ちわっす、しゅぺる少尉です。今日はセーラーソイルのプレイ進行方式であ るエピソード形式の書き方について講釈たれます。注意点は一つ。これはセー ラーソイルに限ってのこと。 語尾が荒れておりますが、慣れないもので、ご容赦ください。 なお、この文章はSETEXT表記に従っています。一般のビューワでも違和感な く読めますし、SETEXT対応ビューワだとより見易くなるでありましょう。
セーラーソイルのプレイはプレイヤー各人が自分のキャラクタ、他人のキャ ラクタ、敵キャラクタ、ノンプレイヤーキャラクタ、更にはイベントや結末に 至るまで、その全てを自らのアイデアで構築する。極端な話、一人ですべて書 いてしまってもOKなわけだ。しかしそれでは他の人が「おもしろくない」で しょ。そこでリレー小説のようにきりのいい場面で一旦切って次の人に展開を 託す方式を取るのです。例えば「誘拐発生」の場面で切って次の人に託し、次 の人が「身の代金要求」の場面を書き、さらに次の人が「警察に通報、逆探知 成功?」の場面を書くといった風に進めるのです。 セーラーソイルではそれぞれの場面の書式に、語り部サプリメント『狭間06』 の「エピソード」形式を採用。登場人物の会話を中心に進めるエピソード形式 が、セーラーソイルのプレイにはぴったりなのだ。プレイ進行に使うエピソー ドを、以後プレイエピソードと呼びます。
さて、実際に自分でプレイエピソードを書くにはどうすればいいか、一緒 に考えてみよう。 ここに「誘拐犯の電話の逆探知に成功」という場面で引き継がれたプレイ エピソードがある。 ********************************************************************** 警官部下 :「キャップ、逆探知に成功しましたっ!」 キャップ :「でかしたっ! で、やっこさんはどこからかけてた?」 警官部下 :「ここから西へ行ったところの不知火埠頭の近くの公衆 :電話です」 ********************************************************************** ここで終わっていたとすると、次はどういうふうに繋げようか。まず考える のは、「ストーリーが全体としてうまく繋がるようにしなければならない」と いうこと。しかしこれではあまりに漠然としていて何も思い付くものはないだ ろう。で、さらに考える項目を増やしてみるのだ。例えば「刑事モノといえば 波止場での犯人との打ち合いだ! 『太陽に吠えろ』でもよくあったじゃない か。松田優作扮する『ジーパン刑事』も波止場の倉庫で死んだんじゃなかったっ け?(記憶曖昧)」ってな具合に、自分が起こしてみたいイベント(この場合は 波止場でのドンパチ)を誘導するのである。 で、こうなる。 ********************************************************************** キャップ :「なるほどな、あそこなら隠れるところはいくらでもある。 :(奥さんのほうに向き直って)奥さん、犯人は埠頭のおそ :らくは輸入物品用倉庫のどれかに隠れているようです」 奥さん :「む、息子が無事ならそれでいいんです! 早く助けだし :てくださいっ! お金なら出しますっ!」 ********************************************************************** 筆の弾みで奥さんがヒステリックになってしまった。フォローしよう。 ********************************************************************** キャップ :「奥さん、そんな考えはしてなさい。お金を出すと、犯人 :は付け上がるんです。次に何をしでかすかわかりませんよ。 :息子さんを返さずに、さらに金を要求することだってあり :ます」 奥さん :「……そんな。とにかくっ、息子の無事を考えてあなた :方に連絡したんですからね。頼みますよっ」 ********************************************************************** これで刑事達が使命感に駆られるわけですな。 さて、これで舞台が波止場へ移動することになる。それくらいは誰でもわか るね。さらに展開させる? それとも、今後の展開を次に引き継ぐ? その判 断はあなたしだいなのだ。俺ならこう考える、「ドンパチにならなくても、もっ と面白いアイデアが出るかもしれない。次の人に期待しよう」ってね。プレイ エピソードにおいて、他のプレイヤーとの協調はかくして生まれ出るのであり ます。
プレイエピソードを使ってプレイを進行させる場合、ネタにつまると展開が 冗長になってしまって面白くない。よって毎回面白いネタで攻めよう。当たり 前ですね。 面白いネタといっても、決してギャグには限らない。シリアスなプレーを望 むなら、シリアスなイベントやあっと驚くイベントを用意しよう。そういった ネタならこの世には星の数ほどある小説の中に埋もれているのである。 プレイエピソードによるプレイ進行は、いわばイベントの集合体だ。面白い ネタは更なる面白いネタを誘発する。あなたがプレイエピソードを書く際、次 の人に期待をかけつつあなた自身の最高のネタで勝負しよう! クライマックスにはこれまでにない、熱く込み上げるものが待っているはず なのだだだ! 1996/03/30 SW0001 SuperFa-Mas
連絡先 / ディレクトリルートに戻る / 語り部総本部