Mk-2] でも……
 [GM_Mk-2] > [Sirasagi] あいつのことだ、多分、萌ちゃんちにでも行って
             るんだろうさ。
             だから、それほど気にするな。一応、萌ちゃんち
             に電話しておくよ。
 [Sirasagi] > [GM_Mk-2] う、うん。お願い。
 心配性の優麻の悪い癖とは言え、小学生が9時近くまで帰ってこないのは、確かに問題かもしれない。
 優麻は、何もないことを祈るだけだった。
 その時、丁度、玄関から扉の開く音がし、元気良く「ただいまっ☆」と言う声が聞こえた。

優麻
「あっ……由摩帰った来た……」
由摩
「(どたどたどた……) ネット、ネット〜〜〜♪ ……っと、あっ、お姉ちゃん」
優麻
「お帰り、由摩」
由摩
「ただいまお姉ちゃんっ☆ ……あれ? ネット繋いでるの?」
優麻
「あっ……ごめん……勝手に使っちゃって……」
由摩
「ううん、お姉ちゃんだったら、別にいいんだよっ☆」

にこっと笑って、由摩は返事をした。

再びネット内

[HIKARU] Whirlwindみたいにね(くすっ>悪いやつになる
 [HIKARU] ま、大人じゃないか(くすくすっ)
 [whirlwind] うるさい(^^;;;
 [GM_Mk-2] なんか、友達んち行ったり、色々してるみたいだね
 [whirlwind] お前だって人のことは言えんだろうが>輝
 [HIKARU] うっと、白鷺さんひいちゃった(汗
 [Sirasagi] あ……妹が帰ってきたみたいです
 [HIKARU] ……なんかいった?(じとーーっ>風
 [Maia] すみません、そろそろお食事だそうですので、おいとまさせて頂きます。
 [GM_Mk-2] あいあーい
 [whirlwind] いんや、別にい?(邪笑)
 [HIKARU] ってことはftさんもおちるのかな? であー
 [GM_Mk-2] おつかれー
 [whirlwind] ほいほい。んでは〜。
 [HIKARU] ……(げしげしげしっ
 [ft] いつもの漫才にちゃちゃを居れたいのは山々だが、焼き魚が冷えるとまずい
    ので、私も落ちます
 [ft] であであ
 [HIKARU] ひどーい。漫才じゃないもんっ
 [HIKARU] であっ☆
 ft -> ft_away
 Maia -> MaiaAway
 [whirlwind] しかしまあ
 [HIKARU] ん?
 [whirlwind] 輝との掛け合いもすでに日常だな(苦笑)

優麻
「あっ……ごめんね由摩、今代わるね……」

優麻の横で、ちょこんと座って画面を眺めている由摩。

由摩
「別に、もうちょっとやっててもいいけど……」
優麻
「ううん…いいの……ちょっと疲れちゃった……」

優麻は、夕方からずっとパソコンを使っていた。
 夕飯を食べずにやっていたので、丁度、お腹が空いた頃でもあったのだ。

由摩
「うんっ、分かった。じゃあ、代わろっと♪」

由摩は、パソコンのタワー部分を、モニターの前に引っぱり出してくる。
 そう、由摩はキーボードは使わない。
 タワーに直接触れて、そこからパソコンをコントロールできるのだ。

由摩
「んじゃ、始めよ〜っと♪」

三度ネット内

Sirasagi -> mayumayu
 [HIKARU] ……なんかずっごーーーくいやっ
 [HIKARU] あ、まゆちゃん、お帰り〜
 [whirlwind] お、妹さんが来たようだ(笑)
 [HIKARU] ……遅くまで出歩いてちゃ駄目だぞっ(ぺちっ
 [mayumayu] みゅ〜
 [mayumayu] ほえ?
 [HIKARU] うっと、こっちもご飯だ
 [HIKARU] 親待たすとうるさいのでさっさと落ちます
 [GM_Mk-2] ほいほい
 [GM_Mk-2] いってら〜
 HIKARU -> HIKAway
 [whirlwind] んでわ〜>輝
 [GM_Mk-2] ところで……飯食ったか?<繭々
 [mayumayu] 食べた〜〜♪
 [GM_Mk-2] ……何処でだ?(笑)
 [mayumayu] もえちゃんち〜〜〜♪
 [GM_Mk-2] ぐはー
 [whirlwind] 無断外食だ(笑)
 [mayumayu] んー……お姉ちゃん、繋げたんだねっ☆<ネット
 [whirlwind] ぱそは無断使用だったみたいだけど(笑)
 [GM_Mk-2] んむ、自力で出来たそうだよ(笑)
 [whirlwind] それとも、使っていいって言ってたのかな?>繭繭
 [mayumayu] んー、別に使ってもいいよ☆<勝手に
 [GM_Mk-2] つーか、家にはぱそ一台しかないんだよな(爆)

優麻
「由摩は、萌ちゃんちでご飯食べてきたんだね……」
由摩
「お姉ちゃんは、ご飯食べたの?」
優麻
「ううん……まだだよ」
由摩
「食べてきたら?」
優麻
「うん……でも、もう少し見てる……」

! whirlwind(No route to host)
 + whirlwind(~whirlwind@fuuri.ppp.infoweb.ne.jp) to #TRPG
 [GM_Mk-2] んーむ……今度、妹にも新しく買ってやらんとなぁ……
 [whirlwind] うう、落とされた(汗)
 [GM_Mk-2] おかー
 [mayumayu] おかえりなの☆
 [whirlwind] だからISDNにしろと言うのに(苦笑)>親
 [whirlwind] ただ
 [GM_Mk-2] んーむ、うちもISDNじゃないんだが(笑)
 [GM_Mk-2] そろそろ、入れるかねぇ
 [GM_Mk-2] つーか、入れないと、繭々と白鷺が同時に繋げないしな
 [GM_Mk-2] しゃーない、入れるか
 [mayumayu] わーい♪

由摩
「お姉ちゃん、お姉ちゃん。今度、お兄ちゃんが新しくパソコン買ってくれるってっ♪」
優麻
「うーん……でも、私まだ使いこなせないから、暫くは由摩のパソコンを使うだけで十分よ……」
由摩
「いいじゃないっ☆ 買ってくれるって言ってるんだら、買って貰えばっ♪」

[whirlwind] ん、事務にゃは携帯だっけ?
 [mayumayu] お姉ちゃんと一緒っ♪お姉ちゃんと一緒っ♪
 [GM_Mk-2] いや、今は、仕事場の回線から繋いでる(爆)
 [whirlwind] なるほど(笑)
 [GM_Mk-2] だから、ただ〜〜〜♪(おい)
 [whirlwind] っと、そろそろ堕ちます
 [whirlwind] 不良社会人めっ!(笑)
 [GM_Mk-2] あいあい、おつかー
 [mayumayu] おやすみ〜〜♪
 whirlwind has left IRC(今度は兄弟3人でIRC(おひ))
 [GM_Mk-2] ぐはー
 [GM_Mk-2] おっと、仕事しないと(笑)
 GM_Mk-2 -> GM_Work
 [mayumayu] お仕事頑張ってね☆<お兄ちゃん
 [mayumayu] 私も、めーるちぇっくしたから帰ります☆
 mayumayu(mayumayu@210.127.12.33) が退出しました。"帰りまーすっ♪"
 優麻のネット初登場は、こんな感じだった。
 まだ、優麻には分からないことばかりのネットの世界。
 でも、いつかはみんなと楽しくコミュニケーションがとれるようになれる。
 そう信じて、優麻は又パソコンのタイプ練習にうちこむのだった。

時系列

2000年の3月中旬〜下旬にかけて

解説

優麻が、パソコンを始めた風景。熱心にタイプ練習をしつつも、なかなか思うように扱えず、結局は、由摩や光に頼ってしまっている。
 そして、初心者ながらもネットデビューを果たします。
 困惑してはいるものの、なんとかIRCをやってのけるところは、やはり若さなのでしょうか。



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