語り部によるセッション中にボーリングを取り入れる方法と、ボーリングを
ルール的に判定・演出するための方法について考えたものです。
このサプリメントを使えば、あなたのキャラクターも今日からボーリングを
楽しみやすくなりまます。
このサプリメントは1995年3月18日に最初のものが作成されました。もとも
とはUG-NETのオフがらみでのジョークから一日で仕上げたものでした。
ボーリングの成績にかんして競馬のように誰が勝つかの投票をしてみようと
いうになり出走馬のコメントなるものが作られたのですが、ギャグとしてこん
な事が書かれていたのです。
「ボウリングですか。語り部化しましょう。では16番ボードで」
16番ボードとはUG-NETのTRPGボードのことです。
私はこのメッセージに感じるところが有り、二時間かけて実際に作って見せ
たわけです。
また、闇のプロボーラーネタは、語り部通信倶楽部のオフで出来上がった代
物です。同人パロディマンガのノリですね。
そうして作ったは良いものの埋もれていたボーリング・サプリメントを、こ
のたぴ行動別サプリメントの作成を考えるために、サンプルとしてまとめなお
してみたわけです。
ボーリング【bowling】《競技》
ボーリングとは室内で行われる競技の一種で、ボールをピンにあて
て何本倒れるかを競うもの。ボールの直径は22cm。ピンは木製で10本
を正三角形に等間隔に収まるように並べ、頂点のひとつをプレイヤー
側に向け、約18m離しておく。
20年ばかり前におおはやりした、ボーリングです。当時はプロなどもいまし
たけど、今ではどうなんでしょうかね。
取り合えず既知としてパスします。
本当は、プレイする順番や進行手順点数計算などについて書くべきなのです
が、私には分からないことが多いもので……。
語り部でボーリングをするにはどうしたら良いか。要するにこれは、語り部
で得点競争型スポーツをどう表現するかという問題になってきます。
互いに殴り会うような場合には、ごく普通に強制力判定で強制力をぶつけあ
えばいいんですけど、得点競争の場合はそうもいきません。
そこで、狙った得点に応じた難易度を設定しました。一ゲーム分をいっきに
判定する場合と、一投ごとに判定する場合の二通りの難易度を用意してありま
すので、シナリオの彩りとしてゲームを行なう場合にも、ボーリングだけを楽
しむ場合にも用いることが可能になっています。
このサプリメントで提供される技能は「ボーリング」技能のみです。むろん
あとで述べますように、いろいろとバリエーションは考えられます。
キャラクターの「ボーリング」技能をアベレージから算出するための換算表
は、次の通りです。
プロボーラーの成績がどの程度なのかが分からないので、この数値は残念な
がら暫定版です。助言に応じて改定する可能性は十分にあります。
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技能値 アベレージ ぶれ
6 50 ±20
7 80 ±30
8 110 ±30
9 140 ±40
10 180 ±20
11 200 ±15
12 220 ±15
13 240 ±15
14 260 ±10
15 290 ±10
18 300は当然 ±0
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難易度については後述されていますが、余力を大量投入したり大きな特徴が
ついたりすると、アベレージ以上の成績は容易に出るようになっています。
ちなみに、15以上にもなるとルール上はボーリングの球を投げて家屋を破壊
することも可能ですが、マスターは世界観に合わせてそれが可能であるかを考
えてください。
狭間でもキャラクターの設定(ボーリングのたまに霊力がこもるとか)しだい
では可能でしょうし、荒唐無稽を旨とする無限都市などならば問題はまったく
ありません。
ボーリングを行なう際に適用されそうな特徴を幾つかあげてみました。
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投球スタイルに関するもの:
変化球の達人 パワーボーラー 低速 剛速球 へろへろ玉
投球の癖に関するもの:
スプリットが出やすい ガーターが多い スペアが出にくい
ストライクのあとにはガーターが続く 成績の波が大きい
安定した実力
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世界観によっては魔球を使用する技能を与えてもかまいません。魔球は一般
に技能として扱い、普通のボーリング技能よりも高くすることでそれらしさを
出します。(簡易ひな型の例をみてください)
「俺のこの手が光って唸る! ピンを倒せと轟き叫ぶ!!」などと叫びつつ投
球することにより、ボールが加熱され威力を増して転がっていきます。
ボールがピンそばで爆発する。両手で投げて威力が二倍であると解説がつき
ます。
ボールが光る。だからなんだという話もありますが。
ボールが暗黒に包まれて転がっていく。
光の矢のようにボールが転がって行き、スペアを確保する。
当然ながら二投目にしか使用できない。
自らの体を回転させ、ボールとなってピンに突っ込んでいく。普通の大会で
はこの技はファウルを取られるのでまったく意味がない。
球がレーン一杯に分身してみえる。おかげで倒れるピンが増える……んだと
思う。
ボールが十個の破片に別れて、それぞれがピンに命中する。ファウルではな
いのかという気もしないでもない。
投げるときにはボールの色が赤でなければならない。回転とオーラでボール
がハート型にみえる。
天井まで届くほど高くボールを投げて、上からピンに直撃させる。
ボールが触れないピンも倒れる。コースがガーターでも倒れるために「触れ
てもいないのにピンがっ!!」と驚いてあげると良いでしょう。
ボールを持ったままぐるぐるとまわり、遠心力によってボールを猛スピード
で放り出す。
この判定は、プレイ中にボーリングの結果を簡潔に出す必要が生じた場合に
使用するものです。
参加するキャラクターそれぞれが、何点くらいをとりたいかによって、自ら
難易度を決定し、難易度ロールを行います。
難易度と得点の換算は次の表の通りです。
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難易度 結果
1 30
2 50
3 80
4 110
5 140
6 180
7 200
8 220
9 240
11 260
12 290
13 300
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必要ならば適当に±してください。
実際の投球以外に、挑発や脅迫、はげましなどを行なうことが可能です。
判定に時間がかかりますので、ボーリングをすることがメインとなるシナリ
オ以外では使用しないほうがよろしいかと思われます。
はっきり言って、バランス的にはむちゃくちゃかも知れません。
ターン進行は以下の通りです。
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1.投球キャラクターの第一投
2.他のキャラクターの声援など
3.投球キャラクターの第二投
4.他のキャラクターの声援など
5.次のキャラクターの番へ
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細かく解説します。
1.投球キャラクターの第一投
投球キャラクターが、どの結果にしたいかを考えて、自ら難易度を決定し、
難易度ロールを行います。失敗した場合には、一本も倒れません。ガーターな
どだったのでしょう。
難易度と得点の換算は次の表の通りです。
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難易度 結果
1 両端が残った
2 幾つか倒せた
4 ストライク
5 ダブル
6 ターキー
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2.他のキャラクターの声援など
投球キャラクター以外が、声援や野次によって支援や精神攻撃をかけること
ができます。
本体ルールに則って攻撃してください。
3.投球キャラクターの第二投
一投目でストライク以上の場合には不要です。
一投目で失敗している場合には、難易度は次の通りです。
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難易度 結果
1 両端が残った
2 幾つか倒せた
3 スペア
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一投目で「両端が残った」を選んでいる場合には、難易度は次の通りです。
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難易度 結果
1 両端が残った
2 幾つか倒せた
3 スペア
5スプリット
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倒れた本数については、適当にマスターが決めてください。「1〜9までの
好きな数値を取れば良い」というわけです。
安易な方法としては1D10を振って決めても良いかも知れません。
ボーリングにおけるストライクやスペアの重要性を考慮すれば、こんなもの
で良いかと考えたしだいです。
それに、ランダムに得点を出すのは「ランダム性は成功するか否かに封じ込
める」という語り部の設計方針に抵触しますし……。
リアリティのある得点分布にするためには、レーティング表のようなものを
利用しないといけないでしょうから、そこまでする気にはならなかったんです
よね。
4.他のキャラクターの声援など
投球キャラクター以外が、声援や野次によって支援や精神攻撃をかけること
ができます。
基本ルールに則って攻撃してください。
5.次のキャラクターの番へ
普通のボーリングのルール通りに、次の人間が投げることになります。
ボーリングをメインにしたシナリオなどで利用できるようなひな型を用意し
てみました。他のひな型同様に一般的なひな型と組み合わせたり、設定を深め
て追加してみたりして、個性豊かなキャラクターとしてみてください。
元プロボーラー《ひな型》
ボーリング全盛期にボーリングにはまり、ついにはプロにまでなっ
たものの、ブームの終焉とともに普通の職業につくことになった。
今でもボーリングの腕は確かで、なかまうちでの大会では大きなハ
ンデを貰いつつも大活躍している。
【余力】10 体力:5 集中力:5
【特徴】元プロボーラー:1 勝負強い:1
【技能】ボーリング:10 正業(なんでも):10
ボーリング同好会会員(パワーボーラー)《ひな型》
バワーで押し切るタイプ。テクニカルな局面でスペアを逃しがち。
【余力】10 体力:6 集中力:4
【特徴】パワーボーラー:1
【技能】ボーリング:9
ボーリング同好会会員(テクニシャン)《ひな型》
策を弄して回転をかけて投げるが、パワーが足りずに倒し損ねるこ
とがあるタイプ。
【余力】10 体力:4 集中力:6
【特徴】変化球の達人:1
【技能】ボーリング:9
ボーリングチャンピオン《ひな型》
ボーリング界の頂点に立つ人物。安定した実力を誇る。
【余力】18 体力:9 集中力:9
【特徴】ボーリングチャンピオン:3 安定した実力:2
持久力:2
【技能】ボーリング:15 持久走:11
魔球をあやつるボーラー《ひな型》
いざというときには魔球を使う。ジグザグにボールが転がる稲妻魔
球と、秘密兵器の風を巻き起こしてピンを倒す竜巻魔球をあやつる。
無限都市などのギャグ系の世界か、専用のスポーツアクションもの
世界に向いている。
【余力】18 体力:8 集中力:10
【特徴】魔球は切り札:2
【技能】通常ボーリング:13 稲妻魔球:14 竜巻魔球:15
PC達がボーリング大会に参加するシチェーションをシナリオ中に入れること
によってちょっとした気晴らしをさせてみるのも良いでしょう。
恋愛もののシナリオの味付けにどうぞ。
一般には知られざる舞台で戦う「闇の」賭けボーリング大会に参加する事に
なったPCたちは、驚異に満ちたレーンと異常な能力を持つポーラー達と戦って
いく事になります。
プロゴルファー猿などを参考にしてください。
魔球によってボールがどんどん壊れていく。そして、予備のボールの幾つか
が敵によって盗まれてしまったっ!!
戦友が傷つきながらも何とか取り戻し、最後の一球を破壊して立ちすくんで
いる主人公にボールを投げてよこす。
「これを使えっ」
友情のこもったボールで、勝利を得る。
流派投法不敗の師匠マスター・ボーリングとの熱い戦い。命をかけた戦いで
あるので、ピンを中央にはさんで投げ合う。
最後は師匠と弟子とが同時に石破天驚球を打ち合って、師匠が余波を喰らっ
て倒れる。
この勝負ではレーンが向こうの島にあるっ!! 投球場所とレーンの間には、
30メートルの海が横たわっているのだっ!!
ボーリングで戦いを挑んできた侵略者と、宇宙空間でのボーリング勝負だ。
摩擦熱で炎を上げる灼熱魔球は真空では使えない。モズ落としも無重力空間
ではボールが戻ってこない。さあ、どうする、プロボーラー猿。
一定時間内にスコアを出さないと、自爆させられる。
ピンがどこにあるか分からない、サバイバルボーリング。
例1:
ピンが樹上にある。逆モズ落としで叩き落としたり、樹をボールが駆け登っ
ていき、枝を破壊しつつピンに向かう技をつかってピンを叩き落とす。
例2:
火口にピンがある。
「これでは狙いをつけていてはボールが溶けてしまうっ!!」
これはモズ落としや竜巻魔球で何とかできる。
例3:
強化ガラスの向こうにピンが見えている。ガラスを破壊してピンにあてねば
ならない。
連絡先 / 語り部サプリメント / TRPGと創作“語り部”総本部