エピソード02『帰宅』


目次


エピソード02『帰宅』

登場人物

朝霞沙希(あさか・さき)
前世では男性で、有希の前世とは恋人同士であった。
バンド活動で生活のための資金をかせいでいる。
朝霞有希(あさか・ゆき)
沙希の妹。奨学金をもらい大学に通っている。
前世では女性で、沙希の前世とは恋人同士であった。

朝霧家―朝

SE
「ピピピ、ピピピ、ピピピ、ピピピ」
有希
「んー、あと5分〜」

キングサイズの特大ベッドで寝ている有希
 5分後……

有希
「あぅ、お姉ちゃんいないんだった」

いつも起こしてくれる姉が居ないのを思いだし、飛び起きる有希。

有希
「はわわわわ、急がなくっちゃ」

速攻で、着替え、食事、身だしなみを終了させる。

有希
「梅!行ってきまーす」

叫びながらドアを開けて家を飛び出る。
 ちなみに梅というのは飼っている亡き父親が飼っていた犬で「紀州丸」という名前がちゃんとあるのだが有希はそれをこう呼ぶ。

有希
「って、あ、あれ?」

玄関先で犬とじゃれている女性が一人

沙希
「よ、有希、学校か?」
有希
「(・_・)」
沙希
「ん?」
有希
「(・_・)」
沙希
「おーい」
有希
「(・_・)」
沙希
「お、おい、なにぼーっとしてるんだ? 遅刻するぞ」
有希
「お、お姉ちゃん……い、いつニューヨークから帰ってきたの? 帰国はまだ先だって……」
沙希
「ああ、思ったより早くレコーディングが済んだから……おわっ」
有希
「お、おねぇちゃぁぁぁん(泣抱きつき)」
沙希
「おいおい、なにも泣くことないだろう(なでなで)」
有希
「だって……一人は寂しいもん」
沙希
「学校遅刻するよ」
有希
「お姉ちゃん帰ってきたなら、今日は休む!」
沙希
「だめ、ちゃんと行って来い。それにこれから私はこれからちょっと寝るから、相手もできないぞ」
有希
「うう〜、じゃキスしてくれたら行く」
沙希
「まったく、小さい子じゃないんだから(額にキス)」
有希
「や、ここにして(口を指さす)」
沙希
「だーめ。ほら、もう行った行った」
有希
「にゅぅ〜」
沙希
「ほら、遅刻するぞ?(顔をのぞき込む)」
有希
「えいっ(チュッ)」
沙希
「あ、こらっ」
有希
「えへへ〜、行って来まーす(走る)」
沙希
「もう、しょうがないな」

夕方、有希の帰宅道

有希
「んふ」
友人1
「なんか今日はずっとこの調子だね」
友人2
「そうそう、なにを話しても上の空で、浮かれてるのよね」
有希
「だって、お姉ちゃんが帰ってきたんだもん」
友人1
「うそっ、沙希さん帰ってきたの?!」
友人2
「ああっ、沙希さまぁ(うっとり)」
有希
「オイオイ」
友人1
「だって、バンドで演奏しているときの沙希さんっていったら」
友人2
「そうそう、女の人とは思えないほど、めちゃくちゃかっこいいのよねぇ」
有希
「お姉ちゃんは私の物なんだから手を出さないでよね」
友人1
「うわ、爆弾発言(汗)」
友人2
「いいじゃない、今に始まったことではないんだし」
友人1
「そうよねぇ、有希のシスコンはかなり前からだもんねぇ」
有希
「だって、お姉ちゃんかっこよすぎたもん。」
友人1
「そうねぇ、その辺の男よりよっぽどかっこいいもんねぇ」
友人2
「ああ、それはいえてるわ」
有希
「っと、それじゃね」
友人1
「ふふふ、今度ゆっくり遊びに行かせてもらうわ」
友人2
「おなじく(ニヤリ)」
有希
「はいはい、わかりました」

朝霧家―夕方

有希
「ただいま〜」
沙希
「あ、お帰り」
有希
「あ、もう起きてるんだ」
沙希
「さっき起きたとこ、今シャワー浴びてたんだ」
有希
「ご飯は?」
沙希
「んー、なにも用意してないな(^^;」
有希
「それじゃ私が作るよ、材料はあるし」
沙希
「そっか、それじゃ私も手伝おう」
有希
「いいの、お姉ちゃんはゆっくりしてて」
沙希
「そ、そうか……」

しばらくして

沙希
「んー、やはり有希の作った飯は最高だな」
有希
「いやー、それほどでもぉ」

そして夜もおそくなり……

沙希
「沙希、もう遅いよ、そろそろ寝な」
有希
「えー、だってお姉ちゃんは?」
沙希
「私は、ちょっちまだ仕事」
有希
「ぶぅ」
沙希
「ほらほら、早く寝なさい」
有希
「はぁーい」

とんとんとん、と階段をあがってゆく有希

沙希
「やれやれ、有希の甘えん坊にも困ったもんだな(^^;」
ふぅ、とため息を一つ

沙希
「さて、片づけるか」
と、書斎の机に向かって、これからのスケジュールなどを片づけはじめる。

深夜−寝室

有希
(すぴ〜)
沙希
「よいしょっと(ごそごそ)」

寝室にはキングサイズのベッドが一つ、すでに有希が寝ている。そこに潜り込む沙希。

沙希
「(くすっ)よく寝てる」
有希
(すやすや〜)

しばらく愛おしげに、有希の寝顔を見つめる沙希。

沙希
「おやすみ、有希」
有希
「むにゅ……おねえちゃ……」
沙希
「(くす) あまえんぼう(額にキス)」

朝霞家−朝

SE
「ピピピ、ピピピ、ピピピ、ピピピ」
沙希
「んー、朝……か」

ベッドからのそりと上体をあげる沙希、傍らでは有希が寝息を立てている。

沙希
「おーい、有希ぃ。遅刻するぞー(ゆさゆさ)」
有希
「んー、あと5分〜」
沙希
「んー、ほれ(がばっ)」
有希
「寒いぃ〜」

掛け布団をはがされたようである

沙希
「私は、下でご飯の支度してくるから、早く着替えろよ〜」
有希
「はぁぁ〜い」

沙希は階下へ、有希は眠い目をこすりながら着替えをはじめた。

解説

リューさんによる、沙希と有希のとある一日。日常編。



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