1998年1月に、いー・あーるさんによって書かれました。
いー・ :「ということなんだけど」
花澄 :「無謀ね」
いー・ :「……言うなってば。ええとまず、これを書いているいー・
:あーるの得手不得手、を言っとくべきだね」
花澄 :「まず、基本が字書きだっていうことと、RPGはやったこ
:とがない」
いー・ :「うん。だから発想がどうしてもRPGに慣れていない、と
:いう前提がある」
花澄 :「その上で、書いてるってことね」
いー・ :「で、まず始めに言っといたほうがいいと思うけど、語り
:部の持つルール自体には、今のところ、不都合とか矛盾と
:かを感じてないんだよ」
花澄 :「感じるほど私たちを動かしてる訳じゃ無し」
いー・ :「己を知っていると言え(威張りっ) ……じゃなくってだ
:ね、ほら、皆さんがルールについて色々拡張したり判断し
:たりしてるでしょう。あれ、私から新しい事を付け加えた
:事はないけど、基本として理解できない、っての無いもん」
花澄 :「世界観として、妙な矛盾を起こしてないって事?」
いー・ :「うん、そう思う。私が妙な矛盾を起こす事はあっても、
:それを指摘された場合に『そいつぁ納得できない』ってこ
:とはないだろうなって思うし」
花澄 :「もし納得できないとしたら、いー・の理解不足よね」
いー・ :「今んとこそうだよ。だから、自分の持っている世界を語
:り部のルールに従って置き換えよって言われても、出来な
:い話じゃないと思う。めんどくさいからやんないけど」
いー・ :「で、その上で、狭間では書けないって表現する時に、幾
:つかの理由があるのだよ(偉そう)」
花澄 :「いちいち威張らないでよ……で、何?」
いー・ :「まず、狭間世界に登録してないキャラどもの話は書けな
:い……って待てこらっ(汗)」
花澄 :「(丸善エンサイクロペディアを振りかざしつつ) どうやっ
:て言い訳したいのかしら?(にこにこにっこり)」
いー・ :「(冷汗) いやだからさ、語り部のルールからは無数の世
:界が出来る訳だけど、今現在動いているのはそのうちの少
:しでしょ? そこに適応しない話は書けない」
花澄 :「……もう少しまともな話をしてみてよ」
いー・ :「例えば……こら野枝実、そこで欠伸してんじゃないっ!」
野枝実 :「……で?」
いー・ :「狭間で出来ない事って、あんた書いてて実感してんだか
:らね」
野枝実 :「……で?」
いー・ :「……(やな奴だな)だーから、出来ない事まず其の一、は、
:大きな命題がある場合、それに抵触する事は書けないって
:事」
花澄 :「もすこし分かり易い言葉を使いなさいね」
いー・ :「例えばね、野枝実の話、一つ浮かんだんだけどね」
野枝実 :「え?(眉間にしわ寄せっ)」
いー・ :「何故そこでやな顔をする……いやだから、あんたの設定
:の第一として、霞が池の復活を阻止しなければならん、と
:いうのがある」
野枝実 :「……だろうね」
いー・ :「でもさ、聞くけど、霞が池に龍が封じられてて、それが
:自由になりたい、と、夜な夜な夢に出てきて泣いたらどう
:する?」
野枝実 :「……助けたい、って思うだろうし、実行する……かもし
:れない」
いー・ :「うん。特にあんた素人だから、その手の制約つけらんな
:いし。そういう意味では麻衣ちゃんより始末が悪いよ」
野枝実 :「成程ね。基本に逆らう……そういう行動を取りかねない
:場合、それは確かに書けないな……って、いまごそごそ案
:を書き散らしてるのは、それか」
いー・ :「うん。八大竜王図、使わしてもらおうかな、と思って……
:だから本当は、あんた使って小説として書いてもいいんだ
:けど。でも、書いてみて、こいつはいかんわ、と思ったん
:だよ。だって」
野枝実 :「ほっとくと何するか分からない、ってか」
いー・ :「うん」
花澄 :「(呆) それをどうにかするのが作者でしょう?」
いー・ :「だーかーら。ここに発表するには向かないんだって。だ
:けど話が出来たからには、書かざああるめえよ」
野枝実 :「……いらないよ(ぼそ)」
いー・ :「あらなんでさ。龍を見る特典付きだぞ」
野枝実 :「……おまけに何させられるか分かったもんじゃない」
いー・ :「……(憮然)」
花澄 :「で、いー・。も一つ書きかけの話、あれはどうするの?」
いー・ :「ああ、胡蝶の……あれこそ関係無いもん。 関係者各位
:に『見たい人、できたよ』って言えばいいかな、と」
花澄 :「まだ、出来てないものねぇ(にこにこ)」
いー・ :「……かすみなんてきらいだ(いじけっ)」
花澄 :「で、肝心の『エピソードでは書ききれないこと』ってのは」
いー・ :「懐手のキャラクターが書けない」
花澄 :「は?」
いー・ :「結局さ、『エピソード』ってのはRPGなんだよね。ただ、
:ロールプレイングをしなくってもいいんだろうけど」
花澄 :「確かにしてないわね(笑)」
いー・ :「だからさ、行動しないといけない」
花澄 :「……は?」
いー・ :「ぼーっとつっ立って、世界を見てるっていう文、エピソー
:ドでは書けないぞ」
花澄 :「……まあ、そうでしょうね」
いー・ :「もし書いても、その風景に自分が入り込む。例えば『泰
:山木』、あれ本当は見てるだけでいいのだよね。ただ、エ
:ピソードだとそこにあんたの行動が入る」
花澄 :「……(考え込んでいる)」
いー・ :「だからさ、当たり前の事なんだけど、あることに出くわ
:して何が出来るか、は書けても、何を考えるか、は書きに
:くいよね」
花澄 :「いー・が書くような文章でいうなら?」
いー・ :「エッセイ系。それと……キャラクターの近過去。それに
:対してどうこう出来ないようなこと」
花澄 :「ううん……そういえば『深河底流』も小説で書いてたね」
いー・ :「これはまあ、自分が、動く前に考え込んで、終いにゃ面
:倒臭くなる性質だから、ってのもあると思うけど」
花澄 :「それはそうね(大きく頷く)」
いー・ :「(こひつは……) まあ、当たり前といえば当たり前なん
:だけど、RPGとか、ここで言うならばMLは『町角』なんだ
:よね。そこにいる限り、何らかの動きを見せるし、そこで
:誰かに会えば何かのリアクションをする。でも、リアクショ
:ンが前提とならない文章、例えば、新聞読んで何思ってる
:のか、なんてのは、書きにくい」
花澄 :「……分かるような、分からないような……」
いー・ :「あとさ、地の文が少ないから皆でよってたかって書き易
:いけど、反対に地の文を書き込むのは難しいよね」
花澄 :「いー・は、どっちかというと地の文が多くなる人で
:しょ(笑)」
いー・ :「普通に字書きやると『やたら会話の多い文だね』って言
:われるんだけどね(笑) だからこちらでも割と楽に書ける
:んだけど」
花澄 :「私たちが世界をどう見てるか、は、書きにくいかもね」
いー・ :「うん。例えば……視覚系の異能者って見てるものが違
:う、って場合があるでしょ。例えば大原まり子さんの「未
:来視たち」の第一話、とか、牧野修さんの「MOUSE」
:の風景とか」
花澄 :「心象風景は書きにくそうね」
いー・ :「で、心象風景なんぞのんべんだらりっと見ている連中っ
:てつまりは懐手して動かない奴等、ってことになりかねな
:いんだけどもさ」
花澄 :「結局、エピソードは、人と人とが関わる様子を書くのに
:は適しているけれども、一人一人の内面を書こうと思うと、
:やりにくい、ってことね」
いー・ :「うん」
野枝実 :「そりゃそうだよな、って気もするけど?」
いー・ :「うん(こっくり) でもさ、これだけあんたらと付き合っ
:てると、そこら辺を突き詰めてみたくなるんだよね」
花澄 :「いー・の友達だっけ? 『自分の作ったキャラが可愛く
:なくて話なんぞ書けるもんですか』って啖呵切ったのは(笑)」
いー・ :「うん……あいつが言うと説得力あったぞ(しみじみ)」
野枝実 :「しかし、この文書くのに、3日はかけたね」
いー・ :「う。手が速いだけがいー・の取り柄なのにっ(;_;)」
花澄 :「いつも深く考えないで書くから(笑)」
いー・ :「ふ。仕方ないぢゃあないか(握り拳) ……でもさ、結局
:出てきた結論って、当たり前のことで……申し訳ないよー
:な」
花澄 :「まあ、書いたからには叩かれなさいって(笑)」
いー・ :「……わん」
結局、当たり前すぎる結論でして。
・皆の世界なので、皆の世界観に合わないことは書けない。
・世界観に矛盾はしていなくとも、そこに与えられている「目的」に沿わない
ものは書けない(の割に書いている……ような気が(汗))
・キャラクターの内面世界が書きにくい。
特にエピソードという手段に限ると、最後の一つが非常に効きますね。まあ
だいたい、キャラクターの性格をはっきりさせる、なんてのは結構「書き手の
満足の為」に書いてたりするので、そういう意味でも一般に出すMLでは書くの
躊躇しますね(……してるんです、これでも一応(爆))
連絡先 / ディレクトリルートに戻る / TRPGと創作“語り部”総本部