狭間から吹く風とともに:1997/12/19
狭間から吹く風とともにって?
本メールマガジンは、創作TRPG語り部の世界設定のひとつ、現代オカルト物 である http://kataribe.com/HA/ 狭間さまよえるもの達 に関して、編集済みエピソードとちょっとした新聞記事ふうのシナリオフッ ク、追加設定や前日の情報についてまとめてお伝えするというものです。 記述方式は setext 形式で、対応ツールを利用することでより読みやすく、 利用しやすくなります。 http://www.age.ne.jp/x/sf/SETEXT/ setextについて 編集は sfこと古谷俊一、連絡先は sf@x.age.ne.jp です。 発送には、インターネットの本屋さん『まぐまぐ http://www.mag2.com/ 』を 利用させていただいております。前回の発行部数は133部でした。 また、語り部通信倶楽部やサイバラ電劇ネットのような草の根BBSなどでも 配布されております。 登録・解除は http://kataribe.com/HA/maga/ 狭間から吹く風とともに の案内ページからお願いします。 > -【宣伝】----------------------------------------------------------- > 〜 その国は、そこを訪れる全ての人々の為に、常にそこに在る…… 〜 > TRPGサークル『冒険帝国』では、月一度の例会に参加して下さる会員・ゲス > トの方を、常時募集しております。下記までお気軽にお問い合わせ下さい。 > → 代表への E-mail GFF02522@niftyserve.or.jp > → 『冒険帝国』Page http://www2.osk.3web.ne.jp/~gombe/TRPG/BOUKEN/ > --------------------------------------------------------------------
最近の狭間の展開
http://kataribe.com/ML/ 語り部メーリングリスト を中心に、狭間について先日にあった活動をお伝えするものです。 新着ページについては http://www.mahoroba.ne.jp/~furutani/kataribe/KATA_NEW.html 語り部関連ページ新着情報 もご利用くださいませ。 新型オンラインコミュニティシステムが完成したら、紹介には集約リンクな どもつく予定です。今回は17、18日のできごとです。
コード06『キャラからのエピソード作成』
http://kataribe.com/HA/06/ ・エピソード『クリスマス前』 クリスマス直前のベーカリー楠にて、店長が本宮に仮装を強要するというか、 そんな話。
コード14『霞ヶ池の影』
http://kataribe.com/HA/14/ ・小説『孤独の定義』 裏影社の首領、紗耶の、酒飲み話……。うーむ、痛覚がないとはいえ、胃に 穴が空いても飲みつづける根性は、なんとも。 ・エピソード『宴会はプレハブで』 「電話」の章題で、野枝実に実家から帰省しないのかという電話がかかって くる話。……友久とちがって、まだ実家との連絡はついてるのね。逃亡中では なかったんだろーか。 「お父さんの話し合い」の章題で、谷山家にて麻衣をクリスマス会に連れ出 す交渉のシーン。 ・プレイエピソード『古き神々の地』 いきなりラストシーンだけ決定。影猫の鬼李が麻衣の守護者の《炎》を嫌が る話。まあ犬嫌いってのが2もつけは当然ではあります。 ・玖珂一族関係 当主の忍、聖獣使いの郁江の人名録形式データ。まだ採用にしていいのかは 不明。
夕刊風都:1997年12月19日号
佐見川美術館落成
八月に亡くなった彫刻家の笹次郎(まがき・じろう)の遺族と後援者により実 家を改装して建設が進められていた佐見川美術館(吹利県葛城市東佐見川町)が 本日竣工、落成式が行われた。一般公開は来年の1月1日より予定されている。 笹次郎は妻をモデルとして女性の生ける姿と魅力を描いた作品で広く知られ たが、自宅には未公開の動物彫刻が多数あり、佐見川美術館でもまぼろしの動 物彫刻を順次公開していく予定であるとのこと。
利用法
彫刻や絵画などには魂が宿るともいいます。生ける美術品がらみの話は、悲 劇・喜劇・怪異譚・ホラーなど、多数の料理法がありますよね。 普通の美術品でも、盗難や背景的利用など、色々と使えると思います。 > -【宣伝】----------------------------------------------------------- > サイバラの電脳通信網的擬似配役虚実演遊戯場ネット(サイバラ電劇ネット) > 03-3721-2501(アナログ14.4k)/03-5483-7408(デジタル非同期38.4k) > 電話代以外の料金は一切掛からない草の根無料ネットです。東京都大田区 > 語り部関係の各種資料転載しています。TRPG中心にMIDI,ANIME,CG,GAMEなど > ID"GUEST"で自動サインアップ、プロフィール確認後正会員登録です! > --------------------------------------------------------------------
最新編集済みストーリー:狭間14小説『二十の誕生日』
http://kataribe.com/HA/14/N/ 霞ヶ池の影:小説集 に追加された編集済みエピソードです。 今回の話は、 http://kataribe.com/HA/14/N/HAN14_06.HTM にHTML化して編集公開してあります。
二十の誕生日
立ち止まる。 ナイフが飛んでくる。軌道を読む。頬をかすめるか。飛行中のナイフに当た る大気分子のバランスを崩してやる。 ナイフはかすめるどころか、まるで見当違いな方向の壁に当たって落ちる。 これで……不意打ちのつもりか。 「ノーコンだな……投げナイフはやめた方がいい」 忠告してやる。腕は悪くはないが……このヤマに噛むには無力だ。 「ちっ」 男の顔が、ゆがむ。忠告を聞く気はないらしい。懐からもう1本ナイフを取 り出す。いや、3本か。懲りないヤツだ。 分子結界。大気分子をコントロールして、今度はさっきより強くナイフを弾 き飛ばす。ネオンサインの赤い光をコントロールして結界を男の目にも見える ようにしてやる。 「ATフィールド……ってか」 我ながら悪趣味な冗談。ナイフ男に通用したかどうかは知らないが。 男が胸の前で十字を切る。クリスチャン……か。 「悪魔めぇ!」 そうだ、それが正しい。接近した方が、ナイフ投げよりまだ確率は高い。 「確かに」 男の口元の一酸化炭素分圧を上げる。叫びながら突進してくるから。た易く その分子は男の血中に貯まって。 歩き出す。男が倒れるのが判る。後遺症は残らないレヴェルのはず。 振り返って見るまでのことはない。俺はその路地裏を後にした。 大通りではタクシーが、スピード違反を犯しながら走り去っていく。左腕で、 小さく電子音がした。腕時計。12時の時報。 そして……、俺は二十歳になった。 「見かけない顔ね」 女主人が声をかけてきた。 「そうだな……この店は初めてだ。ロック」 酒を注文する。一番簡単な、酒。他の客は、いないらしい。 「二十歳を過ぎるまで酒は飲んじゃいけないことになっている……少なくとも、 ここは日本だ」 呟くように、誰に云うでもなく。 「何が言いたいの?」 「何。さっき、合法的に酒が飲めるようになった。ただそれだけだ」 アイリッシュモルト。銘柄までは知らないが……胸に、凍みる。無意識のう ちに、中枢神経系から酒精分子をブロックしている。別の客が現れて、女主人 はその客の方に行ってしまう。 『さっきので使った寿命は?』 『42分間てとこだな』 魂の内側に住み着いているアレが応える。 『まだまだ、お前さんは長生きするゼ』 俺は取り合わずに、ロックを傾ける。静かに……静謐の中にグラスが空く。 目の前に、新しいグラス。そして、女主人。 「Happy birthday. おごりよ」 「Thanks. 頂こう」 澄んだ音。グラスが軽く響く音。 「少し……魔の気がするわね」 「別に……ちょっと憑かれているだけだ」 いらえ。掛け値なしの美女。酒。そして夜が更ける。
解説
不観樹露生氏による小説。 マクスウェルの悪魔つき、川中隆の自己紹介的な話です。データは http://kataribe.com/HA/14/C/HAC14_24.TXT にあります。 彼はその身体に取りついているマクスウェルの悪魔の力を借りることで、分 子運動を操作することができます。今回襲ってきた相手はマクスウェルの悪魔 を聖書における敵としての悪魔であると認識しているキリスト教系の異能者の ようです。 > -【宣伝】----------------------------------------------------------- > 成人式の夜の吹利市南部。失われたはずのものを観た人々がいた。一面の芦 > 原を、月光の冷たく照らす湖面を、魂をも打ち砕くほどの威厳をもったなに > かが飛翔するさまを。はるかな古代に栄えた吹利の都にあった霞ヶ池は、あ > えて四神相応を崩さざるを得ないほどの力を持っていたという……。 > http://kataribe.com/HA/14/ 霞ヶ池の影 / 語り部MLにて進行中 > --------------------------------------------------------------------