夏休みの直前に迫り、期末試験もはや中ば……。
清水 :「あぁ! 何で俺はこんな時期に転校してきたんだ!!
: だいたい、転校生にも同じ試験を受けさせるなんて詐欺
:だぁー」
(おやぁ、あそこで叫んでるのは転校生ではないか?)
間柴 :「やぁ、転校生、何を騒いでいるです?」
清水 :「おまえは確か……」
間柴 :「そう、僕こそが宇宙の彼方からやってきた吸血魔人、ブ
:ラドサイクソン伯爵です(笑)」
清水 :「……。あぁ確か生徒会長の紹介であったな、間柴だっけ
:か?」
間柴 :「なんだ、覚えていたんですね。お人が悪い」
清水 :「で、何のようだ?」
間柴 :「いやぁ、ちょうど暇なもんで、一緒に遊びに行きません
:か? 天気もいいことですし」
清水 :「(しばし空を見上げる) もうすぐ雨が降るぞ」
間柴 :「はぁ? 、こんなに天気がいいのに、わかるんですか?」
清水 :「まあ、ね。でも、腹へったし、どっかいいところないか
:な?」
間柴 :「それなら、外にでなくてもいいところがありますよ。な
:んと、500円でおなか一杯食べられるんですよ」
清水 :「そりゃいいね。って、学食のこと?」
間柴 :「いえいえ、そんな不粋なところじゃないですよ。まあ、
:ついてきてください」
清水 :「君の部室に連れてきてどうするつもりだ?」
間柴 :「ほら! 新・ら王から団平ちゃんの夜泣きそばまで、何
:でもありますよ。お好きなものを食べてください」
清水 :「なんで文芸部の部室にそんな物が! って冷蔵庫まであ
:るー!」
間柴 :「お望みならビールも出しますし、世界のタバコも揃って
:ますよ。これはもう、入部届けに判を押すしかないですね!」
清水 :「いや! そうじゃなくてー!」
間柴 :「おや、お気に召しませんか。仕方がないですね、外のい
:いところに案内しますよ」
清水 :「じょ、常識が……(真っ白な)
間柴 :「何しているんです? 原チャでいきますから、メット被っ
:てくださいね。(マイペース)
間柴 :「あっ、ちょとまっててください。原チャリで行くと遠い
:かもしれないので……」
清水 :「(マンションを見上げながら) げっ、こんなマンション
:に住んどるのか、あいつ。いや、家族で暮らしてるんなら
:そんなことも……」
(数分経過)
清水 :「いったいなにをしとるんだ? あいつは、もう……」
がぎゅーんー、(爆音と共に地下の駐車場から車が出てくる)。
間柴 :「すいません、おまたせしまして。さぁ、乗ってください」
清水 :「(何か大事なことを忘れてるような気がしながら)、お、
:おぅ」
(国道、空いているのをいいことに140kmで爆走中)
清水 :「やぁ、やっぱ車体が低いとスピード感があるな」
間柴 :「そうですか、まだ140ぐらいしかでてませんが……」
清水 :「なぁんだ、まだ140……ぅ。(我に返って)、ちょと待て!
: おまえは……」
間柴 :「危ないですよ!(四輪ドリフトを決める)」
清水 :「だぁっ、おなえは! よく免許がとれ……(しばし、考
:慮中) ……たなって、免許って確か……」
間柴 :「18歳からでしょう、日本では」
清水 :「おまえって、確か……」
間柴 :「16ですよ(平然)」
清水 :「とっ、止めてくれ!!」
間柴 :「えっ、ああそうですね。(ある店の前に車が止まる)」
(人通りも少く、閑静な趣を見せる一帯、一軒の西洋風の館がある)
男 :「いらっしゃいませ、お車を……」
間柴 :「よろしく、(鍵を男に渡す)。さぁ、ここですよ、行きま
:しょうか」
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