語り部IRCログ #HA21 2009-02-09

霞ヶ池の闇

過去ログを示すのにはHTML版の語り部IRCログ #HA21 2009-02-09をご活用くださいませ。

2009/02/09 00:00:00
[Hisasi] #『死者は老いません、ですが記憶の中でそれはいつしか薄れて消えてしまう。四半世紀も生きることが出来なかったあの子を少しでも憶えていてあげてください、どうか』
[Hisasi] #『お礼としてお渡しできるものも何もありませんが、お願いします。海の泡と還った息子のことを少しでも忘れずに居てください』
[Hisasi] #そして、伯母からこれもといわれていたという
[Hisasi] #袋の中に入った青いりんご
[Hisasi] #『侘しい灰色にそまった時間が、少しでもこの緑色に染まってくれることを祈って』
[Hisasi] #手にしたリンゴを齧りながら、登っていく白い煙を見上げた
[Hisasi] #還っていく煙が天にのびていった
[Hisasi] ウヤダ:「…………」
[Hisasi] #昔を思い出しすぎている
[Hisasi] ウヤダ:「……しづten ten さん……」
[Hisasi] #
[Hisasi] #鍬田しづ
[Hisasi] #彼女の名前
[Hisasi] ウヤダ:「…………」
[Hisasi] #涙が落ちた
[Hisasi] #じわりじわりと
[Hisasi] #痛みが響いてくる
[Hisasi] #そしてやっぱり眠れませんでした。
[ER_old] #…………
00:09:47 arcafuro -> arca
[ER_old] #なんかこう、襟の後ろで、あみぐるみ達が、疲労困憊してそうだよ……
[Hisasi] #しづさんのお墓にお参りにいこう(といってももう無縁仏ですが)
[arca] 蒼助:「なんだ、まだ起きていたのか」
[Toyolina] #珍しく休暇届なんぞ出したりするのですね珍しい
[Hisasi] ウヤダ:「…………ああ」
[Hisasi] #眠れなかった
[Hisasi] #結局
[Hisasi] #手紙を読んで、色々と思い出していた
[arca] 蒼助:「手紙か?…思い出にでも耽っていたか」
[Hisasi] ウヤダ:「…………」
[Hisasi] #しづさんの手紙
[Hisasi] #縁側で一緒にお茶を飲んで、リンゴをくれた人
[Hisasi] ウヤダ:「……昔、世話になった人だ」
[Hisasi] ウヤダ:「俺が石橋に成りすましていたのを疑いもせず」
[arca] 蒼助:「なるほど。君の”石橋”の来歴は長いのだったな」
[Hisasi] ウヤダ:「……戦後すぐだ」
[Hisasi] ウヤダ:「石橋は……ビルマで見つけた戦死兵だった」
[arca] 蒼助:「ふむ、そのIDで日本に渡ったのか」
[Hisasi] ウヤダ:「……ああ、部隊は……全滅していた、好都合だった」
[Hisasi] ウヤダ:「そのまま奴の荷物を奪って、復員船に紛れ込んだ」
[Hisasi] #緑の表紙の手記
[arca] 蒼助:「その手帳は、石橋の物か」
[Hisasi] ウヤダ:「ああ」
[Hisasi] #かなり古い
[Hisasi] #何度も読み返したと思われる品
[Hisasi] ウヤダ:「奴の日記を読んで……その過去を知って、文に残された故郷のこと、奴のことを頭に叩き込んだ」
[arca] 蒼助:「なるほど。君の装いにはやはりオリジナルがあったか、巧みな訳だ」
[arca] 蒼助:「…読んでも良いかな?」
[Hisasi] ウヤダ:「…………」
[Hisasi] #一瞬迷った
[Hisasi] #でも手渡していた
[Hisasi] #自分は儚くなりそうだから
[Hisasi] http://kataribe.com/IRC/HA21/2009/02/20090208.html#010000
[Hisasi] #こんなことが書いてある
[Hisasi] #まあ、もっぱら甘いもんくいてーとか、故郷のこととか。
[arca] 蒼助:「…」
[arca] #受け取り、ゆっくりと要所を読む
[Hisasi] ウヤダ:「…………」
[Hisasi] #だんだん手記の内容が、過去を思い返すものや故郷でのことにシフトしていく
[Hisasi] #蒼助の目には、逃避しているようにもうつった
[Hisasi] #その合間合間に、一文で移動した、とか区域がかわったとか
[Hisasi] #淡々とした事実だけがあり
[Hisasi] #それ以外には友人である内藤と語り合った故郷のことや思い返した食事の味など
[Hisasi] #そんなことがずっと羅列していた
[arca] 蒼助:「ありがとう、臨戦に伏した兵の心内か。貴重な手記だな」
[arca] #そっとウヤダに返す
[Hisasi] ウヤダ:「……ああ」
[Hisasi] #手記を受け取ってしまう
[Hisasi] #これを60年以上もってたんです
[arca] 蒼助:「60年。物持ちが良いな、保存するのも大変だっただろう」
[Hisasi] ウヤダ:「…………なぜか、ずっと持っていた」
[Hisasi] ウヤダ:「……なぜかは、うまく説明できない」
[arca] 蒼助:「それは君に託された物だからだろう」
[arca] 蒼助:「どう言う縁であれ、君と石橋の関係は深い」
[Hisasi] ウヤダ:「…………」
[arca] 蒼助:「曖昧な部分があるはずだ。君自身と、石橋の記憶に。」
[Hisasi] ウヤダ:「…………俺は石橋ではない、それはわかっている」
[arca] 蒼助:「だが、君は人生の一部を確かに石橋して生きている」
[arca] #石橋として
[arca] 蒼助:「当然だな…感情隠喩は。感傷に耽るのは誰のためだ?」
[Hisasi] ウヤダ:「……石橋として過ごした、そう呼ばれて生きた……だが、それは」
[Hisasi] ウヤダ:「……俺のものじゃない」
[arca] 蒼助:「そうだな。君はウダヤ、石橋ではない」
[arca] 蒼助:「ならば、何故泣く」
[Hisasi] ウヤダ:「……っ」
[Hisasi] #ばれてた
[Hisasi] ウヤダ:「…………なぜだろう」
[arca] 蒼助:「それは同情か?それとも、追体験か」
[arca] 蒼助:「…それはどっちでも良い。問題は、君がそれに引かれすぎている事だ」
[Hisasi] ウヤダ:「……俺は」
[Hisasi] #石橋になりきりすぎている
[arca] 蒼助:「悼み悲しむのは良い、同情も結構だ。だがそれで君が壊れてしまっては滑稽だな」
[Hisasi] ウヤダ:「……俺は脆い、今更わかった。感情が戻ってきただけで、これほど揺らいでいる」
[arca] 蒼助:「徴候当然の事だ。それを処理できるかは別としてだが」
[ER_old] #……ふつーのひとはそれぐらいゆらぐんですようやだん……
[Hisasi] #普通を知らないからにんともかんとも
[ER_old] #学べ!周囲の人々から!
[ER_old] #…………周囲も普通じゃねえよな(滅)
[Hisasi] ウヤダ:「……揺らぎをどうすればいいのか、不安定な自分がどうやったら落ち着くのか」
[arca] 蒼助:「君は、今自分は脆いと言ったな」
[Hisasi] ウヤダ:「ああ」
[arca] 蒼助:「そうではない。脆さなど人間であれば誰でも持っている」
[Hisasi] ウヤダ:「………」
[arca] 蒼助:「特別悲観する要素では無いよ」
[arca] 蒼助:「悲しいときは泣くものだ。壊れない程度にな」
[Hisasi] ウヤダ:「…………」
[arca] 蒼助:「…いや、壊れないために」
[Hisasi] ウヤダ:「……鍬田利朗、復員船で会った男」
[Hisasi] #ぽつりと
[Hisasi] #もう一冊の小豆色の表紙の手帳を
[arca] 蒼助:「鍬田…それにもオリジナルが居たか」
[Hisasi] ウヤダ:「この男の手記を読んだ、大半は猫のことばかりだった……だが、だんだんと日を追って男が心を病んでいくのがよくわかった」
[Hisasi] ウヤダ:「……奴の手記を、実家の……吹利の家に届けた」
[Hisasi] ウヤダ:「故郷には奴の母親、父親はレイテで艦と沈んだという」
00:57:27 ! Saw ("Seeya")
[arca] 蒼助:「レイテ沖か…」
[Hisasi] ウヤダ:「日本に来て、俺は最初に石橋の故郷……広島に向かった」
[arca] #船と沈んだと言う事は神風じゃないのか
[Hisasi] ウヤダ:「そこには何もなかった」
[Hisasi] #原爆で
2009/02/09 01:00:00
[Hisasi] ウヤダ:「……それから、どこにいくともなく吹利に居た……そんな俺を、鍬田の母は何かと気にかけてくれた」
[Hisasi] ウヤダ:「…………彼女も終戦から三年後に亡くなった、鍬田の手記と手紙を俺に託して」
[arca] 蒼助:「なるほど。それが、先に言っていた?」
[arca] #世話になった人か
[Hisasi] ウヤダ:「ああ……」
[Hisasi] ウヤダ:「……今になって、わかる。彼女の気遣いを、壊れていった鍬田の苦しさを、石橋の故郷への想いを」
[arca] 蒼助:「…当時は理解できなかった、か?」
[Hisasi] ウヤダ:「……ああ、あの頃は……何の感情もなかった」
[Hisasi] ウヤダ:「だが……気づいていないだけで」
[Hisasi] ウヤダ:「辛かったのかもしれない、苦しかったのかもしれない、わからなかっただけで」
[Hisasi] ウヤダ:「……すまん、変なことを話した」
[Hisasi] #というわけで、そろそろ落ちるぜ。
[ER_old] #おやすー
[Hisasi] #というか、ここで背中を貸してくれるとかいう展開だとうれしいな>蒼助さん
[Hisasi] #泣くわけじゃないが
[Hisasi] #よっかかるくらいで
[arca] 蒼助:「構わない。話してくれてありがとう」
01:09:16 ! ER_old ("英国君完成だぜ!")
[arca] #いいよー
[arca] #おやござ
[Hisasi] ウヤダ:「……少しだけ」
[Hisasi] ウヤダ:「……背中を借りていいか?」
[Hisasi] #で、ごすっと額をつけてしばらくそうしてる
[Hisasi] #こんなかんじで。
01:10:04 ! Hisasi ("化学反応おそるべし。")
[arca] 蒼助:「…はっ。ああ良いさ、物足りないだろうが」
01:54:04 ! miburo ("ぼんぼんぼんごれびあんこ")
2009/02/09 02:00:00
02:04:55 ! Suo (EOF From client)
2009/02/09 03:00:00
2009/02/09 04:00:00
04:46:11 ! Tihipon ("森羅&万象:「二人揃って森羅万象!……センス悪いな(ですね)」")
2009/02/09 05:00:00
05:03:01 arca -> arcaZzzzz
2009/02/09 06:00:00
2009/02/09 07:00:00
2009/02/09 08:00:00
2009/02/09 09:00:00
09:00:00 ! kataribe ("auto down")
09:02:24 + kataribe(~kataribe@sv1.trpg.net) to #HA21
09:05:23 mikeZzz -> mikeUniv
2009/02/09 10:00:00
2009/02/09 10:00:01
10:00:37 + kata_cre(~kata@ns.cre.ne.jp) to #HA21
2009/02/09 11:00:00
2009/02/09 12:00:00
2009/02/09 13:00:00
2009/02/09 14:00:00
2009/02/09 15:00:00
2009/02/09 16:00:00
2009/02/09 17:00:00
17:43:31 + miburo(~toukaen@i58-89-80-249.s02.a027.ap.plala.or.jp) to #HA21
2009/02/09 18:00:00
18:51:05 + Tihipon(~haiji40pe@softbank220054238145.bbtec.net) to #HA21
2009/02/09 19:00:00
19:35:13 mikeUniv -> mikeyama
2009/02/09 20:00:00
20:02:42 + NaggyFish(~naggyfish@p9254df.fkoknt01.ap.so-net.ne.jp) to #HA21
20:29:46 ! Tihipon ("夜刃の存在忘れかけてたよ、本気で!(ぉぃ")
20:51:18 + Hisasi(~hisasi@115.CH575a.cyberhome.ne.jp) to #HA21
2009/02/09 21:00:00
21:05:20 + Saw(~UserID@203-165-236-212.rev.home.ne.jp) to #HA21
21:08:58 Saw -> Safuro
21:22:50 + Suo(~username@ppxd067.enth.cli.wbs.ne.jp) to #HA21
21:23:07 mikeyama -> mikeZzz
21:32:10 fukaFuton -> fukaGuten
21:51:41 ! NaggyFish ("ねるーん")
2009/02/09 22:00:00
22:23:09 + MOTOI(~MOTOI@202-72-78-136.cnc.jp) to #HA21
22:30:50 + Tihipon(~haiji40pe@softbank220054238145.bbtec.net) to #HA21
22:31:12 MOTOI -> MOTOImesi
22:39:46 matuya -> mafuro
22:51:18 fukaGuten -> fukaSleep
2009/02/09 23:00:00
[Hisasi] #そうだ、とよりん
[Toyolina] はいはい
[Hisasi] #氷冴さんとこに、サツがきたぜ。
[Hisasi] #例の件について嗅ぎまわってるらしい(言い方が、、)
[Toyolina] そういえばマタタビが来てましたね
[Hisasi] #なごりさんのことは適当にごまかして置きましたが、雪女かもね?とは匂わせておきました
[Hisasi] 氷冴:「……県警の人が来ていたわ」
[Hisasi] #一通り話しました。
[Hisasi] 氷冴:「内部でのゴタゴタが一息ついた様子ね、いいことかもしれないけど……動きづらくなるかしら?あなたのことは一応伏せておいたけれど」
[Toyolina] なごり:「そうですか……ありがとうございます。貴方には話しておくべき、ですよね。二件目が起きた事も」
[Hisasi] 氷冴:「……今朝のニュースのことね」
[Hisasi] #ふぅ、と
[Hisasi] 氷冴:「あれも……そうだったのね」
[Hisasi] #うまくごまかしてあった風だけど
[Toyolina] なごり:「ええ。河原の死体に比べたら、ですが。もっとも、カトレアさんが見つけなければ、翌朝発見されて、ただの凍死で片付いていたかもしれません」
[Toyolina] なごり:「思ったより展開が早くて。次で片付けないと、内々の始末では済まなくなりますね……」
[Hisasi] 氷冴:「そうね……これ以上被害がでたら、きっと県警も本腰を入れて動き出すわ」
[Hisasi] 氷冴:「そうなったら……」
[Hisasi] #手を離れちゃうかもしれぬ
23:28:18 mafuro -> haieda
[Toyolina] なごり:「あの河原とコンビニ……あの近辺に、しずりがいるのは間違いないのですが……どうも、なりを潜めているようで」
[Hisasi] 氷冴:「……共通点は、あるのかしら?」
[Hisasi] #地図をひろげてみるけど、共通点はみつかるかしらね?
[Toyolina] なごり:「どちらかというと、行動半径と考えた方が良いと思います……何時間も家を空けるとは考えづらいですから」
23:33:34 + arca(~arca@p1199-ipbf3003hodogaya.kanagawa.ocn.ne.jp) to #HA21
[Hisasi] 氷冴:「……なるほどね」
[Hisasi] #つつ、と。指で円を描いて
23:35:56 ! Safuro ("See you...")
[Toyolina] なごり:「一件目は夜中ですが……二件目は夕方ですし。家に戻ることを考えれば……」
[Toyolina] なごり:「その円の中のどこか、とは考えられます」
23:36:22 ! Suo (EOF From client)
23:37:06 MOTOImesi -> MOTOI
[Hisasi] 氷冴:「……今夜も、降りそうね……」
[Hisasi] #窓の外は、しんと冷え切っている。
[TK-Leana] SE:カランカラン
[TK-Leana] カトレア:「うう、冷える冷える」
23:38:42 + Saw(~UserID@203-165-236-212.rev.home.ne.jp) to #HA21
[TK-Leana] カトレア:「へい、ママ。暖かいものおくれ」
[Hisasi] 氷冴:「あら、いらっしゃい」
[Hisasi] #で、あったかいホットミルクを
[Toyolina] なごり:「……とはいえこの中からしらみつぶし、というのは」
[Hisasi] 氷冴:「他にそれらしい手がかりは……」
[Toyolina] なごり:「二十年前から住み始めた娘……という条件だけでは難しいでしょうね。カトレアさん、今晩も、降りそうです」
[Hisasi] 氷冴:「……そうね……」
[Hisasi] #厳しいなぁ
[Hisasi] #と
23:44:41 + ER(~tou_on@softbank219001022035.bbtec.net) to #HA21
[TK-Leana] カトレア:「おおう、どうするかねえ……予知能力者とか居ればいいんだけど」
[Toyolina] なごり:「そうですね、予測出来れば……もう少し狭まれば、網を張ることも可能なのですが……」
[TK-Leana] カトレア:「むう」
[Hisasi] 氷冴:「……今までで気づいた点をもう少し見直してみましょうか」
[Hisasi] #なんか見出せるかもしれんしな
[Toyolina] #被害者は男(ただし年齢はばらばら)
[Toyolina] #河原のオッサンは冷凍刑
[Toyolina] #コンビニのチャラ男2名はぷち雪山遭難刑
[Hisasi] 氷冴:「一見……関わりは薄そうね」
[TK-Leana] カトレア:「両方男」
[Toyolina] #河原のオッサンは夜中。チャラ男2名は夕方過ぎ。
[TK-Leana] カトレア:「……くらいしかわかんねえ」
[Hisasi] 氷冴:「…………無差別、なのかしらね」
23:57:04 + ToyoX200(~ToyoX200@r-115-36-173-128.g208.commufa.jp) to #HA21
[Hisasi] 氷冴:「どこかに潜んで、出歩いては凍らせている」
[ToyoX200] なごり:「……まだ、無分別というわけではありませんね……」
[ToyoX200] なごり:「狂ってしまっているのであれば、あのコンビニはもっとひどいことになってしまっていたと思います」
2009/02/10 00:00:00 end