語り部のストーリー支援・記述システムへの展望


目次



語り部のストーリー支援・記述システムへの展望

 語り部は現在、プレイスタイルを記述し支援する機能を持つことを予定して
おります。
 従来のルールにおいても、運用によってプレイスタイルを支援する機能を持
たせることが可能でして、今後の拡張もこれらの支援機能の明確な記述方式を
提供することによって実現する予定です。



ストーリー支援機能の使い方の現状

 語り部のルールに内在するストーリー支援機能の利用方法に関する簡単な検
討を行なってみました。まとまったものとしては初めての考察かもしれません
けど、まだまだ不足しすぎています。



特徴による修正の運用方法

 特徴の強制力への加算・減算をどう利用するかは、マスターが展開を操作す
るための最大の武器です。
 ストーリー上必要な時点で特徴の適用基準をゆるめることにより、キャラク
ターの能力を大きく引き上げることができますので、ストーリー展開のひな型
(ストーリータイプ)で特徴の運用方針を示しておくことにより、たいていのス
トーリーが再現しやすくなる事を狙っています。


技能の利用可能範囲の制限と取り方の指針

 ルールの本質的にはひとつの技能でなんでもできるのですが、雰囲気を出す
ために特定の技能で可能な事柄を制限できるようになっています。
 この制限をうまく明示しておくことで、普通のルールのように職能の分担に
よるパーティバランスを再現することも可能になります。パーティバランスを
ひな型として構築する手法(人間関係のひな型)により、いろいろと面白いこと
ができるようになると思われます。
 また、ストーリーの展開に合わせて利用できる技能の制限を変更していくこ
とによって、特徴では再現できないほどダイナミックに能力か変化する場合を
再現することが可能になります。このような技能の利用制限は、通常技とはあ
まりに威力が違いすぎる必殺技の再現にも利用できます。


今後の追加要件

 これまでの語り部ではキャラクターを記述する能力だけを考えていましたが、
今後は組織・集団・人間関係などを記述する能力を付与していく予定です。
 そのためのアイデアについてこの項では考えています。


組織のキャラクター化

 現在のキャラクターの記述方式によって、組織を表現する方法について考え
てみます。
 現在のルールでも「組織に対する影響力」は特徴として、「組織を利用する
ことで得られる能力」は技能として数値化しておりますから、組織をキャラク
ターとして表現する場合にも同様にすれば良いでしょう。
 問題は、余力の扱いをどうするかにあります。


人間関係のひな型

 旧来のファンタジーTRPGに顕著だったような、前衛の戦士と後方支援の魔術
師、治療系の僧侶、警戒・探査の盗賊といった役割分担を、ひな型として提供
します。行動上の役割分担だけではなく、熱血リーダーと怜悧な参謀、お茶目
なコミックリリーフといった性格的な役割分担も人間関係のひな型に含まれる
ことになります。
 最終的にはストーリータイプとの連携により、敵方を含めた物語のひな型へ
と発展させて行きたいと思います。


ストーリータイプ

 物語の流れやプレイの流れについてのお約束を、明文化して提供するための
仕掛けとして考えています。
 今のところ具体的には形になっていませんが、シーンごとの特徴の適用制限
や技能の使用制限、必要とする人間関係のひな型などによって構築する予定と
なっています。



お約束の中身はなにか

 さて、ストーリーのお約束を記述すると概念だけ述べていてもしかたが有り
ませんから、そろそろ具体的な記述方法について考えてまいりましょうか。
 お約束には、次のようなものがあると思います。
        ・禁忌
        ・必須行動
        ・進行制限
 詳しく書きましょう。


禁忌

 それをやっちゃあおしまいだよ、といった行動です。
 戦隊物で言えば、「巨大化していない敵を巨大ロボットで攻撃してはならな
い」とかでしょうか。


必須行動

 必ずあることをしなければならない、というものです。「悪役は一度は勝利
を確信して計画をばらさなければならない」とか。


進行制限

 必須行動の一種ですね。要するに、あることをしなければ次のシーンにいけ
ないというものです。「悪役に一度追い詰められてからでないと新兵器を使用
できない」などかな。

 他にもあるのかな……。
 とりあえず思いついたのは、これだけです。



ルールへの組込み

 では、これらをどのようにしてルールに組み込むのかを考えてみましょう。


禁忌

 禁止することを列記しておけば、問題ないでしょう。ただし、人間が記憶し
ておける情報の量なんてのは限られていますので、できるだけ少な目にしてお
くべきでしょうね。

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 マスターはプレイ前に禁止事項のリストを作り、それをプレイヤー達に公表
しておく事が可能です。プレイヤーが禁止事項を破ることを行なおうとした場
合には、マスターはその行動を却下することができます。

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 まあ、今までのルールでもマスターの許認可権について書いてあったものも
多いはずですが、このルールの特色は「禁止事項をあらかじめ提示する」こと
にあります。これによって明文化されていないお約束の強制力を減殺できると
思います。
 ペナルティではなくて、却下であることに注意してください。この禁止事項
はそれだけの大きな強制力を持つことが、ルール上で決定されているのです。
マスターは禁止事項の提示には慎重にならないといけませんね。

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 プレイ中にこれはイメージに合わないから禁止したいというような行動が申
告された場合には、プレイヤー全員の賛同が得られれば「禁止事項」を増補改
定することができます。

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 語り部らしい「プレイ中の設定追加」作業を公認するルールです。



必須行動

 省略。(;^^)
 しなければならないというのを前面に出すのはちょっと面白くないかな、と
思わないでもないので、取り合えず進行制限に任せてみます。



進行制限

 構造化シナリオ著述法に似た感じになりますけど、ストーリーをシーンごと
の制約によって表現してみようかと思います。
 さらにシーンごとの関係もうまいこと記述できれば面白いなと考えておりま
すが、まだどうすべきかが良く分からない。(;^^)
 技能を幾つかに分類し、シーンごとに利用可能な上限を設けようかとも思う
けど繁雑ですね。シーンごとの最高技能値を決めると考えれば問題でもないの
かな。

シーン名:
技能制約:
特徴運用:

 こんな感じかなぁ。
 これから実際に小説を題材にして、シーン分割をいろいろと考えてみること
にします。こうご期待。



P.S.

 こうやってルールと解説や運用方法について書くのも面白いものですね。
 リファレンスルールから引用して、それに解説をつけながらマスタリングの
しかたを説明するのも面白そうです。


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