語り部IRCログ #HA21 2009-11-13

霞ヶ池の闇

過去ログを示すのにはHTML版の語り部IRCログ #HA21 2009-11-13をご活用くださいませ。

2009/11/13 00:00:00
00:27:48 MOTOI -> MOTOsleep
00:29:39 TK-Leana -> TK-Sleep
2009/11/13 01:00:00
01:01:19 ! Ruki ("Leaving...")
01:12:34 ! Suo ("Leaving..")
01:12:56 saw -> sawdead
01:41:35 ! Hisasi ("かに")
2009/11/13 02:00:00
2009/11/13 03:00:00
03:27:27 ! sawdead ("See you...")
2009/11/13 04:00:00
2009/11/13 05:00:00
2009/11/13 06:00:00
06:39:15 fukaFuton -> fukaNeoki
2009/11/13 07:00:00
2009/11/13 08:00:00
08:47:50 + MOTOI(~MOTOI@219-117-185-245.cnc.jp) to #HA21
2009/11/13 09:00:00
09:00:02 ! kataribe ("auto down")
09:05:25 + kataribe(~kataribe@sv1.trpg.net) to #HA21
2009/11/13 10:00:00
2009/11/13 10:00:01
10:00:36 + kata_cre(~kata@ns.cre.ne.jp) to #HA21
2009/11/13 11:00:00
11:34:48 ! TK-Sleep ("あしたもあさってもれあな")
2009/11/13 12:00:00
2009/11/13 13:00:00
2009/11/13 14:00:00
14:22:38 + Ruki(~Ruki@p1063-ipbfp1401tokaisakaetozai.aichi.ocn.ne.jp) to #HA21
2009/11/13 15:00:00
2009/11/13 16:00:00
2009/11/13 17:00:00
2009/11/13 18:00:00
18:46:19 + TK-Leana(~TK-LEANA@219-122-221-98.eonet.ne.jp) to #HA21
2009/11/13 19:00:00
19:47:57 + H_Aoi(~chocoa@121-84-45-50.eonet.ne.jp) to #HA21
2009/11/13 20:00:00
20:17:14 fukaNeoki -> fukaFuton
20:25:15 + Suo(~username@ppxm084.enth.cli.wbs.ne.jp) to #HA21
2009/11/13 21:00:00
2009/11/13 22:00:00
22:09:18 + arca(~arca@p3132-ipbf1403hodogaya.kanagawa.ocn.ne.jp) to #HA21
22:11:41 ! Toyolina ("")
22:15:29 + Toyolina(~Toyolina@7c29320c.i-revonet.jp) to #HA21
22:19:02 + Hisasi(~hisasi@115.CH575a.cyberhome.ne.jp) to #HA21
2009/11/13 23:00:00
[Hisasi] ----
[Hisasi] #明神の封地にて
[Hisasi] #血で穢されたこの地にて、
[Hisasi] ゆゑ:「…………」
[Hisasi] #宵の口、一人の少女が鞘に収められた刀を手に立っている
[Hisasi] #市原魔女の前グランドマスター伊沙子の力により、礎として安定した
[Hisasi] #だが、まだ完全とは言えない
[Hisasi] #吹利の守りの要であった五石坊は狂気の魔術師・弓削の手により殺害され、同じく吹利山の守護である白澤翁も深手を負った
[Hisasi] ゆゑ:「……幸、お前の望んだ和とは……なんだったのだろう」
[Hisasi] #そして、自衛隊の熊谷が引き起こした市原魔女の尊厳を踏みにじったWIC
[Hisasi] #これにより、幕末以前から地鎮として助力していた市原魔女すべてが手を引くこととなった
[Hisasi] #本人の強い希望によって残った空色と、伊沙子の最後の願いである明神の護りのみ
[Hisasi] #自発的行動として認められた。
[Hisasi] ゆゑ:「……風が、澱んでいる」
[Hisasi] #伊沙子が地脈の護りとして力を受け継いでいようとも
[Hisasi] #その空を制する五石坊の死により、吹利の空は澱みが渦巻いている
[Hisasi] #いずれ、このままでは
[Hisasi] ゆゑ:「…………」
[Hisasi] #だが、守護を引き上げたサラエら魔女達の思いは、痛いほどにわかる
[Hisasi] #何の罪も無い母子の無残な姿
[Hisasi] ゆゑ:「…………(ぎりっ)」>噛み締める歯
[Hisasi] #きゅっと、刀を握る手に力が篭る
[Hisasi] #この怒りすべてをぶつけるのは間違っている
[Hisasi] #だが、外道を野放しにしたのも組織の罪でもあるのだ
[Hisasi] ゆゑ:「……」
[Hisasi] #空を仰いで、目を閉じる
[Hisasi] ----
[Hisasi] ----
[Hisasi] #過去の光景
[Hisasi] #華やかな宴の中
[Hisasi] #注がれた酒を飲むわけでもなく、ぼんやりと佇んでいた
[Hisasi] ゆゑ:「…………」
[Hisasi] #戦争は終わり、新政府の体制で何もかもが怒涛のように変わっていく中
[Hisasi] #相変わらず男装姿で、官吏の妻となる幸に仕えていた。
[Hisasi] ゆゑ:「…………」
[Hisasi] #顔をあげる
[Hisasi] #その視線の先にはしとやかに夫になる男に酒を注いでいる市原幸の姿。
[Hisasi] 幸:「さ、どうぞ」
[Hisasi] 男:「おお、いただこう」
23:29:40 + gombeLOG(~username@ntkyto176103.kyto.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp) to #HA21
[Hisasi] #寄り添うように甲斐甲斐しく気遣う姿、それは吹利の為であり……市原の自衛の為だと
[Hisasi] #幸はきっぱりと告げた
[Hisasi] ゆゑ:「…………」>目を逸らした
[Hisasi] #口さがない噂はゆゑの耳にも入っている
[Hisasi] #官吏を篭絡しようと送り込まれた女狐、いち早く権力者に媚を売った魔女
[Hisasi] #双方、納得の上の婚姻
[Hisasi] ゆゑ:「………」>溜息をついた
[Hisasi] #幸:「ねぇ、私ね。吹利の為よりなによりも……市原の安寧のほうが大切よ」
[Hisasi] #幸:「市原を……貴方を……護りたい、それが結果吹利を護ることにもなった、ただそれだけ」
[Hisasi] #幸:「だから、ゆゑ……祝福して、笑って……私を送り出して」
[Hisasi] #幸の言葉がよぎる
[Hisasi] ゆゑ:「……」>杯を置いて
[Hisasi] #誰が知るのか、幸の覚悟を。
[Hisasi] #口さがなく噂する者は自ら吹利の為、仲間の為に動いたのか?
23:39:24 gombeLOG -> gombeBusy
[Hisasi] #自らは何も成そうとせず、他者をあげつらって笑う権利があるというのか
[Hisasi] 声1:「……いやあ、流石は市原」>小声
[Hisasi] 声2:「あの様子、すっかり掌握したも同然だろうなあ」>揶揄するように
[Hisasi] ゆゑ:「…………」
[Hisasi] #僅かに手が震えた
[Hisasi] 声1:「政府方の本郷の細君も市原の出だというじゃないか」
[Hisasi] 声2:「影に君臨し、裏で操る……おお、恐ろしい」
[Hisasi] #だがその声は、どこかに嘲りを含んでいて
[Hisasi] 声1:「ともあれ、これでうまくやりこめてもらえればこちらも助かる」
[Hisasi] 声2:「まったくまったく」
[Hisasi] #裏でぐちぐち言うくせにてめぇで何をするわけでもなく
[Hisasi] ゆゑ:「………………」
[Hisasi] #きゅっと握り締めた手
[Hisasi] #ふと、その手が暖かくなる
[Hisasi] ゆゑ:「……?」
[Hisasi] #大きな手が握り締めた手を包むように
[Hisasi] 木谷:「……咆えるだけの犬だ」
[Hisasi] ゆゑ:「……わかってる」
[Hisasi] #すぐ傍らで、座っていても見あげるほどの大きな体
[Hisasi] 木谷:「ああ……少し席をはずすか?」
[Hisasi] ゆゑ:「……そうする」
[Hisasi] #喧騒を後に、中庭へと
[Hisasi] #宵の口、うってかわって静まり返った庭で
[Hisasi] ゆゑ:「…………理解しているんだ。政略結婚など珍しくも無いことで、昔からいくらでもあったことだということも」
[Hisasi] 木谷:「ああ」
[Hisasi] ゆゑ:「それが……なぜ幸なのか、どうして幸がそんな決意をしなければいけなかったのか」
[Hisasi] 木谷:「…………」
[Hisasi] ゆゑ:「まことに吹利の為ならば、こんな政略結婚に頼らずとももっと地鎮らが強く発言すべきだし、旧幕臣の葛城方だって市原に頼らずとも交渉することはできたはずだろう!」
[Hisasi] ゆゑ:「幸に任せるのが都合がよかっただけなのだろう、あの連中と変わらない。自分が泥をかぶりたくないばかりに幸に恨まれ役を押し付けたのだ」
[Hisasi] 木谷:「…………」
[Hisasi] ゆゑ:「何が旧家よ、何が地鎮よ……腰抜けの集団だ」
[Hisasi] ゆゑ:「葛城も、老人共も」
[Hisasi] 木谷:「…………」
[Hisasi] #激昂するゆゑに何も言わず、静かに見つめている
[Hisasi] ゆゑ:「…………すまない、口が過ぎた」
[Hisasi] 木谷:「いや、己を押し殺して恨みをつのらせるよりも、吐き出すのがいい……俺にだけは」
[Hisasi] ゆゑ:「…………すまない、木谷」
[Hisasi] 木谷:「構わない」
[Hisasi] #そのまま、無言で佇んでいると
[Hisasi] #宴会の席から誰かが廊下を歩いてこちらに向かってきている
[Hisasi] ゆゑ:「……あ」
[Hisasi] #で、顔を上げて
2009/11/14 00:00:00 end