エピソード7『プールで釣れるもの』


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エピソード7『プールで釣れるもの』

 プールを前にして。

 鶴原宗一	:「え、ここ……使うんか?」
 基史		:「私たちもこの学校の生徒である以上、男女で区別される
		:のはどうかと思いまして」
 宗一		:「ふ〜ん。ま、いーけどな……んじゃ、これ持って」
 基史		:「これは?」
 宗一		:「ガスガン。こっちは……電動式でフルオートできる」
 基史		:「およそ学校のプールとは縁が無いような気がしますが?」
 宗一		:「ま、見てたら判るわ(笑) んじゃ頼むで。俺が釣り上げ
		:たら撃つんや(釣竿をたれる)」
 基史		:「撃つってなにを……」
 宗一		:「……きたぁっ!」

 怪物		:「ぎゅごぉぉぉぉん(……どばっしゃぁぁぁぁん!)」

 宗一		:「ボーっとしてたらあかんがな(笑) ありゃ。糸が切れて
		:もーた」
 基史		:「……い、今のは一体?(汗)」
 宗一		:「噂によると、このプールに迷い込んで出られなくなった
		:生き物たちの化けたヤツやって。プール使う使わんは別に
		:して、あれは問題やと思うやろ?  ……間柴基史君……
		:やったかな?(笑)」
 基史		:「え、はぁ。確かにそうですが……」
 宗一		:「あ、俺? 俺は、ちっとヒマを持て余してるただの用務
		:員26歳独身(笑)」
 基史		:「はぁ、そうですか、そりゃどうも……(呆然)」
 宗一		:「ま、これからよろしく。なんかあったら用務員室におる
		:から……ま、たまには遊びに来たって(笑)」
 基史		:「はぁ……」


 プールで怪物を見た次の日、間柴君は面白がって再び参上。

 基史		:「あっ、用務員のおじさん。昨日はどうも」
 宗一		:「おっ、おじさん? 俺は26歳だ、それがおじさんか?」
 基史		:「これは失礼しました。では、そうですね……鶴原さんで
		:いいですか?」
 宗一		:「それで別にかまへんで」
 基史		:「それではそのようにしましょう」
 宗一		:「(こいつしゃべりが堅苦しいやっちゃなぁ)おお。で今日
		:はなんや? 昨日の続きか?」
 基史		:「はい、今度は必殺兵器を用意してます。もう一度挑戦し
		:てみましょう」
 宗一		:「ほうぅ、秘密兵器なぁ……まっいいか。よっしゃ、行こ
		:か」

 その少し前、文芸部にて

 基史		:「ほんとですって、プールで怪物がいたんです」
 清水鏡介	:「(ラーメンをすすりながら) ほんろかぁ? ほんらひか
		:らくてなもん」
 基史		:「あなたが言っても説得力はありませんよ」
 鏡介		:「そうかなぁ、とにかく俺はそんなのに興味はない」
 基史		:「あなたの水使いとしての能力あれば、きっとどうにかな
		:ると思ったのに……」
 鏡介		:「まぁ、あきらめてくれ。だいたい俺はここでもう少し宿
		:題をしないといけないのだ」
 基史		:「そうですか、では一人でいきましょう」

 舞台も戻ってプール

 宗一		:「いいか、いくぞ(釣り竿登場) えいっ」
 基史		:「たぶん大丈夫だろう(こそこそ)」
 宗一		:「よっしゃ、きたぁっ!!」
 基史		:「よし、座標軸は固定できた」
 宗一		:「こら、なにしてんねん。はよ秘密兵器をつかわんかい」
 基史		:「では後は任せた清水君!!(プールの真上に突然清水君登
		:場)」
 鏡介		:「なっ、なんだぁー、わぁー(どばぁぁぁぁーん)」

 突然落ちてきた鏡介に襲いかかる怪物。

 宗一		:「おい、なんかおちへんかったか?」
 基史		:「落ちましたね」

 抵抗を試みる清水君。

 宗一		:「いいのか? 大丈夫なのか?」
 基史		:「はい、まさに水を得た魚状態でしょう」

 おお、清水君優勢

 宗一		:「これはいけるかな?」
 基史		:「大丈夫でしょう、彼に任せておけば」

 戦い続ける清水君。

 宗一		:「あっ、(時計を見ながら) 俺やかんあつめなならんのや」
 基史		:「そうなんですか?」
 宗一		:「おう、今度遊びにこいや」
 基史		:「えぇ、そうしましょう」

 なお、戦い続ける清水君。

 やっぱり、戦い続ける清水君。

 それでも、戦い続ける清水君。

 なんとか……

 鏡介		:「……間柴め」



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