良太は化け狸で、「古吹」さんという老夫婦のとこに、厄介になっている身
です。このお二人、数年前に、息子夫婦とお孫さんを事故で亡くしています。
んで、その葬式の晩に、ひょこっと「良太」が現れて、何故か居すわっちゃっ
たと。どうみても不自然な登場ですが、本人は気に入っているようです。
良太 :「なぁ、ばあちゃん。僕、今まで黙ってたけど、普通の人
:間とちゃうねん。実はなぁ……ここらの化け狐の一族の者
:やねん。
: 僕、小っちゃい頃、ここのじいちゃんに世話になったこ
:とあってなぁ、成人したら、絶対じいちゃん達に恩返しし
:よ思うててん。
: あ、大抵の化け狐は、そうやって人間社会に出ていくも
:んやねんで。従姉妹の姉ちゃんも、お医者さんの助手して
:たりするもん。
: ……でもなぁ、あんな事あったからなぁ。じいちゃんら
:寂しい思いしてるやろな思うたから、うちのお父ちゃんら
:に断って、成人する前にここにきたんよ。
: ほんとは僕みたいな半人前、里に降りてきたらあかんね
:んけど……ばあちゃん、ゴメンな。今まで黙ってて」
おばあさん :「……良ちゃんのことは、ばあちゃんら、ちゃーんと分か
:っとったよ」
良太 :「え! ほんま!?」
おばあさん :「分かるわなぁ。寝相悪くて、布団から尻尾出してる人間
:はおらんよ(笑)」
良太 :「ほんまなん? 気ィつけてるんやけどなぁ(笑) アカン
:なぁ、やっぱ僕半人前やわ(笑)」
おばあさん :「でもなぁ、良ちゃん優しい子やから、ばあちゃんら嬉し
:い思うてる。ずーっと化かされても、嬉しいんよ」
良太 :「じゃあ、もうちょっとここの家におってもええ? もっ
:と恩返しするから。
: ……あ、僕の場合、厄介になってるか(笑)」
おばあさん :「厄介なんてことあるかいな(笑)
: ホラ、御飯おかわりせえへんか?」
良太 :「うん、ちょうだい(笑)」
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