語り部IRCログ #HA21 2009-07-23

霞ヶ池の闇

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2009/07/23 00:00:00
[Hisasi] その存在すらをも変えられる神にも等しい力(原初魔術)を目の前にして
[Hisasi] 力に飲まれずにいられようか
[ToyoX200] 無理ダナ
00:12:31 + Suo(~username@ppxg037.enth.cli.wbs.ne.jp) to #HA21
[Hisasi] 市原の設定にもちまちまと追加したし
[Hisasi] 市原幸、小首を傾げて微笑むだけで、男共を夢中にさせたという猛禽の鑑
[Hisasi] 時代が時代なら傾国の美女ともなりえたと、まことしやかに語られている
[Hisasi] 確実にエリスンの血を継いだ真の猛禽です
[ToyoX200] 猛禽怖い怖い
00:18:36 ! miburo ("CHOCOA")
00:23:26 fukaWork -> fukaFuton
[Hisasi] ----
[Hisasi] #昔
[Hisasi] #江戸の政府軍屯所にて
[Hisasi] #中庭に一人の少女が立っている。
[Hisasi] ゆゑ:「…………」
[Hisasi] #襟元のぴっちりした洋装、小柄な体がひときわ小さく見える
[Hisasi] ゆゑ:「…………」>腰の刀に手をかけて
[Hisasi] #すらり、と。小太刀を抜く
[Hisasi] #慣れた手つき、まるで体の一部のように
[Hisasi] ゆゑ:「…………はっ」
[Hisasi] #振りぬく
[Hisasi] #脳内イメージで奴を斬る
[Hisasi] #奴とは、まあ、彼のことですが
[Hisasi] ゆゑ:「…………(すぅっと、間髪いれずに突く)」
[Hisasi] #連続して叩き込む
[Hisasi] #先手を打って反撃のいとまを与えぬ猛攻で
[Hisasi] ゆゑ:「せいっ」>そのまま返す刀で横一線
[Hisasi] #そのままぴたりと止まる。
[Hisasi] #ゆっくりと息を吐いて
[Hisasi] ゆゑ:「…………ふぅ」
[Hisasi] #日課に加わったイメトレ
[Hisasi] #だが、実際に戦に出してはもらえないのだ
[Hisasi] #護衛につくことはあっても
[Hisasi] ゆゑ:「……やはり、私ではだめなのか」
[Hisasi] #どんなに頑張っても女子の身
[Hisasi] #体がちっさいし、力も足りない、男連中と同じつもりで居てもやはり女子は女子と手心が入る
[Hisasi] ゆゑ:「…………」>ぎゅ、と。刀を握る手に力が入る
[Hisasi] #はがゆい
[Hisasi] #真佐子さまの為になりたいのに
[Hisasi] #気持ちだけで力が足りない、そして真佐子さまや周囲に余計に気を使わせている。
[Hisasi] ゆゑ:「…………はぁ」
[Hisasi] #肩を落として
[Hisasi] ??:「ゆゑ」
[Hisasi] #耳に心地いい澄んだ声
[Hisasi] ゆゑ:「え……幸!」
[Hisasi] #顔を上げた
[Hisasi] 幸:「ええ、ごめんなさい、ずっと見ていたのだけど、なかなか声を掛けられなくて」
[Hisasi] #そっと口元を押さえてはにかみながら
[Hisasi] #着物姿のゆゑと同い年くらいの少女がしずしずと歩み寄ってきた
[Hisasi] ゆゑ:「幸、こちらに来ていたのか……どうして、くるなら来るともっと早くに知らせてくれればいいのに」
[Hisasi] 幸:「今しがた付いたところよ、先ほど真佐子さまにもご挨拶してきたの」
[Hisasi] ゆゑ:「ああ、久しぶりだもの」
[Hisasi] #そして、小首を傾げて微笑む幸を眩しそうに見つめる
[Hisasi] #歳は同じ(十六)同じく、魔女として生まれたが、方やどこに出しても恥ずかしくない子女の幸
[Hisasi] #そして、女でありながら男の姿に身をやつし、だが力はまるで足りず、女としてのたしなみもまるでなってない自分
[Hisasi] ゆゑ:「…………綺麗だな、幸は」
[Hisasi] 幸:「あら、ゆゑも可愛らしくなったわ。以前は本当に男の子のようだったけれど」
[Hisasi] ゆゑ:「……私は半端だ」
[Hisasi] 幸:「どうしたの?」
[Hisasi] ゆゑ:「…………幸、思うんだ。私は真佐子さまの為なら命も惜しくない、どんな覚悟も決めると誓った。けれど……その覚悟に私自身の力が追いつかないんだ」
[Hisasi] 幸:「…………ゆゑ」
[Hisasi] ゆゑ:「私は……真佐子さまの為なら人斬りになってもいいと思った、その積もりで誰よりも腕を磨いてきた、けど……まだ覚悟が足りないんだ。真佐子さまは私を心無き人斬りにしたくないとおっしゃった」
[Hisasi] 幸:「……」>歩み寄ってきて
[Hisasi] #刀を収めてうつむいたゆゑの両頬をそっと撫でた
[Hisasi] 幸:「ねえ、ゆゑ。あなたは真佐子さまが伝えたかった言葉をちゃんと理解している?」
[Hisasi] ゆゑ:「……うん、真佐子さまの為に敵を斬るのではない、自分が手をかける相手を知って、それを受け入れて、覚悟する強さ……」
[Hisasi] 幸:「ちゃんとわかっているのね、なら、平気よ」
[Hisasi] ゆゑ:「…………でも、幸。わかってるんだ、覚悟もするし、理解もしている。でも……どうしようもなく、私自身が足りない」
[Hisasi] 幸:「…………」
[Hisasi] ゆゑ:「……私の剣は速い、だが軽い。そう言われた……女子には出来ぬものがあると」
[Hisasi] 幸:「それは」
[Hisasi] ゆゑ:「わかってる!幸が言いたいことも!自分でもわかってる!でもそれを言い訳にしたくはないんだ」
[Hisasi] 幸:「……ゆゑ、刀を手に戦うことだけが強さかしら?」
[Hisasi] ゆゑ:「……え」
[Hisasi] 幸:「武士とは、戦うことにだけに意味があるものなのかしら?」
[Hisasi] ゆゑ:「…………もう、武士という存在は意味をなさないのか?女である私はそも武士を名乗る資格すらないのか?」
[Hisasi] 幸:「違うわ、ゆゑ」
2009/07/23 01:00:00
[Hisasi] 幸:「世が武士を必要とせんとあろうと、その心さえあらば武士たらん」
[Hisasi] ゆゑ:「……(はっ)」
[Hisasi] #全く同じことを真佐子さまもおっしゃっていた
[Hisasi] 幸:「ゆゑ、あなたは目の前のことにばかり捕らわれている。いえ、あなただけでなく武士の道を見失ってしまった者達全てに通じるのかもしれないけれど」
[Hisasi] ゆゑ:「…………幸」
[Hisasi] 幸:「たとえ、武士や刀が世にそぐわぬものとなろうと、あなたが要らぬ存在になったりはしない。あなたが磨き上げてきた刃も研ぎ澄ました心も、決して失われはしない」
[Hisasi] ゆゑ:「…………」
[Hisasi] 幸:「あなたが、真佐子さまについていくために髪を切って女を捨てて家を出ようとした、その覚悟。その心は……決して偽りではない、誰よりも私が知っているわ」
[Hisasi] ゆゑ:「…………」>うなずいた
[Hisasi] 幸:「……あなたに懇願されて、あなたの髪を切ったあの日、私一人で泣きましたよ?」
[Hisasi] ゆゑ:「幸……」
[Hisasi] 幸:「あなたが行ってしまうのが悲しかった、ともすれば命を落としてしまうかもしれないと、心配で食事も喉を通らなかった」
[Hisasi] ゆゑ:「…………私は」
[Hisasi] 幸:「でも、あなたの目は真っ直ぐだった、ひとつの曇りもなかった、だから私は辛くてもあなたを送り出した」
01:07:23 + gombeLOG(~username@ntkyto177027.kyto.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp) to #HA21
[Hisasi] ゆゑ:「…………」
[Hisasi] 幸:「ねえ、思い出して、ゆゑ。あの時のあなたの心を」
[Hisasi] ゆゑ:「…………あの頃の」
[Hisasi] 幸:「武士であること、女であること、強さ弱さなど関係ない。あなたは心から真佐子さまに使える武士たらんとしていた」
[Hisasi] ゆゑ:「…………」
[Hisasi] 幸:「迷いはあってもいいの、ただ迷ったままでなく、本当に大切なものを見失わなければいい」
[Hisasi] ゆゑ:「…………うん」
[Hisasi] 幸:「あなたが本当に大切なものはなに?」
[Hisasi] ゆゑ:「……真佐子さまを、御守りし、その力になること」
[Hisasi] 幸:「なら、迷いなく貫きなさい」
[Hisasi] ゆゑ:「……はい」
[Hisasi] 幸:「よろしい」
[Hisasi] #くすくすと笑って頬にあてた手を離して
[Hisasi] ゆゑ:「……幸」
[Hisasi] 幸:「なあに?」
[Hisasi] ゆゑ:「…………ありがとう」
[Hisasi] 幸:「はい、いい子」>なでなで
[Hisasi] ゆゑ:「…………(うー)」
[Hisasi] #なんかバツの悪そうな顔で(こっぱづかしいから)
[Hisasi] #そのまま縁側に腰掛けて
[Hisasi] ゆゑ:「……私は、いつも幸に頼っている」
[Hisasi] 幸:「あら、私は嬉しいわ」
[Hisasi] ゆゑ:「そうじゃなくて……私も幸に頼って欲しいし、でも私は頼りないし」
[Hisasi] 幸:「わかっているのね」
[Hisasi] #くすくすと
[Hisasi] ゆゑ:「……そこまでずぶとくはない」
[Hisasi] 幸:「そうね、でも頼ってくれるのは嬉しい……でも」
[Hisasi] #すっと、立った
[Hisasi] ゆゑ:「幸?」
[Hisasi] 幸:「……あのね、ゆゑ」
[Hisasi] #振り向いた
[Hisasi] ゆゑ:「どうしたんだ?」
[Hisasi] 幸:「……私ね、結婚するの」
[Hisasi] ゆゑ:「……え」
[Hisasi] 幸:「本郷さまを通じて、ご紹介いただいた薩摩の方。いずれは……吹利にこられる予定らしいわ」
[Hisasi] #いわゆる政略結婚、というか
[Hisasi] ゆゑ:「それ……は」
[Hisasi] 幸:「吹利の地鎮方との擦りあわせをかねて、立場としては葛城家の養女という形になるけれど」
[Hisasi] ゆゑ:「……」
[Hisasi] #人身御供のようなものである
[Hisasi] #これも
[Hisasi] #ひいては封地である吹利の為でもあるのです
[Hisasi] ゆゑ:「……幸は、それでいいのか?」
[Hisasi] 幸:「ええ、それが必要と思ったから」
[Hisasi] ゆゑ:「…………」
[Hisasi] #いや結婚するのはいいんだ、いいんだけど。顔も見たことない相手と結婚とかこの時代ならばまだ割りと普通だし
[Hisasi] 幸:「遠まわしに市原に依頼があったの、吹利の脈を護らんとする為、誰ぞと」
[Hisasi] ゆゑ:「そんなの、なぜ市原が」
[Hisasi] 幸:「ええ、多くは反対だった。筆頭さまもお断りをいれる積もりだったそうだけど」
[Hisasi] 幸:「私が自分の意志で承諾したの」
[Hisasi] ゆゑ:「…………どうして」
[Hisasi] 幸:「何も成さずに、過ぎ行くままは嫌だったのよ」
[Hisasi] ゆゑ:「……」
[Hisasi] 幸:「ねぇ、いつどこで道を誤ってしまうかが怖くて何も成さないことと、結果間違いになってしまうかもしれなくとも少なくとも何かを成したこと、どちらが良いことかしら」
[Hisasi] ゆゑ:「…………それは」
[Hisasi] 幸:「私は何も成さずに過ぎ行くままなんて嫌よ」
[Hisasi] 幸:「結果、口さがない言われ方をするでしょうし、私すっかり掌握する積もりで嫁ぐ気でいるわ」
[Hisasi] ゆゑ:「…………」
[Hisasi] 幸:「……それがどうしたというの?私は一切のいい訳もしない、逃げも隠れもしない」
[Hisasi] ゆゑ:「……幸」
[Hisasi] 幸:「その覚悟でいる、それだけよ」
[Hisasi] ゆゑ:「…………」
[Hisasi] #強い
[Hisasi] #なんだか自分がどうしようもなくひ弱に思える。
[Hisasi] ゆゑ:「……強いな、幸」
[Hisasi] 幸:「そうよ、強さは腕っ節だけじゃあないわ」
[Hisasi] ゆゑ:「…………幸、誰がなんと言おうと……私は幸の決意を知ってる、強さも覚悟も」
[Hisasi] 幸:「ええ」
[Hisasi] ゆゑ:「……幸は、武家の生まれではないけど……きっと、その魂は……私なんかよりもずっと武士だ」
[Hisasi] 幸:「ゆゑにとっての、最高の誉め言葉ね」>くすくす
[Hisasi] ゆゑ:「…………うまく言えないんだ」
[Hisasi] 幸:「ううん、ありがとう。嬉しい」
[Hisasi] #微笑んで
[Hisasi] ゆゑ:「…………ありがとう、幸」
[Hisasi] #総括、市原はそこらの男なんぞよりずっと武士だ
[Hisasi] ----
01:39:01 + Tihiro(~sample@p1148-ipbf408kyoto.kyoto.ocn.ne.jp) to #HA21
[Hisasi] ……妙に長くなってしまった
01:41:14 ! Hisasi ("ドラクエ真っ最中")
01:46:27 ! Suo (EOF From client)
2009/07/23 02:00:00
02:01:47 ! Tihiro ("時間が足りないのは、なぜなのでしょう。")
02:55:12 ! gombeLOG ("Leaving..")
2009/07/23 03:00:00
2009/07/23 04:00:00
2009/07/23 05:00:00
2009/07/23 06:00:00
2009/07/23 07:00:00
07:54:16 fukaFuton -> fukaNeoki
2009/07/23 08:00:00
2009/07/23 09:00:00
09:00:00 ! kataribe ("auto down")
09:00:46 + kataribe(~kataribe@sv1.trpg.net) to #HA21
09:48:49 fukaNeoki -> fukaWork
2009/07/23 10:00:00
2009/07/23 10:00:01
10:00:37 + kata_cre(~kata@ns.cre.ne.jp) to #HA21
2009/07/23 11:00:00
2009/07/23 12:00:00
2009/07/23 13:00:00
2009/07/23 14:00:00
2009/07/23 15:00:00
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2009/07/23 17:00:00
2009/07/23 18:00:00
2009/07/23 19:00:00
2009/07/23 20:00:00
2009/07/23 21:00:00
2009/07/23 22:00:00
22:18:51 + Hisasi(~hisasi@115.CH575a.cyberhome.ne.jp) to #HA21
22:37:34 + Suo(~username@ppxg037.enth.cli.wbs.ne.jp) to #HA21
22:43:57 + miburo(~toukaen@i121-112-126-23.s02.a033.ap.plala.or.jp) to #HA21
2009/07/23 23:00:00
23:45:02 + gombeLOG(~username@ntkyto177027.kyto.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp) to #HA21
23:46:19 fukaWork -> fukaFuton
2009/07/24 00:00:00 end