語り部IRCログ #KA-04 2007-05-17

創作TRPG企画語り部の汎用予備チャンネル。

過去ログを示すのにはHTML版の語り部IRCログ #KA-04 2007-05-17をご活用くださいませ。

2007/05/17 00:00:01
00:00:40 ! NATI ("CHOCOA")
00:01:30 ! meltdown ("皆様に、「砂漠の風」のあらんことを")
00:02:02 mimimi -> mimidead
00:04:31 MOTOIafk -> MOTOI
[ER] 片帆:(すう、と、息を吸って)
[ER] 片帆:「赤い目玉のさそり」
[ER] 片帆:「広げた鷲の翼」
[ER] 片帆:「青い目玉の子犬」
[ER] 片帆:「光の蛇のとぐろ」
[ER] #歌ってる
[ER] #星巡りの歌ですね。宮沢賢治の
[ER] タカ:「…………」
[ER] #メロディはとても単純
[ER] 片帆:「オリオンは高くうたい、 露と霜とをおとす」
[ER] タカ:(一所懸命憶えてる)
[ER] 片帆:(歌ってる)
[ER] #ひどく懐かしい歌詞と、やはりひどく懐かしい旋律
[ER] 片帆:「小熊の額の上は」
[ER] 片帆:「空の巡りのめあて」
[ER] #すう、と懐かしげな目をしていたのが
[ER] #また虚ろに戻る。
[ER] タカ:「……おねーちゃん、その歌、好きな歌?」
[ER] 片帆:(沈黙)
[ER] #そしてちょんちょん、とつつく手
[ER] タカ:「ほえ?」
[ER] 金平糖:(うんうん)
[ER] #頷いてる
[ER] 金平糖:「きゅるーるるーりゅりゅーりゅ」
[ER] 金平糖:「きゅーるるー」
[ER] #旋律だけ歌ってる
[ER] きゅるきゅると(^^;;
[ER] タカ:「♪」
[ER] #真似して歌ってる
[ER] #そしてそのうち、ぼんやり座っている片帆を横に
[ER] #金平糖とタカが、一緒に歌いだす(笑
[ER] タカ:「アンドロメダの雲は 魚の口の形」
[ER] タカ:「大熊の足を北に 五つのばしたところ」
[ER] タカ:「……おねーちゃん、そのうち一緒におそら見たいね」
[ER] 片帆:(沈黙したまま、すうっと背を伸ばして)
[ER] 片帆:(また歌いだす)
[ER] タカ:(今度は一緒に歌いだす)
[ER] ******
[ER]  というわけで
[ER] そのうち、ギリちゃんに向かって、同じ歌を歌うことだろう
[Hisasi] うに
[Hisasi] うむ
[ER] タカ:「あのねあのね、おねーちゃんが歌ってた歌なんだよっ」
[Hisasi] 片桐:「ほう」
[ER] #ほんで歌ってみせる
[ER] #星巡りの歌
[ER] #……案外ギリちゃんも知ってる
[Hisasi] ほほう
[Hisasi] 片桐:「……」>どこかできいたような
[Hisasi] 片桐:「……もういっぺん歌ってみてくれるかのう」
[Hisasi] #なんぞおもいだしそうじゃ、と
[ER] タカ:「うんっ」
[ER] タカ:「あかーいめだまーの、さーそりー」
[ER] #一所懸命歌ってる
[ER] タカ:「ひーろげーたわぁしーの、つーばさー」
[Hisasi] #ふと思い出す銀河鉄道の夜
[Hisasi] #ああ、昔読んだあのイメージ
[Hisasi] 片桐:「……さそりの火」
[Hisasi] #ふっと思い出した
[ER] タカ:「……ほえ?」
[ER] #歌ってる途中で、すとっぷ
[ER] タカ:「おじちゃんおじちゃん、なんか知ってるのっ?!」
[Hisasi] 片桐:「……昔、読んだ本にな……宮沢賢治の銀河鉄道の夜っちゅう本に」
[ER] タカ:「……みやざわ、けんじ」
[ER] #一所懸命憶えてる
[Hisasi] 片桐:「……(ふと考えてる)」
[Hisasi] #こないだの詩のような言葉
[Hisasi] #今日の歌
[ER] #明日図書館で借りてこよー<タカの決意
[ER] タカ:「……ほえ?」
[Hisasi] #確か史の奴がすきやったのう、と
[Hisasi] #>宮沢賢治
[ER] #おー
[Hisasi] #で、聞いてみた。
[Hisasi] #ああ、春と修羅ですね。と
[ER] #にゃるほろ
[Hisasi] #そして古い本を貸してくれる
[Hisasi] #きっと何度も読み返したと思われる
[ER] #ほむ
[Hisasi] 片桐:「タカ」
[ER] タカ:「はいっ」
[Hisasi] #かえったぞーと、
[Hisasi] #後日ね
[ER] タカ:「おかえりなさいー」
[ER] #うむ
[ER] #わーいと玄関で
[Hisasi] 片桐:「おう、そうじゃ。この間言っていた」
[Hisasi] #がさごそとカバンあさって
[ER] タカ:「ほえ?」
00:34:01 ! hukirdead ("書く気が起きるのはいつの日か")
[Hisasi] #取り出す一冊の本
[Hisasi] #古い文庫本
[Hisasi] #春と修羅、宮沢賢治
[ER] タカ:「…………(じーっと見てる)」
[Hisasi] 片桐:「この間タカがいうとった詩がのってる本らしいぞ」
[ER] タカ:「え」
[ER] #目をまんまる
[Hisasi] 片桐:「後輩にな、この作家が好きな奴がおってのう、タカがいうとった文がのっとるのはこれじゃ、とな」
[Hisasi] #で、借りてきました
[ER] タカ:「……ほぇ……」
[Hisasi] 片桐:「読んでみるか?」
[ER] タカ:「うんっ!」
[Hisasi] #じゃあ一緒によむかーと
[ER] #ギリちゃんの膝にのっかって<おい
[Hisasi] #おう
[Hisasi] #そして、読みすすめて
[ER] #うん
[Hisasi] #渋いのう、とか思いつつ
[Hisasi] #タカには
[Hisasi] #でもなかなか引き込まれるなあ、とか
[ER] #うむうむ
[ER] タカ:「…………」
[Hisasi] #どこか目に浮かぶ銀河鉄道
[Hisasi] #ギリちゃん的にはそのイメージが強い
[ER] タカ:「……おじちゃん」
[Hisasi] #あと、ギリちゃんが知ってる宮沢賢治は、ヨダカの星とか
[ER] #こー、手をぎゅーっと握ってる
[Hisasi] #オツベルと像とか
[Hisasi] 片桐:「ん?」
[ER] #おお
[ER] タカ:「…………なんだか、怖いのが、あるね」
[Hisasi] 片桐:「……そうじゃの」
[Hisasi] #手を握り返して
[ER] #無聲慟哭とか
[Hisasi] #ヨダカの星は久志が好きだから
[Hisasi] #ヨダカせつねぇ、と
[ER] #うむ
[ER] #永訣の朝なんかもせつねえ
[ER] <二つとも、妹さんが亡くなった時の詩
[ER] #そして、宮沢賢治の作品を見たい人は
[ER] http://why.kenji.ne.jp/index.html
[ER] #こことかすごいゾ
00:40:59 Luna_ -> LunaSleep
[ER] #あとねえ
[ER] #
[ER] #虔十〔けんじふ〕公園林〔りん〕
[ER] #なんてもうすっげーお勧めだ
[ER] #これは、童話だけど
[Hisasi] 知ってるのう
[ER] こー、興味でたら、タカもいろいろ図書館で借りてきて
[ER] この本とか読んで
[ER] タカ:(ひっくひっく)
[ER] #あと、よだかの星とか
[ER] #ないちゃうよ
[ER] #ギリちゃんが帰るまでにひっくひっくなきながら読んで
[ER] #目が真っ赤
[Hisasi] #うむ
[Hisasi] #そして帰ってきてどうしたんじゃ、と
00:45:22 ! chita ("quit")
[ER] タカ:「…………読んでたの」
[ER] タカ:「よだか、かわいそうだよ……」
[ER] タカ:「お日さまも、オリオン座も、おおくま座も、みんな助けてくれないんだよ……」
[ER] #えっえっと
[ER] #思い出したら、尚泣けるらしい
[ER] #そしてそこらが、ぼんやりと心の壊れてしまったという片帆という人に重なる>タカ
[ER] タカ:(ぽろぽろ)
[ER] タカ:(ぐしぐし)
[ER] タカ:「…………おねえちゃん、知ってるのかなあ、あのお話」
00:49:45 ! MOTOI ("大樹:「いまにみてろよーっ」(どどーん")
[Hisasi] 片桐:「……」
[Hisasi] #わしわしと頭を撫でて
00:50:39 ! MOTO-i (Connection reset by peer)
[ER] タカ:「…………タカは」
[ER] タカ:「……タカは、おじちゃんがいるよね?」
[ER] #最初に自分にも重なったけど、ううんちがう、と、必死で頑張った
[ER] タカ:(ぎゅー)
[ER] #手につかまってる
2007/05/17 01:00:00
[ER] #てなとこで、本体倒れます(ばた)
[Hisasi] 片桐:「おう、ワシがいるぞ」
[Hisasi] #これだけはきっちり言っておこう
[Hisasi] #きゅっと手をにぎって
[ER] #ほむ
[Hisasi] #きっと、片帆さんにはいなかったんだ、、、
[ER] #というか、居ない状態で完全形に仕上げるさ(ふ)
[ER] #よくしなり、よく斬り、折れることの無い一本の名刀(?)に
[ER] #……ある意味、だから、花澄によく似た状態になるのかな。
[Hisasi] うむ
[ER] 良く笑い、快活で、口は悪くて
[ER] よくしなる……そういう人物に
[Hisasi] ちょっと手がでるくらい
[ER] …………まあ、うん、多少は
[ER] そして多分、朱敏君は安心する。
[Hisasi] うん
01:05:05 ! Ten-Rou ("寝るのです、きっと")
[ER] 安心でけるよ。
[ER] そして安心する朱敏君を見て、くすっと笑って
[ER] ……そういう風に
[ER] 私は書きたい(うわああんんっ)<おい
[ER] #「サウイフモノニ ワタシハナリタイ」
[ER] …………
[ER] というわけでねるすすすー
[ER] であー
[Toyolina] オヤッス
01:06:43 ! ER ("片帆:「そういうものに わたしはなりたい(ふう、と透明な目で空を見て)」")
[Hisasi] おや
01:08:46 ! hari_2nd ("See you...")
01:13:50 TK-Leana -> TK-Sleep
01:20:29 ! Hisasi ("ネタメモを消化しよう")
01:44:12 ! kisito ("CHOCOA")
2007/05/17 02:00:00
2007/05/17 03:00:00
2007/05/17 04:00:00
2007/05/17 05:00:00
05:27:31 + kataribe(~kataribe@sv1.trpg.net) to #KA-04
05:50:05 mimidead -> mimimi
2007/05/17 06:00:00
06:31:52 mimimi -> mimiaway
06:46:27 + kisito(~guilsn@p2254-ipad34sasajima.aichi.ocn.ne.jp) to #KA-04
2007/05/17 07:00:00
07:26:22 ! OTE ("Norton君...")
07:33:38 LunaSleep -> LunaWorks
07:33:40 + OTE(~metral@FLH1Aaa023.myz.mesh.ad.jp) to #KA-04
2007/05/17 08:00:00
08:08:33 ! kisito ("CHOCOA")
08:11:36 OTE -> OTE_Aw
08:20:35 MorisDEAD -> Morris
08:28:16 ! Morris ("ランダム落ちメ:『ダメダメメキシカンお仕事』")
08:44:05 + MOTOI(~MOTOI@pddc01f.tokyte00.ap.so-net.ne.jp) to #KA-04
2007/05/17 09:00:00
09:00:00 ! kataribe ("auto down")
09:02:05 + kataribe(~kataribe@sv1.trpg.net) to #KA-04
2007/05/17 10:00:00
2007/05/17 10:00:03
10:00:17 + kata_cre(~kata@ns.cre.ne.jp) to #KA-04
2007/05/17 11:00:00
11:52:31 + fukaChoku(~fukanju@p13234-air01hon128k.tokyo.ocn.ne.jp) to #KA-04
11:54:37 fukaChoku -> fukaByoto
2007/05/17 12:00:00
12:07:02 Ryu_away -> Ryu
12:34:30 ! mikeyama ("さ、佐川急便が! い、一時に来るので! き、帰宅して待ってたら! ど、どんだけ待ってもこない! う、うに食いてえ!")
12:38:21 MOTOI -> MOTOIaway
12:45:05 + mikeyama(~mikeyama@pl029.nas932.p-niigata.nttpc.ne.jp) to #KA-04
12:55:43 mikeyama -> mikeAway
2007/05/17 13:00:00
2007/05/17 14:00:00
14:27:20 MOTOIaway -> MOTOI
14:32:22 mikeAway -> mikeyama
2007/05/17 15:00:00
15:02:10 MOTOI -> MOTOIaway
2007/05/17 16:00:00
2007/05/17 17:00:00
17:08:56 ! mikeyama (Connection reset by peer)
17:10:34 + mikeyama(~mikeyama@pl029.nas932.p-niigata.nttpc.ne.jp) to #KA-04
2007/05/17 18:00:00
2007/05/17 19:00:00
19:20:16 + meltdown(~meltdown@wd22.AFL25.vectant.ne.jp) to #KA-04
19:49:14 + kisito(~guilsn@p2254-ipad34sasajima.aichi.ocn.ne.jp) to #KA-04
19:57:19 Ryu -> Ryu_away
2007/05/17 20:00:00
20:20:01 + PaLiLitH(~paladin@137.223.100.220.dy.bbexcite.jp) to #KA-04
2007/05/17 21:00:00
21:04:41 fukaByoto -> fukaIeji
21:29:26 + fukaIeji(~fukanju@ZC226185.ppp.dion.ne.jp) to #KA-04
21:30:11 TK-Sleep -> TK-Leana
21:33:10 fukaIeji -> fukaGoro
21:42:56 + Morris(~Morris@w253114.ppp.asahi-net.or.jp) to #KA-04
2007/05/17 22:00:00
22:04:16 + ER(~chocoa@softbank219198044079.bbtec.net) to #KA-04
[ER] こばわ
22:08:52 ER -> ER_kaki
22:13:02 fukaGoro -> fukaSleep
22:23:55 + Tihiro(~chocoa@softbank220054238145.bbtec.net) to #KA-04
[Toyolina] バワッス
22:36:39 + hukirdead(~hukira@p3135-ipad301kobeminato.hyogo.ocn.ne.jp) to #KA-04
[hukirdead] こんばんは
22:37:35 + Hisasi(~hisasi@107.CH575a.cyberhome.ne.jp) to #KA-04
[Toyolina] バワッス
22:39:01 ! meltdown ("皆様に、「砂漠の風」のあらんことを")
[ER_kaki] こばわー
[ER_kaki] ……なんかこのところ、或るあにめに嵌っている
[ER_kaki] (すぽん)
[Toyolina] なんだろう
[ER_kaki] (しみつー)
[ER_kaki] <をひ
[ER_kaki] つか、調べたら、数年前のあにめらしーので
[Hisasi] のおう
[ER_kaki] ほへ?
[Hisasi] ののの
[ER_kaki] ほへほへほへ?
[Hisasi] あにめでんでんみてないなあ
[ER_kaki] 己もぐーぜんでしたよ
[ER_kaki] 自分の好きな音楽を探してたら、そこにマッドで合わせてあったアニメがあって
[ER_kaki] なんかちょっと面白そうだから見てみたら、最後まで見ないと気がすまなくなった<おい
2007/05/17 23:00:00
23:05:43 MOTOIaway -> MOTOI
23:11:54 LunaWorks -> Luna
23:19:32 + hari_2nd(~UserID@FL1-122-133-200-197.kng.mesh.ad.jp) to #KA-04
[ER_kaki] タカ:(てててて)
[ER_kaki] #『よだかの星』の絵本をかかえて
[ER_kaki] タカ:「片帆おねーちゃーん」
[ER_kaki] #ベンチに座ってる、やっぱりぼんやりと宙を見る影のほうに
[ER_kaki] タカ:「こんにちはー」
[ER_kaki] 金平糖:「きゅるうー(両手をぱたぱた)」
[ER_kaki] タカ:(すとん:隣に座ってる)
[ER_kaki] タカ:「あのねあのね、よだかの星、借りてきたのっ」
[ER_kaki] #絵本は図書館から
[ER_kaki] タカ:「おねーちゃん、みや、宮沢賢治、好きなんだよね」
[ER_kaki] タカ:「だからこの話、読んだげるっ」
[ER_kaki] 片帆:(ぼー)
[ER_kaki] 金平糖:(わくわく)
[ER_kaki] タカ:「ええっと」
[ER_kaki] #よいしょ、と、本を開いて
[hari_2nd] #なんてもん借りてきやがる
[ER_kaki] タカ:『よだかは、実にみにくい鳥です。』
[ER_kaki] #わはは
[ER_kaki] タカ:『顔は、ところどころ、味噌(みそ)をつけたようにまだらで、くちばしは、ひらたくて、耳までさけています。』
[ER_kaki] #ときときつっかえながら、読んでゆく
[ER_kaki] 金平糖:(目をまんまる)
[ER_kaki] 片帆:(ゆらり)
[ER_kaki] タカ:『夕方、とうとう、鷹がよだかのうちへやって参り』
[ER_kaki] 片帆:『うちへやって参りました』
[ER_kaki] #ふうっと、声が重なる
[ER_kaki] タカ:(え)
[ER_kaki] 片帆:『「おい。居るかい。まだお前は名前をかえないのか。ずいぶんお前も恥(はじ)知らずだな。お前とおれでは、よっぽど人格がちがうんだよ。』
[ER_kaki] #無論絵本を見てなんぞいない。
[ER_kaki] #全部暗記
[ER_kaki] #怖いほど無表情のまま、でも声は役に応じて代わってゆく
[ER_kaki] #えらそうに言い募る鷹、気弱な、でも必死なよだか、弟分のかわせみ
[ER_kaki] タカ:(うわあ)
[ER_kaki] #手の中の絵本を、片帆の声にあわせてめくってゆく
23:33:56 mimiaway -> mimimi
[ER_kaki] #一字一句間違いがない
[ER_kaki] 片帆:『ああ、つらい、つらい。僕はもう虫をたべないで餓(う)えて死のう。いやその前にもう鷹が僕を殺すだろう。いや、その前に、僕は遠くの遠くの空の向うに行ってしまおう。』
[ER_kaki] #悲しげな声を、けれども無表情のまま発してゆく
[ER_kaki] タカ:(な、なんか……)
[ER_kaki] 金平糖:「…………」
[ER_kaki] #いつの間にか神妙に、ただ座って片帆の声を聞いている。
[ER_kaki] #話はどんどん進む。
[ER_kaki] #夜にしか飛べないよだかは、お日様に向かって飛ぶ。つれてってください、と
[ER_kaki] #でもお日様は、お前はひるの鳥ではないから、と断る。
[ER_kaki] #夜になって、よだかは星たちに頼む。
[ER_kaki] #西のオリオン、南の大犬座、北の大熊座、東の鷲座
[ER_kaki] 片帆:『余計なことを考えるものではない。少し頭をひやして来なさい。』
[ER_kaki] タカ:(ううー)
[ER_kaki] #もう読んでても、改めて声で演じられると、なんか聞いてて悔しい
[ER_kaki] 片帆:『馬鹿を云うな。おまえなんか一体どんなものだい。たかが鳥じゃないか。おまえのはねでここまで来るには、億年兆年億兆年だ。』
[ER_kaki] #どこか透明な、莫迦にすらしていない声で
[ER_kaki] 片帆:『いいや、とてもとても、話にも何にもならん。星になるには、それ相応の身分でなくちゃいかん。』
[ER_kaki] 片帆:『よだかはもうすっかり力を落してしまって、はねを閉じて、地に落ちて行きました。そしてもう一尺で地面にその弱い足がつくというとき、よだかは俄(にわ)かにのろしのようにそらへとびあがりました。』
[ER_kaki] タカ:「…………」
[ER_kaki] #タカは気がついていないが
[ER_kaki] #傍らで、金平糖の目が、ぼんやりとかすむようになって
[ER_kaki] #ぺたりと座ったまま、背中がくにゃりと曲がって
[ER_kaki] #片帆の無表情は変わらぬまま、声だけが切羽詰まったように、早く急かれるようになる
[ER_kaki] 片帆:『そらのなかほどへ来て、よだかはまるで鷲が熊を襲(おそ)うときするように、ぶるっとからだをゆすって毛をさかだてました。』
[ER_kaki] 片帆:『それから』
[ER_kaki] ……。
[ER_kaki] ふ、と。
[ER_kaki] 声が、止まる。
[ER_kaki] タカ:「………………え?(ささやくような小さな声で)」
[ER_kaki] #目を、あげる
[ER_kaki] 片帆:(ぶるぶる)
[ER_kaki] #顔をひきゆがめて
[ER_kaki] #まるで何かに縛られたように、両手を体の脇にくっつけて
[ER_kaki] #その体ごと、がたがたと震えて
[ER_kaki] 片帆:「ぐ……ぁああああああああああっ」
[ER_kaki] #かっと見開いた目
[ER_kaki] #喉一杯に叫ぶ声
[ER_kaki] #吼えるような……悲鳴ですらない
[ER_kaki] #喉から血を吐き出すような
[ER_kaki] タカ:「…………っ!!」
[ER_kaki] #そして声と同時に、その身体からまるでどおんと音がするように放たれた、波
[ER_kaki] #それが一度ぐんと膨らんで、片帆の頭から空へと大きく放たれかけて……
[ER_kaki] タカ:「だめえええっ!!」
[ER_kaki] #放たれた波動を、がっとせき止める
[ER_kaki] #せき止めた『壁』が、波動でたわむ
[ER_kaki] タカ:「……ぐぅ……っ」
[ER_kaki] #ぐうっと手を握って、こらえる
[ER_kaki] #奥歯を噛み締めて……
[ER_kaki] 片帆:「…………があっ」
[ER_kaki] #そして、逆流
[ER_kaki] #放たれた何かは、そのまま片帆に戻る
[ER_kaki] #戻るというより……直撃する勢いで。
[ER_kaki] 片帆:「…………っ」
[ER_kaki] #身体が大きく跳ねる
[ER_kaki] #何度か弾むようにベンチの上で跳ねて
[ER_kaki] #そのままだん、と、叩きつけられるように
[ER_kaki] タカ:「……おねえちゃんっ」
[ER_kaki] 片帆:「ぐ……うっ」
[ER_kaki] #がふ、と、口いっぱいの血を吐いて
[ER_kaki] #咳き込む
[ER_kaki] タカ:「だ……誰か、誰かっ?!」
[Hisasi] #梓ねえさんでてよい?
[ER_kaki] #誰でもー
[Hisasi] #ふっと、さあっと風がふいて
[ER_kaki] #最終的に、花澄が行きますが
[Hisasi] 梓:「あら?」
[ER_kaki] #回収に(苦笑
[ER_kaki] タカ:「……あ」
[ER_kaki] タカ:「た、たすけてたすけてっ!!」
[Hisasi] 梓:「あなたは……」
[ER_kaki] #悲鳴
[Hisasi] #二人をみて
[Hisasi] #片帆さんをみて
[Hisasi] 梓:「……」
[ER_kaki] 片帆:(がふっ)
[Hisasi] #片帆さんに近づいて
[ER_kaki] #気管支に入った血にむせてる
[ER_kaki] 片帆:(ひうひう)
[Hisasi] #そっと手を片帆さんの前にかざして
[ER_kaki] #喉が鳴ってる
[Hisasi] #少しラクになります
[ER_kaki] 片帆:(ひう……)
[ER_kaki] 片帆:(かふっ:詰まってた血を吐き出す)
[Hisasi] 梓:(懐からハンカチをとりだして)
[ER_kaki] 片帆:「…………う……」
[Hisasi] #片帆さんの口をあけて血をぬぐって
[Hisasi] #なんとか息が通るように
[ER_kaki] #ベンチに横たわったまま、半分口をあけて
[Hisasi] 梓:「大丈夫」
[Hisasi] #そっと片帆さんのおでこをなでて
[ER_kaki] 片帆:「……う…………」
[ER_kaki] 片帆:「うわああああっ」
[ER_kaki] #子供が泣くように
[Hisasi] 梓:「大丈夫ですよ……」
[ER_kaki] #どうしてどうして、と、首を振って
[Hisasi] #そっと片帆さんのおでこをなでながら
[ER_kaki] 片帆:「どうして……」
[Hisasi] #ハンカチをタカちゃんに渡して、ちょっとぬらしてきて、と
[ER_kaki] タカ:(こくっ:ハンカチをぎゅっと握って走ってゆく)
[ER_kaki] 片帆:「そら、に」
[ER_kaki] 片帆:「……そら、に」
[ER_kaki] 片帆:「どうして」
[ER_kaki] 片帆:「なんで…………っ」
[ER_kaki] #空に行きたかったのに
[ER_kaki] #空に、よだかのように、高く高く上りたかったのに
[Hisasi] 梓:「……」
[Hisasi] #そっと伸ばした手をとって
[ER_kaki] 片帆:(いやいやをするように首を横に振ってる)
[Hisasi] 梓:「……目指す高みは……はるか遠く」
[Hisasi] #両手で挟むように握って
[ER_kaki] 片帆:『よだかはのぼってのぼってゆきました』
[ER_kaki] #泣き声で
[ER_kaki] #のぼりたいんです、と言えない
[ER_kaki] #望んだことは口には出せない
[Hisasi] 梓:「…………」
[ER_kaki] #……そういう風に、人と関わることが出来ないのだ
[Hisasi] #辛いのね、と
[ER_kaki] 片帆:『寒さにいきはむねに白く凍(こお)りました。空気がうすくなった為に、はねをそれはそれはせわしくうごかさなければなりませんでした』
[ER_kaki] 片帆:「…………っ(首をぶんぶん振る)」
[ER_kaki] 片帆:「…………れでもっ」
[ER_kaki] #それでも
[ER_kaki] #それで最後になるとしても
[ER_kaki] #よだかにすら許されていた、たった一つの逃げ場が自分には無い
[ER_kaki] 片帆:「…………ぁあああああああっ」
[ER_kaki] #残っていた血を口から吐きながら
[ER_kaki] #泣きわめく
[Hisasi] 梓:「……」
[Hisasi] #きゅっと、片帆さんの手をにぎったまま
[ER_kaki] 金平糖:(その、泣きわめく片帆に、もたれかけるようにして、黙って座ってる)
[Hisasi] #泣きつかれるまで
[ER_kaki] タカ:「…………っ」
[Hisasi] #そのままにして置いてあげよう
[ER_kaki] #走って戻ってくる
[Hisasi] 梓:(ウインクして、大丈夫ですよ、と合図する)
[ER_kaki] #その後ろから、花澄がゆらり、と
[ER_kaki] タカ:「…………」
[ER_kaki] #何だかタカまで泣きそうな顔で見てる
[Hisasi] 梓:「……」>そっと泣き喚く片帆さんの頬を撫でて
[Hisasi] 梓:「ほら、お迎えがきました」
[ER_kaki] 花澄:「…………(すっと会釈して、タカの肩に手を置いて、その横を通って)」
[Hisasi] 梓:「……大丈夫、あなたなら」
[ER_kaki] 片帆:(だんだん弱くなる声で、それでもしゃくりあげながら)
[Hisasi] 梓:「……きっとあなたは飛ばなくても……火になれます」
[ER_kaki] 花澄:「……」
[Hisasi] #さそりの火をおもいつつ
[ER_kaki] #ちょっと首を傾げて、少しだけ笑みを浮かべて
[ER_kaki] 片帆:(ひっく……ひっく)
[ER_kaki] #子供みたいに、手の甲で顔をこすってる
[ER_kaki] 花澄:「…………有難うございます」
[ER_kaki] #静かな声で、梓さんとタカに一礼
[Hisasi] 梓:「いいえ、大丈夫」
[Hisasi] #そっと落ち着いた片帆さんの頭をなでて
[ER_kaki] 片帆:(ひっく……)
[ER_kaki] 金平糖:(ぎゅ)
[ER_kaki] #腰のとこにはっついてる
[ER_kaki] 花澄:「有難うございました、本当に」
2007/05/18 00:00:00 end