狭間から吹く風とともに:1997/12/31


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狭間から吹く風とともに:1997/12/31

狭間から吹く風とともにって?

 本メールマガジンは、創作TRPG語り部の世界設定のひとつ、現代オカルト物 である http://kataribe.com/HA/ 狭間さまよえるもの達  に関して、編集済みエピソードとちょっとした新聞記事ふうのシナリオフッ ク、追加設定や前日の情報についてまとめてお伝えするというものです。  記述方式は setext 形式で、対応ツールを利用することでより読みやすく、 利用しやすくなります。 http://www.age.ne.jp/x/sf/SETEXT/ setextについて  編集は sfこと古谷俊一、連絡先は sf@x.age.ne.jp です。  発送には、インターネットの本屋さん『まぐまぐ http://www.mag2.com/ 』を 利用させていただいております。前回の発行部数は137部でした。  また、語り部通信倶楽部やサイバラ電劇ネットのような草の根BBSなどでも 配布されております。ちなみに転載は自由、引用は出所を明らかにすれば問題 ありませんし、シナリオネタとして利用する分にはとくに断る必要はありませ ん。  登録・解除は http://kataribe.com/HA/maga/ 狭間から吹く風とともに  の案内ページからお願いします。 > -【宣伝】----------------------------------------------------------- > 成人式の夜の吹利市南部。失われたはずのものを観た人々がいた。一面の芦 > 原を、月光の冷たく照らす湖面を、魂をも打ち砕くほどの威厳をもったなに > かが飛翔するさまを。はるかな古代に栄えた吹利の都にあった霞ヶ池は、あ > えて四神相応を崩さざるを得ないほどの力を持っていたという……。 > http://kataribe.com/HA/14/ 霞ヶ池の影 / 語り部MLにて進行中 > --------------------------------------------------------------------

最近の狭間の展開

http://kataribe.com/ML/ 語り部メーリングリスト  を中心に、狭間について先日にあった活動をお伝えするものです。  新着ページについては http://www.mahoroba.ne.jp/~furutani/kataribe/KATA_NEW.html 語り部関連ページ新着情報  もご利用くださいませ。  新型オンラインコミュニティシステムが完成したら、紹介には集約リンクな どもつく予定です。今回は27〜30日のできごとです。

汎用

・狭間異能リスト  異能を考えるのが難しい、という人のための異能リストが作成されています。 なんだかんだ言って、簡単に百以上集まりましたね。

コード06『キャラからのエピソード作成』

http://kataribe.com/HA/06/ ・エピソード『パーティやろうぜっ!』  「クリスマスってなあに?」の章タイトルで萌と大河関係のシーンが増補。  またコスプレ撮影会も進行中……。通りから人が見たら、どう思うのであろ うか……。 ・新規エピソード『寂しい聖夜』  クリスマスの夜、一人さびしく店番をする佐久間拓巳の哀愁。 ・新規エピソード『年の瀬』  今年の正月、研究室で年を越すことになりそうな豊中の研究生活……。タイ トルは重複しやすいので再考の余地ありかも。 ・[WWW] [CG] 操水術師:柳直紀&森江新 http://www.kt.rim.or.jp/~ikegami/ なおなみ・なみなみ  の扉企画で公開……されていたのですが、発行時点では変更されてます。過 去のCGの展覧会(アルバムか?)も要望したいところです。 ・エピソード『そんなさよならも』  久しぶりに続き。異能を持つことを彩に知られてしまった夏和流。分かれよ うと言われるに違いないと思い込む夏和流の心は空転する……。 ・新規エピソード『……?』  後輩の女の子に付きまとわれる矢部は、相手が慕ってくる理由が理解できず に困惑するばかりであった……。 ・新規エピソード『正義の味方出前一丁』  関東は間海市にて、退魔家業に精を出す高校生二人……夏和流とみのるの話。

コード14『霞ヶ池の影』

http://kataribe.com/HA/14/ ・新規エピソード『行く年』  大掃除をする野枝実と晃一の話。

夕刊風都:1997年12月30日号

 夕刊風都は、狭間世界に存在する吹利県の地方新聞ということになっており ます。事件や行事などを新聞記事風に紹介することにより、TRPGのシナリオづ くりのアイデア提供、事件の隠蔽工作の方法の紹介、吹利県のイメージ醸成な どを行うことを狙っています。  とりあえず12月分をすべてまとめて更新しました。 http://kataribe.com/HA/NP/HANP9712.HTM 新聞記事形式シナリオフック『夕刊風都』1997年12月分  工房・匠に掲示板を作成し、 http://www.mahoroba.ne.jp/~furutani/kataribe/HA/HA_NP.html   狭間:シナリオフック夕刊風都公募  にて記事の投稿を募集しております。

"トラ"魚大集合

 吹利市の近鉄吹利レジャーランド内にある水族館に1月4日、来年の干支の 寅(トラ)にちなんだ名前の魚が大集合する。  お目見えするのはトラザメ、タイガーボディアなど「トラ」「タイガー」な どを名前の一部に持つ魚二十八種。2月15日までの開催。問い合わせは同館ま で。

使用法

 デートスポットに使うも良し、魚の中に異常な存在が紛れていたことにして 処理する話にするも良し……ですかね。

最新編集済みストーリー:エピソード624『空を見る話』

http://kataribe.com/HA/06/P/ 狭間06エピソード集  に追加された編集済みエピソードです。  今回の話は、 http://kataribe.com/HA/06/P/6/HAP06624.HTM  にHTML化して編集公開してあります。

本編

 ある晴れた昼下がり、猫が一匹河原を歩いていた。  萌 :「ふにぃ……(マサヒロどこに行ったんだろ)」  昼休みはたいていベーカリーにてパンを購入する時間なのだが、今日はいく らまっても来ないので探していたのだ。  で、もはやこの河原以外に探す場所はないのである。  萌 :「に?(あ、あれもしかして)」  河原のすぐそばの丈の低い草が密生している所に一人の人間が寝転んでいる。  萌 :「みぃ(あ、やっぱり)」  予想通り大河だった。手を枕にし目を閉じている。  テトテトと近寄ると……。  大河 :「萌か……?」  萌 :「起きてたの?」  大河 :「ああ……」  大きなあくびをする、小学生の頃担任に「馬みたいな大あくびだね」と言わ れた奴だ。実際あごが小さく「かくっ」と鳴る事もある。  萌 :「今日はなんで来なかったの?」  大河 :「言ってなかったっけ? 今日は午前で終わりだぞ?」  萌 :「あれ?」  大河 :「忘れてたな」  萌 :「……それよりこんなとこで何してるの?」  大河 :「空をな、見てるんだよ」  萌 :「目を閉じて?」  大河 :「そうだよ(微笑)」  萌はしばらく青く澄んだ空と大河を交互にみていたがすぐに自分もその隣に 横になって大河の真似をした。  そよ風が吹き、草がそよぐ、暖かな陽の日差し、川のせせらぎ、大地の静け さ……。そんな「世界」を感じながら萌はとても安らいだ気分になっていた。  萌 :「(空を見るってこんな感じなのかな……?)」  がさ。がさがさがさがさ。草をかき分ける音が近づいてくる。  萌 :「……?」  起き上がろうとした萌の上に、ぬっ、と人のかたちの影が差す。  萌 :「ふぎゃあああっ(どびくうっ)」  訪雪 :「あ……失礼。驚かすつもりはなかったんだが」  濃い灰褐色の和服を着て、長い髪を首筋で束ねた中年男。顔の縁に伸ばし放 題にした髭が、なんとも暑苦しい。  そのまま、大河と萌の脇にしゃがみこんで、二人の顔をまじまじと見比べる。  萌 :「にぃ(誰?)」  あからさまに不審そうな眼差し。くつろいでいるところを知らないおやぢに 乱入されたのだから、無理も無い。  訪雪 :「まぁ、そう怪しまなくても。別に昼寝の邪魔をするつも :りはないよ」  萌 :「うにゃ(変なの)」  視線が気にはなるが、害はなさそうなので、男のことは放っておいて、萌は また元のようにごろりと寝転ぶ。  男は萌の視線を追って、ひとり納得したように頷くと、一人と一匹の脇に腰 を下ろして、同じように空を見上げはじめた。  そして……一刻、草を踏む音が聞こえてくる。  萌 :「みゃ?(また誰か来た)」  草陰から見える、目深にかぶった帽子、草色の上着。ギターをしょって、釣 竿を手にした金髪の少年。  訪雪 :「おや、君は」  萌 :「みゃう!(ギターの人だ)」  草をかき分けて現れたのは、佐古田。二人と一匹の姿を見据えると、萌に笑 顔を向け、訪雪に軽く会釈をし、大河の顔を一瞥する。  訪雪 :「また、釣りかい」  佐古田 :「(無言で頷く)」  萌 :「みぃ(釣れたらちょうだい!)」  佐古田 :「みゃう、にぃにぃ?(ああいいよ、萌達は何をしてた?)」  萌 :「うにゃ……にぃ(空、見てた)」  佐古田 :「みゅう……(空……か)」  訪雪 :「(はじめて声を聞いたな……しかも猫と話しとる)」  普段は無愛想で無表情な佐古田が、萌に笑いかけている。  訪雪 :「(笑った顔もはじめてみたな)」  佐古田 :「うみゅみゅ(そこに寝ているのは誰?)」  萌 :「にゃあ(マサヒロ、萌、マサヒロのお嫁さんになるの)」  佐古田 :「にゅ(そうか)」  訪雪 :「(まったく会話がつかめんな)」  釣竿をおろし、草の上に腰を下ろす。  訪雪 :「釣りはいいのかね」  佐古田 :「じゃん(……少しだけ、空を見てから)」  ギターを置き、寝転がる。  訪雪 :「そうか……儂も、たまにはゆっくり空を見るか」  ごろん……と、大河、佐古田にならって河原の草原に転がる。  萌 :「にぃ?(みんな寝ちゃった……)」 草の上に並んだ三人を、首を傾げて見比べる。  萌 :「これって……そんなに、楽しいのかなぁ」  萌もまた、元の場所に寝転がる。  空の青を網膜に灼きつけて、目を閉じる。瞼の血管の透けた赤の、そのまた 向こうに、空の青がある……  周囲の草をさわさわと揺すって流れる、風の音。その風が、すこし澱んだ水 の匂いを運んでくる。  SE :「……ぐぅ」  どうやら一人ばかり、本格的に寝入ってしまった人間がいるらしい。上半身 を起こして見回してみたが、萌の目には誰が寝ているのか、まるで区別がつか なかった。  そして更にまた一人。  夏和流 :「こんにっちわ」  萌 :「あ、三河さん」  夏和流 :「なんだか、たのしそーですけれど、どしたんですか?」  萌 :「わかんない。みんな、空を見てるの」  夏和流 :「……空かぁ……」  つられて見上げる。  夏和流 :「……ふふっ」  萌 :「なにが楽しいの?」  夏和流 :「んー……なにが、って聞かれると、僕にもわかんないや。 :でも」  萌 :「でも?」  夏和流 :「(空は綺麗……だなんて、言うの恥ずかしいぞ)……あっ、 :あの雲、面白い形してる」  萌 :「あ、本当だ」  夏和流 :「……とまあ、こういう楽しみも、あるんじゃないかなぁ」  萌 :「ふうん」  しばらく、やれ鯨に似ている、やれおいしそうなパンに見えるだの、雲の形 を楽しんでいた。

解説

 ある夏の晴れた日、川辺にて空を見る人々は……。のんびりとした日常スケッ チですね。とくにストーリーはあるわけでもない。  絵本風にイラストストーリーにすると、結構いいのかも。 > -【宣伝】----------------------------------------------------------- > ★☆ Net Novels News ☆★ オンライン小説の新作情報を貴方に! > インターネット上に広く存在するオンライン小説のホームページから新作の > 情報をまとめてお送りします。月一程度の特集記事では、独自の切り口でオ > ンライン小説の紹介を行なっています。 毎週金曜日発行。 > http://www02.so-net.or.jp/~inai-yo/magazine/ > --------------------------------------------------------------------


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