今までストーリー展開のひな型などと読んでいたものを、さらに一般化して
手順のひな型と呼ぶ事にします。
ストーリーの大まかな流れを規定する手順だけでなく、重要な判定の手順な
るものを用意して、ストーリーを盛り上げるための障害の配置の一般化を図ろ
うと考えています。
手順とは目標と場面、障害、障害解消手順によって構成された一連のシーケ
ンスです。場面と場面との間には障害が存在し、障害を除去することによって
場面を移行する事が可能になっています。場面から場面への進行の動機づけは
目標によって行います。
実例を挙げてみましょう。
ダンジョンは以下のような要素から構成されていると思われます。
場面:
・入り口
・中継地点
・宝物庫
・部屋
障害:
・通行困難(PCが目標値5、6程度)
・通行不能(PCが目標値1、2程度)
・通路(基本的に通行可能。自動除去が可能な障害であると考える事ができる)
・罠(簡単に処理するなら難易度。特殊な無効化手順を採用しても良い)
・怪物(戦闘という手順によって処理)
・錠(特定アイテム(鍵)があると通行自由になる。難易度や無効化手順を持つ)
目標:
・財宝奪取
・親玉退治
・救出
錠のかかった扉はダンジョンものの華のひとつですね。
さて、錠を無効化するためには二通りの方法があります。
・鍵を持ってくる(通行自由になる)
・こじ開ける(難易度を持つ)
鍵がどうしても必要になるようにするには、PCの目標値が1か2程度になる
ように難易度を設定してやると良いでしょう。
まあ他にも扉をぶち抜くとか、他の通路を探すとかいった手も有りますけど、
そういった試みには別の難易度を設定して障害を設定するべきでしょうね。
また、鍵あけを楽しむためにこじ開けるための手順について考える事もでき
ます。例としては、
1.錠の種類について調べる難易度判定
2.錠の警報装置を除去する難易度判定
3.錠を解除する難易度判定
などに細かく分割するという事が考えられます。
1.は錠のかかった扉の前におり、錠の種類が分からないという障害の存在す
る場面です。
2.は錠の種類は判明したものの、錠の警報装置が障害となっています。
3.は警報装置をはずしたのでようやく錠そのものを無効化して、この一連の
手順の最終目標である「鍵のかかった扉によって通行不能になっているという
障害を取り除く」事が可能になるわけです。
以上のように手順のひな型を詳細に規定する事により、セッション中にルー
ル的に楽しむべき部分について明確化する事が可能になります。
また、シナリオを詳細に考える事が簡単になる事でしょう。
このような展開のひな型を利用して、戦闘なども含めて、各セッションで詳
細に楽しみたい部分はなにかという事をサプリメントなどでは明確にしていけ
ると良いだろうと思います。
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