プールを前にして。
鶴原宗一 :「え、ここ……使うんか?」
基史 :「私たちもこの学校の生徒である以上、男女で区別される
:のはどうかと思いまして」
宗一 :「ふ〜ん。ま、いーけどな……んじゃ、これ持って」
基史 :「これは?」
宗一 :「ガスガン。こっちは……電動式でフルオートできる」
基史 :「およそ学校のプールとは縁が無いような気がしますが?」
宗一 :「ま、見てたら判るわ(笑) んじゃ頼むで。俺が釣り上げ
:たら撃つんや(釣竿をたれる)」
基史 :「撃つってなにを……」
宗一 :「……きたぁっ!」
怪物 :「ぎゅごぉぉぉぉん(……どばっしゃぁぁぁぁん!)」
宗一 :「ボーっとしてたらあかんがな(笑) ありゃ。糸が切れて
:もーた」
基史 :「……い、今のは一体?(汗)」
宗一 :「噂によると、このプールに迷い込んで出られなくなった
:生き物たちの化けたヤツやって。プール使う使わんは別に
:して、あれは問題やと思うやろ? ……間柴基史君……
:やったかな?(笑)」
基史 :「え、はぁ。確かにそうですが……」
宗一 :「あ、俺? 俺は、ちっとヒマを持て余してるただの用務
:員26歳独身(笑)」
基史 :「はぁ、そうですか、そりゃどうも……(呆然)」
宗一 :「ま、これからよろしく。なんかあったら用務員室におる
:から……ま、たまには遊びに来たって(笑)」
基史 :「はぁ……」
プールで怪物を見た次の日、間柴君は面白がって再び参上。
基史 :「あっ、用務員のおじさん。昨日はどうも」
宗一 :「おっ、おじさん? 俺は26歳だ、それがおじさんか?」
基史 :「これは失礼しました。では、そうですね……鶴原さんで
:いいですか?」
宗一 :「それで別にかまへんで」
基史 :「それではそのようにしましょう」
宗一 :「(こいつしゃべりが堅苦しいやっちゃなぁ)おお。で今日
:はなんや? 昨日の続きか?」
基史 :「はい、今度は必殺兵器を用意してます。もう一度挑戦し
:てみましょう」
宗一 :「ほうぅ、秘密兵器なぁ……まっいいか。よっしゃ、行こ
:か」
その少し前、文芸部にて
基史 :「ほんとですって、プールで怪物がいたんです」
清水鏡介 :「(ラーメンをすすりながら) ほんろかぁ? ほんらひか
:らくてなもん」
基史 :「あなたが言っても説得力はありませんよ」
鏡介 :「そうかなぁ、とにかく俺はそんなのに興味はない」
基史 :「あなたの水使いとしての能力あれば、きっとどうにかな
:ると思ったのに……」
鏡介 :「まぁ、あきらめてくれ。だいたい俺はここでもう少し宿
:題をしないといけないのだ」
基史 :「そうですか、では一人でいきましょう」
舞台も戻ってプール
宗一 :「いいか、いくぞ(釣り竿登場) えいっ」
基史 :「たぶん大丈夫だろう(こそこそ)」
宗一 :「よっしゃ、きたぁっ!!」
基史 :「よし、座標軸は固定できた」
宗一 :「こら、なにしてんねん。はよ秘密兵器をつかわんかい」
基史 :「では後は任せた清水君!!(プールの真上に突然清水君登
:場)」
鏡介 :「なっ、なんだぁー、わぁー(どばぁぁぁぁーん)」
突然落ちてきた鏡介に襲いかかる怪物。
宗一 :「おい、なんかおちへんかったか?」
基史 :「落ちましたね」
抵抗を試みる清水君。
宗一 :「いいのか? 大丈夫なのか?」
基史 :「はい、まさに水を得た魚状態でしょう」
おお、清水君優勢
宗一 :「これはいけるかな?」
基史 :「大丈夫でしょう、彼に任せておけば」
戦い続ける清水君。
宗一 :「あっ、(時計を見ながら) 俺やかんあつめなならんのや」
基史 :「そうなんですか?」
宗一 :「おう、今度遊びにこいや」
基史 :「えぇ、そうしましょう」
なお、戦い続ける清水君。
やっぱり、戦い続ける清水君。
それでも、戦い続ける清水君。
なんとか……
鏡介 :「……間柴め」
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