語り部IRCログ #HA21 2010-02-09

霞ヶ池の闇

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00:12:23 ! Hisasi ("熟練度上げぬんどくさい。。。")
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01:18:03 ! Suo (EOF From client)
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07:00:00 ! kataribe ("auto down")
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2010/02/09 08:00:00
08:03:51 + Toyolina_(~Toyolina@70.135.148.210.dy.bbexcite.jp) to #HA21
2010/02/09 09:00:00
09:00:01 ! kataribe ("auto down")
09:00:43 + kataribe(~kataribe@sv1.trpg.net) to #HA21
2010/02/09 10:00:00
2010/02/09 10:00:03
10:00:36 + kata_cre(~kata@ns.cre.ne.jp) to #HA21
2010/02/09 11:00:00
11:09:44 MOTOIdead -> MOTOI
2010/02/09 12:00:00
2010/02/09 13:00:00
2010/02/09 14:00:00
2010/02/09 15:00:00
15:44:21 ! TK-Sleep ("Leaving...")
2010/02/09 16:00:00
16:20:35 + TK-Leana(~tk-leana@121-83-54-56.eonet.ne.jp) to #HA21
2010/02/09 17:00:00
2010/02/09 18:00:00
2010/02/09 19:00:00
2010/02/09 20:00:00
20:35:57 Toyolina_ -> Toyolina
2010/02/09 21:00:00
21:27:59 + eupho(~eupho@ntakta007245.akta.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp) to #HA21
2010/02/09 22:00:00
22:18:37 huroya -> matuya
22:55:09 + Hisasi(~hisasi@115.CH575a.cyberhome.ne.jp) to #HA21
2010/02/09 23:00:00
23:04:50 + Saw(~UserID@KD125053007151.ppp-bb.dion.ne.jp) to #HA21
[Hisasi] ----
[Hisasi] #昔々の記憶。
[Hisasi] #戦後、流れ着いた日本であてもなくただ彷徨っていた頃。
[Hisasi] #吹利は直接の戦火はなかったものの、
[Hisasi] ウヤダ:「…………」
[Hisasi] #闇市の酒場で
[Hisasi] #吹利新本町、当時は雑多に並んだ狭い店がひしめいて
[Hisasi] ウヤダ:「…………」>コップを傾ける
[Hisasi] #度ばかり高い粗悪なカストリ酒を飲みながら
[Hisasi] ウヤダ:「…………」
[Hisasi] #ことんと、コップを置いて
[Hisasi] #これから何をなすべきか、先は全く見えないまま
[Hisasi] ウヤダ:「もう一杯くれ」
[Hisasi] 女給:「はいよ、同じかい?カストリ40度」
[Hisasi] ウヤダ:「ああ」
[Hisasi] #こぽこぽとラベルのない一升瓶からコップに注がれる
[Hisasi] ウヤダ:「……」
[Hisasi] #くるくると中の酒を回して
[Hisasi] #口をつけようとして
[Hisasi] 声:「よう」
[Hisasi] ウヤダ:「…………」
[Hisasi] #視線の先
[Hisasi] #ウヤダと同じく、軍服姿の男
[Hisasi] #恐らく同じく復員ヘイ
[Hisasi] 男:「ここ、いいかい」
[Hisasi] #返事も聞かずに向かいの椅子にどかっと座る
[Hisasi] #薄ら笑いを浮かべているが、その目は全く笑っていない。
[Hisasi] ウヤダ:「…………」
[Hisasi] 男:「そんなに睨むなよお、大将。そうでなくてもクソまずい酒が余計にまずくなるぜぇ」
[Hisasi] #にぃっと笑って
[Hisasi] ウヤダ:「…………」>くいっと、一口酒を飲んで
[Hisasi] 男:「ねえちゃん、俺も一杯ね。大将と同じ奴」
[Hisasi] 女給:「はいはい」
[Hisasi] #こぽこぽと、男の前にグラスを置いて酒を注いで
[Hisasi] #また他の席へと移動していく
[Hisasi] #周りの客は殆ど仕事もロクにみつからないあぶれ者、行くあてのない復員兵ら
[Hisasi] ウヤダ:「…………」
[Hisasi] 男:「なあ、大将……アンタこの辺のモンじゃねえだろ?」
[Hisasi] ウヤダ:「…………それが?」
[Hisasi] 男:「だろうなぁ……同じ戦場帰りでも、違うよなあ」
[Hisasi] #にやにやと無遠慮にウヤダを見て
[Hisasi] 男:「……これでも、ちょっとマトモじゃねえモンには縁があってなぁ」
[Hisasi] ウヤダ:「そうか」
[Hisasi] #そして、ふと、目を細めて声を潜めてこっそりとウヤダだけに聞こえるように
[Hisasi] 男:「アンタ、この国のモンじゃねえだろ?…………シナ人でもねえ……もっと違う、よく化けてるじゃねえか」
[Hisasi] ウヤダ:「………………」
[Hisasi] 男:「おっと、睨むなよ。まあ、よくあるこった。大将、喋りも反応自然だが…………いかんせん、細かい感覚がちょっとズレてんだなぁ」
[Hisasi] #ひひひ、と。
[Hisasi] ウヤダ:「…………何が言いたい」
[Hisasi] 男:「まあ、聞いてくれよ。別にアンタをどうこうしようってわけじゃねえんだ、ちょいと……俺らの話に一枚噛まねえかってことだよう」
[Hisasi] ウヤダ:「話による」
[Hisasi] 男:「へへへ、そうこなくっちゃな」
[Hisasi] #にやにやと笑顔をはりつけたまま、だがその目は恐ろしい程に隙がなくギラギラとしている
[Hisasi] 男:「俺らもよ、当てもなけりゃ先立つモンもねえ外れ者でよ、似たようなもんが寄り集まって威勢をはってるだけの集団だ」
[Hisasi] ウヤダ:「…………」
[Hisasi] 男:「仕事ったって、在るのは土建の作業……それも殆ど他の連中で埋まってやがる、それに流れの引き上げモンだ……視線も厳しいよなあ」
[Hisasi] ウヤダ:「…………それで?」
[Hisasi] 男:「まあ、急くなって。そも、マトモな仕事どころかその日のメシすらおぼつかねえ……そこで、目をつけたのは……裏の流通ってわけだ」
[Hisasi] ウヤダ:「……ほう」
[Hisasi] #つまり闇マーケットでブツをゲットしてうっぱらったり場を仕切ったり用心棒したり
[Hisasi] 男:「これでも上の目ぇ盗んでちまちまとやってきたんだがよ、ここらでひとつがっちり足場ぁ固めてマーケットを作りたい」
[Hisasi] ウヤダ:「…………」
[Hisasi] 男:「ま、俺だってそこらの連中よっか腕は立つぜ?だがよ……流石にきつくなってきやがってなあ」
[Hisasi] #にぃっと男が笑った
[Hisasi] 男:「そこで、大将に目ぇつけたって寸法だ」
[Hisasi] ウヤダ:「俺にお前の用心棒になれ、と」
[Hisasi] 男:「もちろん、ケチな男じゃねえ。ちゃんと報酬も出す。俺の目は確かなんだ、大将なら願ってもねえ逸材だってな」
[Hisasi] ウヤダ:「…………」
[Hisasi] 男:「こんなしみったれた店でバクダン混じりのカストリかっ喰らうより、もっとイイ酒が飲める。どうだい?旦那」
[Hisasi] ウヤダ:「…………」
[Hisasi] #一瞬、考えた。
[Hisasi] #だが、迷いや躊躇はさほどなかった。
[Hisasi] #何もすることがない状況よりも、得体の知れない男の持ちかけた話であろうと、するべきことがあるということが
[Hisasi] ウヤダ」
[Hisasi] ウヤダ:「いいだろう」
[Hisasi] 男:「そうこなくっちゃ」
[Hisasi] #にぃっと笑って
[Hisasi] 男:「俺は犬丸平次郎。大将はなんてんだい?」
[Hisasi] ウヤダ:「……石橋卓郎」
[Hisasi] 平次郎:「へへへ、よろしくなぁ、石橋の旦那」
[Hisasi] ウヤダ:「……ああ」
[Hisasi] #この時から
[Hisasi] #闇市、犬丸マーケットの用心棒。石橋卓郎の名が表に出ることになる。
[Hisasi] #そして犬丸平次郎が始めたマーケットが、後の吹利ゴールデン街となり、犬丸組へと変わっていった。
2010/02/10 00:00:00 end