エピソード048『男の人への……』


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エピソード048『男の人への……』

登場人物

更雲優(さらくも・ゆう)
月影のウェイトレスで翔が作ったねこみみメイドアンドロイド。
更雲翔(さらくも・しょう)
優を作ったねこみみ狂いのマッドエンジニア。

ある朝

「……(どうしよう……)」

朝食時。翔の食事の側にひかえている優。
 彼女は、現在悩んでいた。
 知りたい事があるのだ。しかし、それを作成者である翔に聞いて良いものかどうか悩んでいた。
 この「知りたい」という感情。これまでは感じなかった。メイドとして作成された優は、欲求が普通の人間より希薄であったのだ。

「うむ……んむ……今日も朝飯がうまいっ」
「……(おいしいって、喜んでくださってる……)」
「ん? どうした? 優」
「あ、あの……」
「何だ? なんでも聞きなさい」
「あの……マスター。男の人の喜ばせかたを教えてください」
「……(あんぐり)」

二の句の告げられぬ翔。確かに誤解を招きかねない言葉。
 そして、翔は見事に誤解した。

「直人におしえてもらいなさい」
「はい。わかりました」
「……ちょっと待て。あっさりうなずくなっ」
「なんですか?」
「だめだっ。そんなことは許さん」
「?」
「あんなことやあんなこと、あまつさえあんなことなんて……絶対に許さんぞ、直人」
「???」

翔、朝から妄想モード

「じゃぁ、マスターが教えてくださいますか?」
「(がふっ) 優はそんなこと知らなくていいのっ」
(……あとで珠希さんにお聞きしましょうか)
(直人のヤツ……とうとう……手を出したか……)

翔の中に殺意とも取れる複雑な感情が芽生えたのであった。

解説

初めて夢を見た優は、知りたい事が出来た。
 知りたい事を聞けるのは、マスターである翔のみ。
 本人に自覚はないが、重大発言である。



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