語り部はこう違う


目次


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□□□ 語り部の特性紹介記事より
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語り部はこう違う



キャラメイク編


プレイヤー      :マスター、どのダイスで能力値を決めるんだい。
マスター        :ダイスは不要だよ。まずイメージを決めて、のちに数値を
                 考えるんだ。


プレイヤー      :それじゃあ、作成ポイントと振り分け方の制限を教えて。
マスター        :作成ポイントという概念はないんだよ。単純明快に上限以
                 内ならイメージ通りに技能を取って良いんだ。技能の個数
                 も、当然自由だよ。



判定編


プレイヤー      :おおっ、一ゾロだ。クリティカルだな。
マスター        :いんや。クリティカルという概念はないんだ。


プレイヤー      :判定は技能にダイスの目を足すのか、それとも技能値以下
                 を出せば良いのか教えて。
マスター        :以下ロールだといえるね。だけど、技能分割ということを
                 先にする必要があるんだ。技能値を目標値と強制力に分割
                 して、目標値以下をふれば良いわけ。



アイテム編

プレイヤー      :マスター、このルールではブロードソードは攻撃力はいくら
                 だい?
マスター        :待て待て。誰もファンタジーとは言ってないぞ。サプリメン
                 トは一杯あるんだ。それに、武器に攻撃力という概念はない
                 ぞ。ましてや、武器という概念も必要無いな。アイテムは全
                 てそれぞれの技能値をもってるんだ。人間と同じだね。



知識編

プレイヤー      :「大黒亭へ行け」ってったって、このキャラ、場所知ってる
                 の?
マスター        :大黒亭は結構有名だから、一般常識技能で難易度3のロール
                 をしてくれ。成功したら、だいたいのところは知ってること
                 になるね。



冒険がおわって編


プレイヤー      :さあ、レベルアップだ。どうするのかな。
マスター        :残念ながら、レベルアップという概念はないんだ。




語り部にあるもの無いもの


 語り部というルールの特徴を示すために、語り部にあるものと無いものを幾
つか提示して解説してみました。


無いもの

・能力値
 ロールの基本値としての能力値はありません。
 振り直しポイントとしての余力は、ある意味で消耗性の能力値として働くと
いえます。

・ヒットポイント
 累積型のダメージシステムを持っていません。余力の消費は消耗を表わすと
いう意味で、ヒットポイントに近いかもしれません。

・マジックコスト
 いわゆる魔法のたぐいは使い放題です。使用回数やマジックポイント消費な
どによる制限はいっさいありません。
 一応、難度の高い魔法を使う事は成功率を低くする事なので、余力のうち集
中力がマジックコストとしても働きます。

・職業(クラス)システム
 完全技能性ですから、クラスシステムはありません。ただし、職能をそのま
ま技能として取得する事で、擬似的にクラスシステムのようにも扱えます。

・詳細な武器設定
 武器の効力などは人間の能力差に比べれば些細なものである事になっていま
すので、詳細な武器の設定はありません。逆にいえば、イメージにあった好き
な武器を持たせてやっても有利不利の問題が無いので気楽だといえます。

・ダメージのランダム性
 ヒットポイントが無いだけでなく、段階的ダメージ状態記録制でもありませ
んから、ダメージという概念自体が希薄です。
 基本的に攻撃は総て相手の無力化として扱われますから、ダメージはすべて
同じであるといえます。

・クリティカルとファンブル
 ランダム性が成功率のみに利用されており、一定確率で特殊な効果が発生す
るといった事はまったくありません。

・経験値、成長ルール
 キャラクターの設定イメージから直接数値データを導き出すうえに、プレイ
中に数値データを改変する事が(マスターとイメージの許す範囲内で)許可さ
れていますので、経験値や成長に関するルールは存在しません。



あるもの

・技能
 能力値のないシステムですから、技能をそのまま判定に利用します。
 一般的なルールにおける技能よりも何でもありな側面が多く、数値が同じな
らば、どの技能でもイメージの範囲内で同一の効果を得る事ができます。

・振り直しポイント
 余力と呼ばれていて、体力と集中力の二つがあります。
 ポイントが残っている限り、何回でも振り直しで着ますから、慣れないと成
功率が分かりにくいかもしれません。

・成功度と成功率の制御
 成功率を落として効果の大きさをあげたり、逆に効果を小さめにして成功率
を高めたりできるルールは幾つかありますが、語り部では普通の判定でも能動
的に成功率と成功の度合を制御します。
 具体的には、技能値を目標値(成功率)と強制力(成功の度合)とに分割し
て、2D6で目標値以下が出れば成功であるとなっているのです。

・魔法などのコンストラクション
 基本的な判定ルール自体をコンストラクションルールであると考える事がで
きるように設計されています。
 ルールでは、技能値を分割する際に効果の特殊性に応じた修正を取得する事
によって、特殊な効果や効果対象・範囲などの拡大を行なう事ができることに
なっています。



語り部の三つの自由さ



キャラクター作成の自由度

 ランダマイザを利用せず、制作ポイントの割り振りも利用せずに、自由にイ
メージから直接キャラクターを作ることができます。

 技能(外部に与える影響能力)と、特徴(個人を表現する特性)、 余力(行動を
失敗に終わらせないための余裕) によって数値表現が構成されており、特に技
能はどうやってある特定の効果を外部に与えるかは問わずに外部に与える度合
のみによって数値が決定されるために、どんな奇妙な技能であっても許容され
ます。

例:
・不条理な「幸運」のみで世の中を渡る。
・どんなときにも可愛く「お願い」するだけで望みがかなう。
・どんな敵でも「正義の鉄拳」で倒してしまう。
・謎の「霊力」でどんな行動も可能になる。
・こんな事もあろうかと「マッドサイエンス」によって必要な道具が準備され
 ていて、苦境を乗り越えられる。
・侵入先で、実は「準備」してあったのだよと爆弾を炸裂させて逃げることが
 できる。
・あとになってからでも「超絶的推理力」によって必要な証拠を集めていたこ
 とが発覚する。

 これらがすべて技能として利用できるのです。


行為判定の自由度

 行為判定の成功率と効果の度合を自由に操作できます。
 成功率を落として強力な一撃を放ったり、逆に絶対成功で済ませてしまった
りすることが可能です。
 また、成功率に修正を加えることによって、雑魚一掃攻撃なども簡単に行な
えます。


ストーリーの自由度

 今のところ明確にルールになっていないのですが……。
 語り部ではルール自体ではストーリーや世界観を制限していません。イメー
ジに合いさえすれば、技能値の制限内でなんでも可能です。
 ですか、ルールの重要な効能である「マスターを含むプレイヤー間で世界観
やプレイスタイルを強要するための道具」としての能力を確保するために、ス
トーリーや世界観を表現するためのルール的サポートを行ないたいと考えてい
ます。
 具体的には技能の利用制限、特徴の運用条件、シーン構成のひな型などの道
具立てによって世界観を再現するための手法を構築したいと考えています。


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