現在の語り部総本部では、TRPGを基本においた共同創作環境を提供しています。ゲームシステムと世界設定により構築された架空の世界を舞台に、その架空世界における事実――物語を、作成し共有していくという遊びを行います。具体的には、お話しをかいたり、イラストを描いたり、セッションをしたり、キャラクター会話で遊んでみたり、設定を作成したりするわけですね。
共同で"架空の世界の事実"を作成していくことで。一人で作成するだけでは得られない、意外性や深み、そして楽しみを味わうことができるわけです。そして、その手段として、PBeMなどのような固定的な企画運営方法だけではなく色々な方法を利用できることが、語り部の強みです。
語り部は、もともとは汎用のTRPGルールです。各種世界設定とそのキャラクターを表現できるだけでなく、プレイスタイルやゲーム運用を含めた記述能力を目指しています。
なお、TRPGとは、対話により物語と架空世界を共有し、登場人物の行動を疑似体験するゲームです。おおむね登場人物を介して問題に対処するという形を取ります。ドラクエなどで有名なRPG(ロールプレイングゲーム)の本来の形態が、現在TRPGと呼ばれているものなのです。
語り部にはTRPGとしての顔以外にも、世界設定と遊びかたのセットでのゲームシステムとしての顔、共同創作的に物語と世界を積み上げて行くコミュニティツールとしての顔などを持つ、新世代の共創環境の提供も目指しています。現在も稼動しつづけているオンライン創作系企画としては、私の知るかぎりでは最古です。
コミュニティとして、どのようなものを利用しているかについては、コミュニティとしての語り部もご覧ください。
現在は、語り部コミュニティはTRPG.NETなどを運営している電網工房・匠により運営されている、コミュニティサービス実験かつ人材プールとしても位置づけられています。将来的にはもうすこし採算に寄与できるようにする予定です。
キャラクターは、能力や特性にイメージごとに決められた数値を、数値の上限の範囲内で書くだけで作成可能です。ポイント割り振り制でないため、イメージ・設定を素直にデータとして記述でき、そのデータをゲーム途中で直したりさえできます。そのため、イメージ通りのキャラクターを安全に作成することや、だいじな部分だけ作成してあとはキャンペーンが進むにつれてプレイ中の設定をデータに反映するなどが容易にできます。
行為判定はひじょうに抽象度の高いもので、余力という消耗ポイントの消費の勘案や、PCの行動の難しさと効果の大きさのどちらをどの程度優先するかをプレイヤーが決定すことができる一般判定で、戦闘と交渉その他の判定を統一的にゲームとして扱いやすくなっています。
製作当時には革新的だったと思いますが、さすがに古くなってる・追いつかれているところも多いですし。いまの知識からは色々と作りなおしたいところもあるわけですが……。気長にお待ちください。いろいろと、案だけはあるんですけどね。