汎用行為判定を採用する上で他のルールとの比較上重要になりそうなのは、
1.何を犠牲にして簡略化したのか。
2.何を重視て判定ルールを作ったか。
3.採用された統一判定ルールの持つ懐の広さ (どのような状況まで判
定対象としているのか)がどの程度なのか。
というところでしょう。
簡略化は粗雑化と紙一重なので、犠牲にした要素と重視した要素のバランス
が、制作コンセプトと一体化しているべきだと私は考えています。
語り部の場合は、
1.
細かい差異と極まれな事象の発生を無視した。
武器・武装の優劣を過小評価した。
2.
行為のもたらした結果の強度のみを判定することにした。また行動の成功率
と行動結果の強度をプレイヤーが選択できるようにした。
3.
どんな行動も強度がどの程度であるかによってのみ評価されるため、結果と
して「幸運だけで世を渡る」「金の力によって対処する」「可愛い笑顔さえあ
れば無敵」といったことがルール的に認められるようになった。
また個人の個性の数値表現としての「特徴」が行為判定に密接にかかわるた
めに、感情や個人の特性が行為判定に大きな影響を与えることになった。
といったところでしょうか。
1.の犠牲は大きなものですが、それによって得られた2.や3.のメリットは、
「即興で特殊なキャラクターも容易にプレイできる」という大きなものでした。
個性あふれるキャラクターを簡単に扱う(あまり正確ではない表現ですが)と
いう当初の目標は達成できていると思います。
「豪快である」のと「おおざっぱである」のとは紙一重だと思います。
ただまあ、これについては突っ込んだ考察はしていないので……。
攻撃の無効化に失敗すれば一回で敗北するという語り部のシステムは豪快と
いえば豪快なのかもしれませんが……。振りなおしのルールの特殊さがあるの
で、私はこれが特に豪快であるとは考えていません。
sf
連絡先 / ディレクトリルートに戻る / TRPGと創作“語り部”総本部