放映:ンHK
数々の嫌疑がかけられている湊川観楠であるが、このほど
彼はついに謎の紳士(H氏)による告訴を受け、当番組に
喚問されたのであった。……裁判の方式は陪審員制度を取る。
すなわち、リスナーのみなさんに陪審員となっていただく。
みなさんの投票が彼の有罪無罪を決する。
しゅぺる :「1996年6月16日」
しゅぺる :「今回は、なにしましょ」
六郎 :「店長には悪いけど」
しゅぺる :「悪いけど、何? 店舗破壊?」
六郎 :「いや、そこまではいかん(笑)。……さて、今回のお題は
:『観楠裁判』(笑)」
しゅぺる :「お、噂をするとなんとやら」
湊川観楠 :「ななな、な、なんですかそれは!?」
しゅぺる :「店長こそどうしてここへ」
観楠 :「い、いや、どうしてって言われても……どうしてだろう」
六郎 :「我々のスタッフがあらかじめ拉致しておいたんですよね」
しゅぺる :「うん、秀逸秀逸。そろそろ、お題に入りましょう」
六郎 :「ではお手紙の1つめ」
しゅぺる :「吹利県にお住まいのラジオネーム超さんからのお便りで
:す。『俺は見たんや、バイトの女の子を誘惑しているお前
:を。お前は俺が外から見とるなんてことに全く気付いてな
:かったやろ。ざまあみろ』だそうです」
六郎 :「いきなり核心をつくお便りですね(笑)多くのリスナーの
:皆様がこの件については正確な情報を求めていますが、そ
:の辺を直接当人にうかがってみましょう。観楠さん、この
:件についてコメントをお願いします」
観楠 :「だーかーらーあっっ、みなさん、それは陰謀です、超が
:僕を陥れようとする陰謀ですっ」
六郎 :「容疑を全面否定ですね(笑)」
しゅぺる :「思い切って否定ですね。しかし、次のお便りは更に衝
:撃の事実です。吹利県在住のラジオネームパン屋のバイ
:トさんから」
六郎 :「そのままですやん(笑)」
観楠 :「や、やめぃ!」
しゅぺる :「はいそこ。静かに。『最近私、誰かに会いたくて会いた
:くて』」
観楠 :「わーわーぎゃーぎゃー」
しゅぺる :「かなり抵抗していますねぇ。更にいきますよ。『自分
:で自分を抱きしめて憂鬱な日々を送っています。私、今
:年受験です。全国にこんな思いを抱いている女の子は一
:杯いるかもしれませんね。もうちょっとの辛抱って、ずっ
:と言い聞かせてます』せつないですねぇ、女の子ですねぇ、
:純愛ですねぇ。いやはや」
六郎 :「これは重要な証拠だと思いますが、被告はこの件に関し
:て何か申し開きはありますか」
観楠 :「だ、だからそれはですねぇ……」
六郎 :「……あーところでしゅぺるさん、この手紙、筆跡がさき
:ほどの超さんに酷似しているんですが」
しゅぺる :「あ、やはり。とても女の子の字ではないなと思ってまし
:たが。本当ですね、あと何枚か同じ筆跡が続いています。
:すごいこき下ろしですね。……これはちょっと番組では読
:めませんおおおっ! これなどはエッチシーンの描写がし
:てあるではないですか。凄いですね、この人。もの書きの
:類でしょうか。おっと、ここで少し失礼。用事を思い出し
:ました。犬の散歩に行ってきます」
六郎 :「なるほど。番組の途中ですがいまスタジオの外まで犬が
:出張してますよ。観楠さんこの件に関してなにか一言」
観楠 :「(ようやく開放されたか……朝めぇぇ)そ、そうですね、
:犬がスタジオまで来てるなんて、そ、その、なんというか、
:ユニークですよね全く。普通こんなところに動物は来ては
:いけないんじゃないですか。……犬……犬がいぬ。あはは
:は」
テロップ :番組の途中お聞き苦しい場面がございましたことを
:おわびいたします
六郎 :「……さて、しゅぺる氏が出撃なさっている間に次のお手
:紙に入りましょう……え? ディレクターが? ああ、は
:い、そそれではここで音楽を聞いていただきます。曲は
:『同期の桜』」
ディレクター :「(ドアを荒々しく開ける音)おい、なんやあれ!」
六郎 :「す、すみません、突然のことだったんで……」
ディレクター :「ちゃんと放送禁止音いれんとあかんやろ!」
六郎 :「んなこというてもピーが間に合わなかったんやし……」
ディレクター :「ん? 何や? ……身振りではわからんやろ!! え?
:うしろ? ……そのスイッチが何だ?」
六郎 :「ディレクター、マイク入ってますよ」
ディレクター :「な!! ……失礼いたしました!! では音楽のほうを!」
しゅぺる :「ただいま〜。ああ、外は暑いですね。何か冷たいもの
:を食べようと思って冷凍庫を開けたら、ケーニヒスクロ
:ーネのアイスがあった。こ、これはと思い手に取ったが
:どうも様子がおかしい。なんと、包装の裏側には『たべ
:られません』と明記してあるではないか。いや、ま、い
:いんですけどね。さて、続きです。コーナーが変わりま
:して、『突撃電話インタビュー』です。さあ店長、好き
:なところへ電話をかけてください」
観楠 :「え? 好きなところって言われても……覚えてる電話
:番号なんて……家とそれから素……あいや」
六郎 :「案外簡単に自白してまうたちなんですね(爆笑)それな
:らわても知ってるからかけます。しゅぺるさんこの番号
:にお願い」
しゅぺる :「え〜と、ちゅうちゅうたこかいな、と」
観楠 :「……」
しゅぺる :「あ、浅井さんのお宅ですか。こちら ンHKラジオ『メイ
:ドインヘブンサミット』という番組をやっていまして。
:はい、はいそうです。素子さんはいらっしゃいますか。
:代わっていただきたいのですが。あ、はい」
観楠 :「……」
しゅぺる :「はい、店長」
観楠 :「……あ……あの……(赤)」
電話 :「ぽーん。午後5時32分10秒をお知らせします」
観楠 :「……?」
六郎 :「『この電話はなんでしょう』クイズ、答えは時報でした」
しゅぺる :「どわっはっは」
観楠 :「な、なななな、なんだとぉ!」
六郎 :「誘導尋問です(笑)。有罪確定ですね、これは(笑)」
しゅぺる :「ところでその眼鏡、キマってますね」
観楠 :「あ、そう? いやね、昨日新調したのよ」
しゅぺる :「たしか、素子もそのタイプの眼鏡だったような。阪井検
:事、そうでしたね」
六郎 :「ええ、私は証言します。その通りです」
しゅぺる :「また証拠が挙がりました」
六郎 :「そろえにするとは、店長、そこまでしますか(笑)」
観楠 :「な、何のことやら(汗) ぼくしりませんよ」
しゅぺる :「そろそろ、陪審員の皆さんに審議に入っていただきま
:しょう」
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