ふとしたきっかけで、清水鏡介の家で夕ご飯を食べることになった間柴く
んの一駒「生活レベルの違いとは」
ガチャ(二人、中に入る)
間柴 :「いやー、広いですねー」
清水 :「あ、土足であがるのは勘弁してくれ」
間柴 :「は? なんのことです?」
ガラ(意にも解せず、一番奥の窓を開ける)
間柴 :「……」
清水 :「どうかしたか?」
間柴 :「えっ、いやぁ、ここ玄関しかないんですか?」
清水 :「今、君の居る6畳が居住空間だ!」
「彼に悪気はなく、理解の範疇を越えていただけである」
清水 :「ここは文化住宅で……」
間柴 :「はあ。(言葉の意味が分かっていない)」
清水 :「……風呂もついてないけれど……」
間柴 :「はあ。(状況が理解できない)」
清水 :「……ここはその分、防音性だけはいいんだよ」
間柴 :「はああ、うちと同じですね。(やっと、理解できる事実
:に安心している)」
清水 :「それでも、家賃4万って高いよなー」
間柴 :「家賃も同じくらいですね」
清水 :「へえー? いくらなん?」
間柴 :「40万位だったと思いますよ」
清水 :「一桁ちがうぞ!」
間柴 :「いやぁー、そんなものなんですか?」
清水 :「なんか、ばかにしてないか?」
間柴 :「そんなことはありませんよ。 実際、僕も一人暮らしで
:しょう、今の2LDKのマンションなんて洋服ダンスが4つに
:オーディオ機器でしょう、それにダブルベットとか置いて
:ますけど一人じゃ寂しいものですよ」
清水 :「……(そうだろうよ)」
間柴 :「合衆国にいた頃の家は、確か1万4千坪ぐらいの敷地だっ
:たそうですけどね」
清水 :「……(そっ、そんなの、もう家じゃねぇ)」
間柴 :「何か?」
清水 :「いや、世の中の人ってどんな暮らししてるのかなって思っ
:てね」
間柴 :「僕が合衆国にいたころの家庭教師がよく言ってましよ、
:世の中って広いのよって」
清水 :「おまえ、それでかたずける気か!」
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