放課後。妙に天気のいい日。
今日は何も無い。
鞄に教科書を放り込んで、そのまま教室を出る。隣は予備の部屋らしく、
椅子と机とが雑然として並んでいるのが見える。ただ、何処かの部が
使っているのか、あまり埃っぽい印象は無い。
階段を駆け上がる。
すぐに三階。
いつものように図書室に直行しようとして、ふと気がつく。
上の方に、人の気配がする。階段上方……四階?
何となく興味が湧いたので、そのまま駆け上がる。
ざわざわと、帰宅前の……もしくはクラブ前の連中が階段を降りてゆく。
四階。それより上。ということは……屋上?
屋上に出られるのかな?
そのまま上へ。
階段を上がって、踊り場に…………
「……っと」
……何だこの、どかどか並べられた望遠鏡は。
「何か、用?」
多分二年生。取り敢えず見たことはない。
「いえ。失礼します」
かなり高価そうな物品。天文部……なんだろうな。大きな望遠鏡にカメラ、
何だかわからない機械もろもろ。
触らない方が無難では、ある。
「あ、すみません」
「は?」
「この上…屋上には、出られるんですか?」
「うん。……ああ、ここ通る?」
「いえ」
こんな、触ったらぶっ壊れて、ついでに高額請求のきそうな機械の間を歩くのは
ごめんである。
確か、階段は後三つ在った筈だから。
階段を降りて。
ええと、他の階段の位置は……ああ、生徒会室の向うか。
しかし、並んでいる部屋が何となく偏っているな。会議室に生徒会室に、
コンピュータ部の部室。
さわさわと、教室からこちらに移動した生徒達の気配。
しかしなあ、生徒会、かあ……
……そもそも立候補しようという気持ちが良く分からない。用事ばっかり増えて
しんどいだけの気がするんだけど。
視聴覚室の向うの階段を上がる。屋上に通じる道。
扉を開くと、どお、と風が吹き込んだ。
ああ、向うの階段を使わなくてよかった、この風だと妙なもの吹き飛ばしたかも。
ふと……そんなことを考える。
ざらざらのコンクリート。
向こう側には、天文部……なのかなあの人達は?
何だかわいわいと話す、その声が、風に吹き飛ばされ、拡散されてゆく。
風には力が篭っている。
何となく……気分が良い。
緑の匂い。緑の、ひどく濃い………
ぐう、と、その匂いを呑み込んでみた。
************************************************
いや要するに、学校の中少々歩いてみたぞ、の世界でして(笑)
私の学校は……確か屋上は基本として立ち入り禁止だった気がします。
柵がなかったから、かもしれず。
あ、ところで質問なんですが、
用務員室って、何処にあるんでしょう?(汗)
では。
連絡先 / ディレクトリルートに戻る / TRPGと創作“語り部”総本部