登場人物------------
- 葛城水稚(かつらぎ・みずち)
- 新宿に居を構える女情報屋。行く宛の無い小次郎の面倒を見る。
- 八島小次郎(やしま・こじろう)
- 結界能力に覚醒したばかりの若者。血気盛んな16歳。
てほどき---------
- 水稚
- 「じゃあ、はじめましょうか」
- 小次郎
- 「…………」
緊張した面持ちで小次郎が頷く。
- 水稚
- 「くす。素直ね(にこ)」
- 小次郎
- 「…………」(//_//)
水稚がいつものように小次郎をからかう。
初めての小次郎は、とにかく水稚の言うことを素直に聞くしかない。
- 水稚
- 「初めてなんでしょ。そんなに気負わなくても(くす)」
- 小次郎
- 「…………」
小次郎は一所懸命だが、その所作はぎこちない。
- 小次郎
- 「ん…………」
- 水稚
- 「焦っちゃだめよ。けっこうデリケートなんだから」
- 小次郎
- 「う…………」
- 水稚
- 「最初は……そう……ゆっくりでいいの。ゆっくりでいいから優しく……」
- 小次郎
- 「…………」
- 水稚
- 「そう、最初だから……柔らかく……優しく……」
- 小次郎
- 「…………ん」
- 水稚
- 「ん、そう……いいわ、その調子」
- 小次郎
- 「…………ぅ」
- 水稚
- 「ん、いいわ、いい感じよ」
- 小次郎
- 「ぅ…………ぁ……」
- 水稚
- 「焦っちゃだめよ。まだゆっくり……」
小次郎の鼓動が速くなる。
- 小次郎
- 「あああ…………」
- 水稚
- 「だめ、いきなりそんな激しくは……」
小次郎が水稚の言葉を無視する。
- 水稚
- 「だめっ、そんなにすると壊れるっ」
- 小次郎
- 「あぁぁぁぁっっっ……」
- 水稚
- 「まだ早いわっ、もっと我慢してっっ!」
小次郎が荒々しく力を注ぐ。
- 水稚
- 「だめよっ……ぁっ」
- 小次郎
- 「ぅん……ぁぁぁっっ」
- 水稚
- 「ぁ、だめっ、壊れるっっ!」
- SE
- キィィィィィィ…………ン
- SE
- バュゥゥゥ……
小次郎の張りかけの結界が消滅した。
- 水稚
- 「だから、いきなり強力なのはムリだって」
- 小次郎
- 「……結構難しいんだな」
3rd.1999.5.中旬
水稚に結界の張りかたを学ぶ小次郎。
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